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ジャズと映画と本の日々:高野雲

飽きないピアノトリオ~トミー・フラナガン・トリオ

      2017/05/19

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トミー・フラナガン・トリオTommy Flanagan Trio

text:高良俊礼(Sounds Pal)

ピアノトリオ 飽きない

誤解を承知で言ってしまえば「何の変哲もないフツ~のピアノ・トリオ・アルバム」。

ここには思わず息を飲むようなスリリングな展開も、目の覚めるような刺激を与えるフレーズもない。

ただスタンダード・ナンバーの美しいメロディーが、穏やかな音色と共にゆっくりと時を紡いでいくだけだ。

ややもすれば単なるBGMで片付けられてしまいそうなほど、平穏で典雅な作品だが、私も含め、所有している人が「頻繁に聴いている率」は高い。

つまり飽きない、飽きません。



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演奏 平穏

飽きない理由は何と言ってもその「平穏さ」だろう。

と言っても、トミー・フラナガン、トミー・ポッター、ロイ・ヘインズという3人の職人プレイヤー達は、決して手抜きした緊張感の欠ける演奏をしているわけではない。

フラナガンの“メロディーをちょっといじった程度”のアドリブや、ヘインズの“絶対に飛び出さないビート”など、演奏のちょっとした気配りに、「思いっきり弾き(叩き)まくりたい衝動」をグッと抑え、ムーディーな演奏に徹することに対する真剣さを見る。

そんな真剣さ、“プロ魂”が裏ごしされてのロマンティックな演奏だ。

飽きるはずがない。

大輪の花を派手に飾り立てるよりも、小さな花瓶に清楚な花が一輪飾ってあるのを見たときの方が、より特別な幸福感が味わえる。

このアルバムを美しく彩っているのは、多分そんな爽やかな感動だ。

text by

●高良俊礼(奄美のCD屋サウンズパル

記:2014/09/16

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