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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

南仏ニースでドド・マーマローサ~ドドズ・バック!

      2017/05/20

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ドドズ・バックDodo's Back

ニースに行ってきました。

気候のおだやかな南仏で、ゴロゴロ。そしてリフレッシュ。

目も覚めるような青さの地中海。

綺麗なビーチに横たわり、ひたすら読書。で、飽きたら海を見る。そんなことを繰り返してました。

私は活字が無いと落ち着かない性質ですが、音楽は流れていなくても苦にはならないので、旅行にはウォークマンのような音楽を聴く機械は持っていきません。

しかし、今回は持っていってみました。

「無人島に持ってゆく一枚のアルバム」という企画が時々あります。
私の場合、「フランスに“数日間”持って行くアルバム」というテーマでアルバムを選んでみました。

“一生”ではなくて“数日”なので、軽い気持ちで瞬時に浮かびました。
ドド・マーマロサの『ドドズ・バック』です。

これをMDに録音して持って行きました。

ちょっとズルして、ドン・フリードマンの『サークル・ワルツ』から《シーズ・ブリーズ》も追加録音しましたが……。

ドドは大正解でした。

本当に、ニースの青い海とアンニュイな景色にはピッタリでした。

というよりも、聴いていたのはホテルの部屋の寝る間際だったのですが、太陽の日差しと、海の青さと、歴史を感じる街並みと、青い空に浮かぶ飛行機雲と、ビーチで読んだミステリーと、うまい食事にうまい酒といった、楽しい一日を反芻しながら哀しいピアノを聴くと、なんかすごく染みてくるんですよ。

心と胃袋(?)は幸せな状態なんですが、でも、それだけだと、ちょっと気持ち的に締まりが無いというか、無意識にこじんまりとした哀しさ(そう、ドドのピアノはこぢんまりです。だから良いのですが)を求めていたのかもしれないですね。

ハッピーな感覚にふりかけるピリッとした“哀しみのスパイス”です。

重たい悲しさ。号泣するような悲しみ。

このような揺れ動く大きな感情ではなく、“ちょっとした哀愁”。

これが良い按配でブレンドされているからこそ、『ドドズ・バック!』は私にとってはかけがえのない名盤なのだなと思いました。

もっとも、名盤は名盤でも、大名盤ではありませんね。

小名盤といった趣きです。

1曲目の《メロウ・ムード》が本当に哀しくて大好きなのですが、2曲目もそれを上回る寂しさだということを発見。感激です。

オマケに録音していったドン・フリードマンの《シーズ・ブリーズ》は、ちょっと期待はずれでした。

早朝に、誰もいない浜辺に行き、風にあたりながら聴いたのですが、それほどではありませんでした。

この《シーズ・ブリーズ》に似合う風景の中で、ウォークマンを聴きながらタバコを吸い、海風に当たるということが今回の旅行の目的の半分以上だったのですが、期待が大きすぎたのかもしれません。

自宅で聴いたときのほうが、この曲は入り込めるなと思いました。

それにしても、ドド・マーマロサの『ドドズ・バック!』が好きで好きでたまらない人って、世界に何人ぐらいいるんだろう(笑)。

記:2003/05/22

album data

DODO'S BACK! (MCA)
- Dodo Marmarosa

1.Mellow Mood
2.Cottage For Sale
3.April Played The Fiddle
4.Everythings Happens To Me
5.On Green Dolphin Street
6.Why Do I Love You?
7.I Thought About You
8.Me And My Shadow
9.Tracy's Blues
10.You Call It Madness

Dodo Marmarosa (p)
Richard Evans (b)
Marshall Thompson (ds)

1961/05/09 & 10 Chicago

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