カフェモンマルトル

text:高野雲

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ナイト・イン・マンハッタン/リー・ワイリー

      2017/05/21

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ナイト・イン・マンハッタンNight In Manhattan

50年代のニューヨークを彷彿とさせるヴォーカル

夢み心地なピアノ。
彩るトランペット。
舞うヴォーカル。

まずは、雰囲気に酔おう。
ジャケットを眺めながらだと、なお良い。

50年代のニューヨーク。

当然、私は当時のニューヨークは知らないし、その時代には生まれてすらもいないけれども、当時の華やかなニューヨークの雰囲気を覗きみているようなワクワク感が生まれてくるのだ。

これはもう、冒頭の《マンハッタン》の前奏のピアノを聴いた瞬間から、湧き出てくる感覚。

リー・ワイリーの、なんというのだろう、洗練された都会的な歌唱は、たぶん、世代とかを超えて、さらりと聴く者の心のツボをつくんじゃないかと思う。

彼女はオクラホマ出身で、生粋のニューヨーカーではないが、だからこそニューヨークの良いところ、ニューヨーク独特な「気分」を端的に描写することが出来たのかもしれない。



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ボビー・ハケット

私は、じつは、このアルバム、そう頻繁には聴かないことにしている。
なぜなら、飽きるのが怖いから。

もっとも、飽きるような底の浅い内容ではないことは承知の上なのだが。

リー・ワイリーの力が抜けすぎず、かといって張り切り過ぎない適度な温度感をキープしつづける歌唱も良いが、私はボビー・ハケットのトランペットも隠れた「名唄」にゾッコンだ。

ワイリーの歌唱を決して邪魔することなしに、さらりと優雅に自己主張。
それだけではなく、ワイリーの歌唱にしなやかに色も添えている。

このバランス感覚、このセンス。
ハケットのトランペットプレイは、明らかに隠れたヴォーカル。
ワイリーのよき伴侶をつとめている。

彼のトランペットが無ければ、この『ナイト・イン・マンハッタン』はもっと味気の無いアルバムとなっていたのではないだろうか。

それにしても、いくつかの曲に参加しているドラマーとベーシスト、そしてバックのオーケストラのクレジットが私のアルバムには記載されていない。
いったい誰なんだろう?

記:2005/07/09

album data

NIGHT IN MANHATTAN (CBS)
- Lee Wiley

1.Manhattan
2.I've Got A Crush On You
3.A Ghost Of A Chance
4.Oh! Look At Me Now
5.How Deep Is The Ocean
6.Time On My Hands
7.Street Of Dreams
8.A Woman's Intution
9.Sugar
10.Any Time,Any Day,Anywhere
11.Soft Lights And Sweet Music
12.More Than You Know

Lee Wiley (vo)
Bobby Hackett (tp)
Joe Bushkin (p)
Stan Freeman (p)
Cy Walter (p) &Others

1950/12/12
   12/14
1951/11/19
   12/4
   12/7

 - ジャズ ,