チャーリー・パーカー・ボックスセット・ナウズ・ザ・タイム

      2017/05/19

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Now's The TimeNow's The Time/Box Set

ディスクユニオン

「ディスクユニオン」というと、お茶の水や吉祥寺にあるのが代表的な店舗なのかな?

私の場合、学生時代から一番よく利用していたのは、お茶の水にあるディスクユニオンでした。今は移動してしまったけど、昔はJRお茶の水駅を出て、交差点の斜め向こうにある細長いビルの3階か4階にジャズコーナーがあって、よくそこで中古CDを買っていました。 次いで、吉祥寺や津田沼かな? 時折足を運んだついでに立ち寄りジャズの中古CDをよく買ったものです。

柏店では戦前ブルースのCDをよく買ったな。国立にもたまに行ったけど、オーディオ機器が多くて、中古CDはあまり多くなかった記憶があります。

で、ディスクユニオンの中古コーナーで買う際の優先順位は安いものから(笑)。

だいたい1枚1200円ぐらいまでが個人的な購入限界で、それぐらいの値がついたものを数枚買って家で聴くというようなパターンでしたね。

1100円前後の値がついた中古CDだと、プレスティッジやヴァーヴ、リヴァーサイドのものが多かったですね。

ブルーノートは、この値段より100円か200円とちょっとだけ高かった。

で、ECMやその他のレーベルのものになると1500円以上になり、ディスクユニオンの自社ブランドであるDIWも値崩れさせないためか、高めのものが多かったように記憶しています。

当時は阿部薫とかが学生時代に好きだったんですが、1枚1800円などの『ライヴ・アット・騒』シリーズや、同じくDIWのデヴィッド・マレイのCDなどは、購入するのには、ちょっと躊躇した思い出があります。

なので、私のジャズCDの基本コレクションのベーシックな部分は、ディスクユニオンの中古盤によって形成されているといっても過言ではありません。



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ボックスセット

ま、そんな感じで、ちびちびと出来るだけ安いCDを中心に買い揃えていた若い頃の私なので、ボックスセットなどは高嶺の花だったわけです。

もっとも、チビチビと安いCDを買うのをしばらくやめればすぐに買える値段ではあったんですが、マイルスの『プラグド・ニッケル』のコンプリートや、チャーリー・パーカーの『サヴォイ』のコンプリートセットを買うようになったのは、就職してボーナスが出たときなどでしたね。

これらのボックスセットは、めちゃくちゃ高い値段というわけでもないんですが、それでも、このボックスセットをレジに持って行くときの心境は、「えいやっ!」と心に気合を入れていた。

ですのでボックスセットというと、応接間の百科事典のような存在で「あるけど聴かない」という人が多いという話を聴いたことがありますが、私の場合は違いました。

「大枚はたいて買ったんだから、勿体ないから聴く」、これでした。

何度も何度も大切に聴きました。

たぶん、今私の血の中に流れているであろう、ビ・バップのスピード感とウネウネ旋律が好きなところや、それとは相対するアブストラクトなサウンド空間と、楽器が付かず離れずを繰り返すアンサンブルも好きなところは、おそらくパーカーのボックスセットやマイルスのボックスセットから来ているのかもしれません。

費用対効果ではありませんが、高いなりに、一応は元を取ったというか、そんな感触はありますね。

ダウンロード時代

あれから月日が流れ、音楽の配信、ダウンロードが当たり前になった現在、CDの値段も値崩れし、たとえばリアルゴーン・ジャズのシリーズのように、一人のジャズマンのアルバムが7枚や8枚も収録されて1000円前後というCDセットも珍しくなくなりました。

もちろん、ライナーノーツなどはありませんが、そのミュージシャンやアルバムのことを知りたければ、気軽にネットで検索できますしね。

廉価で何枚分のアルバムの音源が手に入り、しかもデータや解説はネットで気軽に閲覧できる。いい時代になったものです。

しかし、杞憂ではあるのですが、音源もデータも手軽に手に入れることが出来るようになった現在、「ありがたみ」というようなものは失われているんじゃないかな? と。

やっとの思いで手に入れたものは、私のようなケチな性格の人は、勿体ないから何度も聴くんだろうけど、タバコ2箱分で何十曲も収録されている音源を手にしたところで、大事に聴くのかなぁ?、という思いはありますね。

iTunes

私自身がそうなのですが、家にいるときは、iTunesをかけっ放しにしていることが多いし。

ランダム選曲にして。で、あまり聞き覚えのない曲が流れたり、普段、耳にしていない曲が流れると、「えっ?こんな音楽うちにあったっけ?」とハッとするという。今はPCを変えて、ハードディスクもぶっ壊れちゃったので、iTunesに入れている曲の数は数万曲と控えめですが、一時期は、13万曲以上をハードディスクにぶっ込んでましたからね。

そして、自分でお気に入りの曲を探すのではなく、いわば「ながら」気分で、iTunesが気まぐれで選曲してくれた音楽を楽しむというプチジャズ喫茶気分を味わっているような感じです。

おそらく、iTunesやiPodが音楽生活の中心軸となっている人は、音源を手に入れたら、とにもかくにもデータとして放り込み、それで一安心。あとはシャッフルさせて聴いたりしている人も少なくないのではないでしょうか?

私自身、最初はこういう聞き方のスタイル、無頓着すぎるかな? とも思ったものですが、ひとつジャズ聴きとしてはメリットがあいまして、それは「ブラインド」が出来るということですね。

今ソロをとっている管楽器奏者は誰で、何のアルバムに入っているなんという曲だったけ? と、聞き覚えのないトラックが流れると無意識に考えてしまうようになるんですね。

特に、チャーリー・パーカーなんかは、たくさんのテイクが残されているから、テンポやアドリブや音の勢いの違いも、ランダム再生していると分かってくるようになるんですよ。

私の頭の中にあるパーカーの基準って、やっぱりサヴォイのマスターテイク集や、東芝EMIが出していたダイアルの西海岸編と東海岸編なので、これらは数えきれないほど聴いていたため、パーカーの音源の「基準」みたいなものになっていて、曲は同じでも、記憶の中にある「基準」と演奏の気配がちょっとでも違うと、「あ、これはオルタネイトテイクだな」と気がつく。

もちろん、「テイク7」とか「テイク8」などのテイク数までは分かりませんが。

そういう利き茶みたいなことを気軽に出来るのが、iTunes時代がもたらした新しい音楽の楽しみだと思っています。

チャーリー・パーカー BOXセット

で、前置きが長くなってしまいましたが、これから短い本題に。

最近、パーカーのボックスセット10枚組が売れているようです。しかもリマスタリングされて、しかも2000円を切るという安さ。

最初の話に戻りますが、ボーナスのときにパーカーのボックスセットを清水の舞台から飛び降りる覚悟で(大袈裟ですが)買っていた昔の私からしてみれば、「反則だよ!」と言いたくなるのですが、iTunesでランダム再生を楽しんでいる現在の私からしてみると、「むふふ、これで同じ演奏内容でも、リマスター前とリマスター後を当てっこする楽しみが増えた」とニヤリとも出来るわけで、なんとも複雑な思いではあります。

とにもかくにも、パーカーの音源がリマスターされて、10枚のCDに150曲以上収録されて、千円台の「持ってけ泥棒」的なボックスセットではあります。

記:2014/11/20

 - ジャズ

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