カフェモンマルトル

text:高野雲

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スゴすぎる!マックス・ローチのタイム感~クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ

      2017/05/20

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クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ+2クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ+2

収録時間を見ていたら気がついた。

《ダフード》の演奏時間、

マスターテイクが4分7秒で、
オルターネイトテイクが4分8秒。

同じ曲、同じテンポとはいえ、たったの1秒しか演奏時間に誤差がないのだ。

マックス・ローチというドラマーは恐るべきタイム感覚の持ち主だと驚嘆せざるを得ない。

しかも、凄いことに、両テイクを聴き比べると、ドラムの勢いがまるで違うのだ。

あきらかにマスターテイクのドラミングのほうが躍動感に溢れている。
マスターテイクでのローチは、ブラウニーをはじめとした各ソロ奏者を焚きつけるかのように煽りまくっている。

そのためか、ブラウニーのアドリブは、両テイクともに基本的には同じアプローチにもかかわらず、マスターテイクでの演奏のほうが数段イキが良いし、テナーのハロルド・ランドやピアノのリッチー・パウエルのアドリブも、音の勢いがまるで違う。

シンバルの刻みや、スネアを叩くタイミング一つでも演奏の勢いが変わってしまうということが、オルターネイト・テイクを聴いた後に、マスター・テイクを聴くとよく分かる。

こんなにも演奏の勢いが違うのに、しかも、演奏が勢いづくと、プロのミュージシャンでも、演奏テンポが走りがちなのに、きっちりと、前の演奏と変わらぬタイムをキープし続けたローチのタイム感覚と、ドラミングの正確さには脱帽。

しかも、正確さを保ちながらも、勢いも増しているのだから。

ブラウン&ローチのカルテットは、演奏のダイナミクスと一体感が気持ち良いほど両立したコンボだが、それにしても、この《ダフード》のオルターネイト・テイクを聴いたあとに聴くマスターテイクは、恐ろしいほどに完璧な内容に仕上がっていることに気がつく。

レギュラーメンバーが固まった2ヶ月後の演奏とは、にわかには信じがたいほどだ。

ちょっと変則的な楽しみ方かもしれないが、『クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ』のCDをお持ちの方は、是非、聴き比べてみてください。

記:2004/09/21

album data

CLIFFORD BROWN AND MAX ROACH (Emarcy)
- Clifford Brown=Max Roach Quintet

1.Delilah
2.Parisian Thoroughfare
3.The Blues Walk
4.Daahoud
5.Joy Spring
6.Jordu〔edited version〕
7.What Am I Here For
8.Joy Spring 〔alt. take〕
9.Daahoud 〔alt. take〕

Clifford Brown (tp)
Max Roach (ds)
Harold Land (ts)
Richie Powell (p)
George Morrow (b)

#1,2
1954/08/02

#6
1954/08/03

#4,5,8,9
1954/08/06

#3
1955/02/24

#7
1955/02/25

 - ジャズ , ,

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