カフェモンマルトル

text:高野雲

*

サウンド・グラマー/オーネット・コールマン

      2017/05/22

Sound GrammarSound Grammar

耳が喜ぶサウンド

いやはや、あいも変わらずオーネット。
これが最初の一音を聴いたときの印象。

このリアルな音質で耳に迫ってくるオーネットが吹くアルトサックスの音色は、はじめて『ゴールデン・サークル』のライブを聴いたときの「耳の喜び」に近いものがある。

変わらないのだ。
もちろん良い意味で。



sponsored link



変わらぬブルースフィーリング

オーネット・コールマンというサックス奏者は、徹頭徹尾、自分のスタイルを変えることなく、いや、変える必要なく、半世紀にわたって、常に我々の耳をときに挑発し、最終的には心地よくも微妙に捩れた音世界を提供しつづけてくれた。

もちろん、バックの楽器やサウンド、リズムフィギュアは変わるが、それでも、大きな「オーネットの世界」という意味では、どの諸作を聴いても、寸分の迷いもブレもない。

美しく微妙に歪んだ世界には、オモテにこそ露骨には出てないものの、たっぷりとブルースフィーリングが封じ込められており、このフィーリングこそが、オーネットの変わらない魅力なのだ。

最近発売されたこの新譜も同様。

再生スイッチを押した瞬間から、オーネット・コールマンとしか言えない世界が、すぐに耳を包む。

録音のよさもあってか、彼のアルトサックスのスピード感、シャープな斬れ味がより一層強調されて聴こえもする。

ダブルベースに息子ドラム

さらに、2台のベースの音も鮮明なことが嬉しい。

長年のコンビを続けているオーネットの息子、デナード・コールマンのドシャバシャドラムも健在。

もっとも、このアルバムでは多彩は表情を見せてくれ、ときに細やかに、ときに重たいドラミングと変幻自在。

ライブ演奏だが、客席からの反応も上々で、臨場感もたっぷり。
クロイドンコンサートや、ゴールデンサークルの興奮よ再び!

ジャズとしてではなく、数十年も昔から、最新であり続けてきたオーネットの音楽の、現時点でのもっとも新しいレポートとしてお聴きあそばせ。

album data

SOUND GRAMMER (Sound Grammar)
- Ornette Coleman

1. Jordan (after introducing the band members)
2. Sleep Talking
3. Turnaround
4. Matador
5. Waiting for You
6. Call to Duty
7. Once Only
8. SONGX

Ornette Coleman (as,vln,tp)
Gregory Cohen (b)
Tony Falanga (b)
Denardo Coleman (ds,per)

2005/10/14

 - ジャズ