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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

スワロウ/スティーヴ・スワロウ

      2018/04/07

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Swallow

ベーシスト、スティーヴ・スワロウは、銅製のピックでエレクトリックベースを弾く。
まるで自分が使っているピックを同業者の目線から隠すように、包み込むように握ってベースを弦をやわらかく引っかいている。

ピックで奏でられる弦の音色は、鋭く、ツブ立ち(音の輪郭)が明瞭であるというのが常識。
それは、アンソニー・ジャクソンのエレクトリックベースの音色を聴けばよく分かると思う。

そして、パンクなどのロックを聴けばよく分かるとおり、ピックで奏でられるベースの音は、指弾きした音に比べるとアタックが強いのが普通なのだけれども、スワロウのピック弾きの音色は、なぜかやわらかく暖かい。

高音の伸びがとくに美しく、トレブリー過ぎず、ソフトでまろやか。

さらに、ピックで奏でられる4ビートは、音の堆積から生まれる不思議なうねりがあり、たとえばジャコ・パストリアスのような一音一音のインパクトには欠けるものの、10秒、20秒、1分と聴き進むうちに、次第にスワロウが支配する音の配列空間の心地よさに包まれてしまうのです。

彼の高音の温かみと、不思議なグルーヴに包まれたければ、やっぱりコレがおすすめかな。

その名も、最高傑作とも評されているスティーヴ・スワロウの『スワロウ』!

音楽的にはかなり高度なことをやっているにもかかわらず、それを感じさせない力量。
サスガです。

参加陣も豪華で、ベターハーフであるカーラ・ブレイはもとより、ゲイリー・バートンにスティーヴ・キューン、さらに2人のギタリストは、ジョンスコにハイラム・ブロックですからね。

共演歴がある人たちばかりだとはいえ、一人ひとりが、個性のカタマリのような人たち。それをまぁ、よくぞ調和のとれたアンサンブルにまとめあげました!って感じですね。
サスガです。

album data

SWALLOW (Xtra Watt)
- Steve Swallow

1.Belles
2.Soca Symphony
3.Slender Thread
4.Thrills And Spills
5.William And Mary
6.Doin' It Slow
7.Thirty Five
8.Ballroom
9.Playing With Water

Steve Swallow (el-b)
Steve Kuhn (p)
Carla Bley (org)
Karen Mantler (syn,harmonica)
Hiram Bullock (g)
John Scofield (g)
Gary Burton (vib)
Robby Ameen (ds)
Don Alias (per)

1991/September–November

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