カフェモンマルトル

text:高野雲

*

トゥー・ラヴァーズ/デューク・ジョーダン

      2017/08/13

Pocket

Two LoversTwo Lovers

デューク・ジョーダン、コペンハーゲンでの録音。

これ、なかなか良いです。

同日録音、同一パーソネルなので『フライト・トゥ・デンマーク』の姉妹盤といえる。

雪のジャケットの『フライト・トゥ・デンマーク』が「デンマーク・白盤」だとすると、力強いジョーダンの表情をアップでとらえた本番は「デンマーク・黒盤」といえるだろう。

選曲と、思い入れのある曲の有無で、どちらのアルバムが好みかは自ずと決まってくるものだが、個人的には、名盤とされている『フライト・トゥ・デンマーク』よりも、こちらの『トゥ・ラヴァーズ』のほうが好みだ。

遊びの無い質素で堅実なベースで終始演奏を支えるマッズ・ヴィンディングのベース。

しかし、かえってそれゆえに耳を奪われてしまう《マイ・オールド・フレイム》や、Fのキーで演奏されている珍しい《ブルー・モンク》が聴きもの(通常はB♭のキーで演奏される)。

ジャケットのジョーダンは渋くて怖そうだが、彼のピアノは、ほのかな黒さとともに「ちょっとメルヘンチック過ぎるんじゃないの?」と思ってしまうほどロマンティックなフレーズが出てきたりもする。

それが高音域の鍵盤から出てくることが多く、センチメンタルな輝きを帯びているので、じわりとしたほの黒さとのバランスが面白い人だ。

いずれにしても、聴きやすく、かつ、充分にジャズのおいしいツボを押さえた演奏をするピアストであることはたしか。

必要以上の熱量からくる鬱陶しさは皆無で、むしろ淡々としているぐらいの演奏ではあるが、それがかえって聴き飽きない要因なのかもしれない。

少しおっかないビジュアルのジャケットから、マニア向けのイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれないが、こういうピアノトリオこそ、ジャズ入門者の人にもどんどん聴いて「ピアノトリオっていいな」と感じてほしい。

記:2009/06/23

album data

TWO LOVERS (Steeple Chase)
- Duke Jordan

1.Subway Inn
2.My Old Flame
3.Blue Monk
4.Two Loves
5.No Problem (take 1)
6.Glad I Met Pat (take 1)
7.Here's That Rainy Day (take 2)
8.On Green Dolphin Street (take 1)
9.Embraceable You
10.Wait And See
11.I'll Remember April
12.Lady Dingbat
13.Jordu (take 1)

Duke Jordan (p)
Mads Vinding (b)
Ed Thigpen (ds)

1973/11/25,12/02

●関連記事
>>フライト・トゥ・デンマーク/デューク・ジョーダン

 - ジャズ