歪んだ音で疾走する《ラヴ・フォー・セール》~ウォルター・ビショップ Jr.
久々にウォルター・ビショップ・ジュニアの《ラヴ・フォー・セール》を聴いた。
なんなんだこの疾走感は。
録音状態の悪い歪んだ音で、シャカリキになって疾走している。
微妙にかかっているエコーも安っぽいが、逆にそれが良い。
何を生き急いでいる?
……というのは大袈裟だけど、何をそこまでして演奏の終着点に向かってダッシュをしているんだろう?
これはもうテンポが速いというような表層的な理由ではなく、確かにテンポは速めなんだけれども、それ以上に、ピアノを弾いているウォルター・ビショップの急き立てられているかのような、何かに対して急いでいるとしか思えない鍵盤さばきが気になって、気になって。
ベースが担うべき低音パートも、テーマになればシャカリキにビショップのピアノが急き立てられているかのように奏でている。
なんなんだこの疾走感は。
あっという間の2分40秒。
もう1コーラスくらいアドリブを聴きたいのに、もうテーマに戻る?
何をそんなに急いでいるんだ?!な、《ラヴ・フォー・セール》を聞けるのがウォルター・ビショップの《サマータイム》。
《ドッティのテーマ》だけがウォルター・ビショップの『サマータイム』の目玉ではないのだよ。
名演ではないかもしれないが、個人的「気になる演」の一つです。
記:2018/03/26