カフェモンマルトル

text:高野雲

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ライブレポート 2002/09/07 ぱ ぴ ヨ ン ズ 野外ライブ

      2016/04/04

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2002年の9月7日、上野の池之端水上音楽堂にて、ぱぴヨンズの野外ライブを 行った。

今回はエレキベースで出た。

フェンダーのジャズベース。1965年製。

'65年といえば、フェンダー社がCBS社に社を売却した年だが、売却前のモデルだ。

シリアルナンバーは、L87229。

現在は伐採禁止となったハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)の指板で、塗装はスリートーン・サンバーストだ。

リペアマンの反対を押し切ってフレットレスに改造したもので、弦はダダリオのフラットワウンド。一番太いゲージだ。

現在所有しているエレキベースは、これ一本だけなので(これ一本で私は充分)、ジャズもブルースもロックも前衛もこれ一本をフル活用させているが、最近の私は、このベースにピックカバーを付けた状態で弾くことに熱中していて、ここのところ付けっぱなしにしている。

ジャズベースに取り付けるピックカバーは2種類。

フロントピックアップの上と、リアのピックアップとブリッジの上を覆うピックカバーだ。

私はその両方を取り付けている。

フロントピックアップの上だけにカバーを取り付けると、なんだか“ちょっぱぁ小僧”みたいで格好悪いし、リアのカバーだけだと、ルックス的にバランスが悪い。

両方取り付けることによって、はじめてバランスの良い“完全武装状態”なジャズベースの見てくれとなり、いかにも昔ながらのジャズベースの貫禄を醸しだすことが出来るのだ。

そう、まるでボブ・マーリーを支えたレゲエの大御所ベーシスト、ファミリーマン愛用のジャズベースのように。

しかし、ピックカバーを両方取り付けることによって生じる欠点もある。

ピッキングが出来るエリアが激減してしまうことだ。

ゆえに、どうしてもピッキングのポイントが、指板の上あたりか、フロントとリアのピックアップの中間の狭いスペースだけになってしまう。

スペース的に弾きやすいポイントは、フロント・ピックアップからネックの付け根あたりに限定されてしまうのだ。

私は、ジャズベース特有のカリカリした音(ジャコのような音色)はあまり好きではなく、むしろ指板の上で弾いた甘い音のほうが好みなので、このポイントで弾く音色が一番好きなのだが、いかんせん弦のテンションの弱い位置でもある。

弦のテンションが緩いとどうなるのか。

緩やかなテンポの時は全然気にならないが、速いフレーズがとても弾きにくくなる。

トランポリンや砂地の上で速く走ろうとするようなもので、指の力を緩やかなテンションが吸収してしまうのだ。固い地面の上のほうが、早い走りや、細かい動きが出来るのと同様に、速いパッセージを弾く際は、弦のテンションは固ければ固いほど良い。

だから、私は、ピックカバーのことを冗談めかして「速弾き防止装置」と呼んでいるぐらいなのだ。

だが、金属製のカバーが弦を覆うことによって得られる、独特の薄くコーラスがかかったような倍音の豊かなサウンドは捨てがたい魅力があり、弾きにくさを犠牲にしてでも、このカバーをつけた状態でしばらく通そうと思っている。

今回のライブもアップテンポの曲もあったが、出来るだけリラックスした状態でフロントピックアップと指板の付け根の間のポイントをなんとか弾ききることが出来た。

演った曲は以下の通り。

1.光(宇多田ヒカル)
2.8823(スピッツ)
3.Iron Man(カーディガンズ)
4.Buzz Stule(矢井田瞳)

といった感じだ。

出来は、まぁまぁだった、と思う。

バンドの数が多すぎるゆえに、リハもやらせてもらえず、辛うじてPAの人に根回しをして開演の前に出来たのは、各楽器の単音のサウンドチェックのみ。

こんなに広い会場で、バンド全体の音出しやリハもさせてもらえず、さらに、モニターからの音の返りなどもチェックすることも出来ない状態で本番に突入して、“まぁまぁな出来だった”と言えること自体、私としては大したことだと思っている。

記:2002/09/13(from「ベース馬鹿見参!」)

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