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ジャズと映画と本の日々:高野雲

「竹内まりやに泣けてくる」亡くなる前に、そう呟いたジャズマン

      2017/05/30

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その昔、ジャズ・トロンボーン奏者の板谷博氏にアンサンブルを習っていたことがある。

残念ながら氏は亡くなってしまわれたが、氏が亡くなられる少し前のレッスンの時に、誰から聴かれるでもなく、板谷先生は、

「最近、竹内まりやが好きでねぇ、ほとんどの曲が循環コードだったりで曲の構造は単純なんだけど、歌詞と旋律がねぇ、なんか泣けてくるんだよ。染みてくる。この年になって気が付いた。」

とポツリと呟いていた。

あの、技巧派、理論派で、日本よりもヨーロッパで評価が高かった、日本のジャズマンの中でも、かなり「硬派」な部類に属していた、あの先生が、そんなことを言うなんて、私はちょっと意外な気がした。

しかし、今では、何となくだが分かるような気がする。

張り詰めた気持ちを武装解除させるだけの、さりげない「何か」が竹内まりやの曲には(歌声ではなく)あるのだと思う。

先日、久々に彼女の『リクエスト』(河井奈保子の《けんかをやめて》や、中山美穂の《色・ホワイトブレンド》など人に提供した曲をセルフカバーしているアルバム)を聴き返してみたら、非常に琴線に触れるものがあって、なんだかジーンときてしまった。

関係ないけど、カラオケで場の盛り上がりが沈静しかけた瞬間、不意に竹内まりやを歌うようなセンスの女性が私は好きだ。

記:2000/11/22

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