カフェモンマルトル

ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

さかなの歌 《おさかな天国》

      2016/03/26

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sakana

近所に24時間営業のスーパーがあるので、私はよくスーパーへ買い物に行く。
最近はスーパーの魚コーナーへ行くと、いつもきまって流れている歌がある。

サカナの歌だ。

正式なタイトルは知らないし、誰が歌っているのかも知らない。

しかし、一度聴くと、やけに耳に残る歌だ。

♪さかな、さかな、さかなぁ~ さかなを食べるとぉ~

という歌で、耳タコになっている人も多いだろう(とくにスーパーで働いている方は、一日中、しかも毎日流れているのを聴いていて、気が狂わないのだろうか?)。

歌詞の細かい内容までは忘れたが、サカナを食べると頭が良くなるとか、健康に良いとか、そういった「サカナを喰うメリット」を羅列した内容だと思った。

そして、最後は、「サカナはボクらを待っている」で締めくくられる。

何を待っているのかというと、おそらく「喰われること」を待っているということだろう。

この歌を聞くと、いつもくだらない妄想がよぎる。

地球の人類よりも、はるかに高水準の文明を持つ星。そこに住む高等生物の食べ物の一つが「人間(地球人)」だ。

彼らは時折地球にやってきて、人間猟をして、大量に収穫した人間を宇宙船の中で瞬間冷凍するか、船内の工場で缶詰にして自分の星に持ち帰る。

狩猟の方法はいたって簡単だ。網を張れば人間は面白いほど大量に引っかかってくれる。

甘い言葉、自尊心をくすぐる言葉、歯の浮くようなお世辞、その人が一番人から言ってもらいたい言葉、希望が沸いてくる言葉や映像、「癒し」と名のつくそれっぽいもの。

単純に「お金」でも群がってくるだろうし、いや、実際に「現ナマ」を用意せずとも、「大金が確実に手に入る」という情報だけでも群がってくるだろう。

こうした「餌(彼らは砂糖と呼んでいる)」をいたるところに仕掛ければ、バカな人間から順番にどんどん食いついてくるので、人間猟は意外とラクだったりもするのだ。もっとも時折、餌だけを食いちぎって逃げてしまう利口な人間も中にはいるが……。

「人間」を食べるメリットはたくさんある。健康にもいいし、頭も良くなる。骨だって丈夫になる。

ところが、最近の宇宙人たちは、どうやら他のうまい食べ物の味を覚えたために、「人間離れ」が進んでしまった。

しかし、その食べ物、たしかに、人間より美味かもしれないが、栄養価では「人間」には劣る。

最近の子供たちの集中力の無さ、キレやすさ、学力の低下は、良質の栄養不足、ことに「人間離れ」が原因だろうという判断を下した政府は、子供たちに向けて「もっと人間を喰おう」というキャンペーンソングを作った。

♪人間、人間、人間~、人間を食べると頭が良くなる、骨が丈夫になる
♪人間は僕らに食べられるのを待っているぅ~

喰われるのは、やだなぁ。べつに俺は、喰われるの待ってないし。

それに俺を喰っても栄養になるのかなぁ、なんだかヤダなぁ……。

そんなことを思っているうちに、いつの間にか、サカナの歌を聞くと、自動的に、

♪人間、人間、人間~、人間を食べるとぉ~

と、替え歌を口ずさんでいる自分がいた。

そして、この換え歌を口ずさみながら、深夜、ガラガラのスーパーの店内で、相変わらずこの歌が流れ続けている魚コーナーで、マグロやシーフード・ミックスのパックをカゴに入れる私だった。

記:2002/04/28

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