俺にとっての《いつか王子様が》は、マイルスでもエヴァンスでもなく、矢野顕子なのだ。

   

ただいま。(紙ジャケット仕様)
ただいま。/矢野顕子

『ただいま。』

久々に矢野顕子の『ただいま。』を聴いております。

リアルタイムで夢中になって聴いていたということもあり、このアルバムは、その1枚後の『愛がなくちゃね』とともに、私が一番好きな時期の矢野顕子のアルバムなのであります。

この『ただいま』には、ヒット曲《春先小紅》も収録されていますが、それよりも、さらに素晴らしい曲、カッコいい曲が目白押しなのであります。

湯村輝彦師匠のイラストも最高ですよね!

プロフェット5

なかでも、《いつか王子様》が。

坂本龍一が当時多用していた、あの音色のイントロ!

そう、プロフェット5 (今でも欲しいシンセの筆頭)に、過激にフランジャーをかけた、あの音色!

しょわ~ん!

うーん、かっこよすぎ。
しびれます。

この掴みがバッチリのイントロから、もう泣ける歌詞、泣けるメロディ、泣けるアッコちゃんの歌。

私のとっての《いつか王子様が》は、ディズニーの曲ではないのであります。

♪昨日の朝までは美人だった鏡の中にいるブスは誰?
♪どうしてこうもちがうのかな?

の矢野顕子の《いつか王子様が》なのであります。

聴くたびに背筋がゾクッときます。
鳥肌が立ちます。

いや、本当に。

マイルスやエヴァンスが演奏したディズニー曲も、それはそれで素晴らしいのですが、夢の世界を表現したサウンドよりも、等身大な現実を歌い感じさせる矢野顕子のバージョンなのであります。

この歌の主人公の女の子、大好きであります。

時代から考えると、もしかしたら、この女の子「ヘンタイよい子」かもしれませんが、全然オッケーよん。
だって、かくいう私自身、中高生の頃は筋金入りの「へんたいよい子」でしたから。

クラムボン

はなしかわって。

私、クラムボンというバンドに関しては、あんまり詳しくないので、推測で書くけれども、最初にクラムボンのサウンドを聴いたときは、「あ、この人たち、矢野顕子のことを猛烈に好きな人たちなんじゃなかろうか?」と思いました。

くわえて、「きっと矢野顕子のような音楽を表現したい人たちなのだろうな」とも。

もちろん、クラムボンにはクラムボンの世界があるのだろうから、矢野顕子と比較してイイとか悪いとか、そういう優劣のことを言いたいのではなく、もし、私の直感が正しいとしたら、矢野顕子の遺伝子は、きちんと若い(?)世代のミュージシャンたちに受け継がれているんだなぁ、ってことを感じたのであります。

というわけで、久々に聴きながら、発作的にタイピングしてみました。

次にかける曲は、同じく矢野顕子の《I Sing》にしようか、それとも『ジャパニーズガール』の《クマ》にしようか迷っているのであります。

記:2006/04/08 
加筆修整:2009/03/17

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