カフェモンマルトル

ジャズと映画と本の日々:高野雲

シークレット・ウイッシュ/プロパガンダ

      2016/11/08

Pocket

A Secret Wish-25th AnniversaryA Secret Wish/Propaganda

かつて私が夢中になってウォークマン(懐)で聴いていたドイツのテクノポップバンド、プロパガンダ。

まだ活動しているのかな?

1回だけ来日したことがあるんだけれども、メンバーのうちの1人が銀行員で、もう1人がモデルだったので、本業のほうをおろそかに出来ないということで、結局、違うサポートメンバーが来日したという、いわくつきのバンド。

そこらへんの、職務をまっとうする律儀な姿勢って、非常にドイツ的な感じがしますよね。

ドイツ的といえば、サウンドも非常にドイツ的、というか重たい。

重たいビートに、オーケストラを思わせるような重厚なシンセによるストリングスやブラスパート。

打ち込みのドラムの音も、まるで空間にドスン!とクサビを打つように重たい。

このどこまでも重厚なサウンドが、他のエレクトロ・ポップとは一線を画す、プロパガンダならではのサウンドとなっている。

もちろん、重たいエレクトロ・ポップといえば、中期以降のデペッシュ・モードも挙げられるが、彼らの洗練されたサウンドと比較すると、プロパガンダの重たさはもっと素朴、かつ洗練されきっていない野暮ったさも否めない。

つまり、棒を切ったように直截的なので、聴きようによっては、それが“クドさ”につながることも。

しかし、この小回りの効かない重厚感こそが、彼らの魅力でもあるのだが。

1曲目の《ドリーム》。
重たいリズムに柔らかなフリューゲル・ホーンを思わせるリードシンセの簡素なメロディのリフレイン。これが心地よく、ものの数分で催眠状態にかかってしまうほど夢心地な曲。

2曲目の《マーダー・オブ・ラヴ》。
これもまた重厚なビートにのっかる歯切れのよいボーカルが、露骨に戦闘的でカッコイイ。中盤以降に出現する、メタリックなシンセのアルペジオは、いつ聴いても鳥肌が立つ。

3曲目の《ジュエル》もまた、これでもかな、メタリックなビートの攻撃。

といったように、もうどこまでも、メタリックでヘヴィなリズムがズッカーン!ズッカーン!と襲いかかってくるので、こちらの脳はクラクラと心地よく揺さぶられてしまう。

うーん、重たく美しい。

デヴィッド・シルヴィアンが作詞で参加している名曲《P・マシーナリー》も収録されているのも嬉しい。

これも重たくメロディアス。

ジャーマン・テクノの金字塔!
名盤です。

記:2009/10/23

 - 音楽

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。