ジェイク・シマブクロ in 渋谷公会堂~ライブレポート

      2016/02/02

ドラゴンドラゴン

昨年の12月19日のことになるが、ウクレレ奏者、ジェイク・シマブクロのコンサートに行ってきた。
場所は渋谷公会堂。

ステージの中盤、数曲だけバックにバイオリン2本と、ビオラ、チェロの合計4人の弦楽器の伴奏がつく曲もあったが、基本的には、ウクレレ一本のソロ演奏。

あいた口が塞がらないほどの圧倒的な超絶技巧。

ウクレレというのどかでノホホンとしたイメージを払拭させるに充分な演奏のオンパレードだ。

スラッシュ・メタルのギタリストも真っ青の超高速、かつ攻撃力の高いカッティングから、一転して心あたたまるバラードまで。

彼の音楽の引き出しの多様さは、まるでドラえもんの四次元ポケット並みだ。

ウクレレという楽器の音域は狭く2オクターブしかないのだが、とてもそのようには感じられない。

とにかく、ウクレレという楽器の極限までをも引き出した圧倒的な演奏に引き込まれっぱなしの2時間だった。

ただし、圧倒的とはいっても、どこまでも彼の音楽は暖かい。温もりがある。

彼の写真や映像を見たことのある方は分かると思うけれども、彼は終始ニコニコ顔の温厚な青年。誰からも好かれるようなアット・ホームなお兄さんといった風情の方だ。

そんな彼の人柄が、そのままウクレレから音として発散されているので、どんなに超絶技巧を駆使しても、出てくる音はひたすら暖かく、安心して聴くことが出来るのだ。

ウクレレ一本で、渋谷公会堂は熱狂の渦。これはかなりスゴイことではないだろうか。

充実した時間を過ごすことが出来たと思う。

一緒に連れていった息子も「すっげぇ~!」と驚き、かつ「おもしろかったね」と感想を漏らしていた。CDだけでは伺い知れない生身のミュージシャンの素晴らしい演奏を間近で体験出来たことは、息子にとっても良い経験になったことと思う。

記:2005/01/10

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