カフェモンマルトル

text:高野雲

*

ソニック・スケート・サーヴェイヤー/O.M.Y.(Oriental Magnetic Yellow)

      2016/11/08

Pocket

omyソニック・スケート・サーヴェイヤー/O.M.Y.

その昔、ガンダムのプラモデル(ガンプラ)が爆発的にブームだった頃。
慢性的な品切れで、ようやく入荷したガンプラに、売れ残ったプラモを紐でくくって、抱き合わせ販売をするおもちゃ屋が多かった。

私なんて700円の「1/100ガンキャノン」を買うために、このキットに紐で縛られた300円のロボダッチも一緒に泣く泣く買わされたクチなのですが、まあそれだけガンダムとガンプラはブームだったんですね。

バンダイの生産速度が市場のニーズに追いつかない、この慢性的なガンプラ不足から生じる子供たちの「ガンプラ欲しい~、作りたい~!」欲求に目をつけたのでしょう、やがてB級パチモンな“ガンダムもどき”なプラモが市場に出回りました。

アリイの「ガルダン」シリーズです。

どう見てもガンダムやザクを3回りぐらいダサくしたデザインのロボットたちなのですが(ご丁寧にシャアを彷彿させるキャラクターや、ロボットもあった)、もうガンダムに似たプラモでもいいからプラモを作りたい!な子供たちは、このB級、いやC級テイストがムンムン漂うアリイのガルダンに飛びつき、抑えることの出来ないガンプラ欲求の50%、いや30%ほどを昇華させていたわけです。

このガンプラ・ブームの少し前の時期が、YMO全盛期でした。

武道館での凱旋ライブに、当時としては異例のアルバムのTVCM告知までを流した『BGM』が発売され、たいそう売れました(もっとも、この『BGM』を聴いて「なんだ《ライディーン》っぽい曲がはいってないじゃん」とガックリしたファンの多くはYMO離れを起こすわけですが…)。
ガンプラを作りたい!な欲求の何割かを満たしてくれたのが「ガルダン」だとすると、YMOの曲をもっと聴きたい!な欲求の何割かを満たしてくれるのが「O.M.Y.」。

O.M.Y.とは、「YMOのパロディ&もどきグループ」です。

もっとも、同じ“もどき”でも「ガルダン」よりは数段クオリティは高い。

よく研究しているなと思います。

マジメなYMO信者からすると、「ケシカラン!」ってことになるのでしょうが、この「ケシカラン」な感情の中には、「俺もやってみたかったことを先取りしやがって」という嫉妬の感情も少しはあるに違いない。

だって、当時の私もそうでしたが、日本全国のYMO少年は、安いキーボードやシンセを買って、「YMOごっこ」をしていたわけですからね。

悔しいわけですよ、自分らよりも、クオリティの高い「YMOごっこ」をしている連中が出てくると。

悔しいけれども、羨ましさもあったりもする。ゆえに気になるんですね。
どんな「YMOごっこ」をしているのかが。

多くのYMOファンは、半分腹を立て、半分ニヤリとして聴いていたんじゃないかな、O.M.Y.の音楽を。

私はどちらかというと、はぁ、本当にYMOのこと好きなんだなぁと思いながら聴いてました。

だって、似てるし笑っちゃうんだもん。よくまぁここまでテイスト残したまま、似て非なる、だけどもやっぱり、「非なる似た」ものを作るなぁと感心してしまいます。

ここまでのクオリティ出せるんだったら、オリジナルやったほうがまだラクなのにねぇ。彼らのYMOに対する愛の深さには敬服するしかありません。

呆れ半分、ニヤリ半分で、あまり腹を立てずに聴いてくださいね。

YMOの曲を始めて聴いたときの気分になれるかもしれません。

●収録曲
1.VOLLEY
2.MUD MORNING
3.PUNISHMENT
4.EAST WEST
5.GAIA TERMINATION
6.FAMILY PLANS
7.RADIACTIVE
8.MISS
9.LOUGE
10.1,000 KNIGHTS

記:2009/11/23

 - 音楽