カフェモンマルトル

ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

テイクス・オン・パゾリーニ/アントニオ・ファラオ

      2016/11/15

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Takes On PasoliniTakes On Pasolini

イタリアのピアニスト、アントニオ・ファラオ。

優雅さの中にも、熱いパッションを感じることが出来る。しかも、一定の温度を保ちつつ、安定した演奏を常にキープしているので、半ば安心して、半ば興奮しながら聴き手はアルバムに耳を傾ける。

しかし、この人、相当巧い。
さらに手堅い。

どんなに、ベースやドラムに挑発されても、自分の世界とペースをキープしつつ、きちんと話をあわせている。

ベースは、あのミロスラフ・ヴィトウス。
鬼才ベーシスト、ここでも大奮闘。

ただしトリッキーなことやエキセントリックはことは一切していない。あくまでオーソドックスなプレイに徹している。

そのオーソドックスな箍を自らにはめつつも、時おり毀れ出る凄みが、鬼才ベーシストならでは。

ドラムがフィル・ウッズのヨーロピアン・リズムマシーンに所属していたダニエル・ユメール。

名手たちの繰り出すビートに的確に応え、きちんと自分色のピアノ世界を築き上げているファラオのピアノ捌きに脱帽。

かなり高度な丁々発止のやりとりが繰り返されているにもかかわらず、あくまで聴き心地は快適。この心地よさは相当のもの。

このあたりが、名手にあり、大人なジャズマンたちによる会話の素敵なところ。

スリルだけではなく、エレガントさも加味された、ヨーロッパのジャズだなぁと感じさせる一枚。

記:2009/03/29

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