カフェモンマルトル

text:高野雲

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タックスマン/ビートルズ

      2016/05/30

Revolver (the U.S. Album)Revolver (the U.S. Album)

ビートルズの『リボルバー』冒頭の《タックスマン》は、ジョージ・ハリスン作で、彼にとっては最初で最後のアルバムA面1曲目となった曲だ。

当時の税制を痛烈に皮肉ったこの曲は、英首相のエドワード・ヒースとハロルド・ウィルソンの実名が出てくるくらいなので、相当アタマにきていたに違いない。

タイトにまとまって畳み掛けるようなリズムは、ポールのベースが最高にカッコいいし、さすがにジョージ、自分の曲なだけあってギターソロも激しくていいね、と、思っていたら、リードギターもポールが弾いていたのね……。

私は世代的にリアルタイムでYMOを聴き、そのYMOがカバーをしていた《デイ・トリッパー》という曲経由でビートルズを知り、少しずつ聴くようになっていったという、順番的には「逆」の聴き方をしている。

中学1年生の冬、待ちに待ったYMOの新譜『テクノデリック』が発売され、友だちの家で固唾を呑んで針を下ろした瞬間に飛び出てきた高橋幸宏のアカペラ。

《ピュア・ジャム》という曲の冒頭なんだけれども、この幸宏のボーカルの節回しに、めちゃくちゃ強烈にビートルズを感じたものだ。

ビートルズのコーラスや節回しには独特な「臭み」みたいなものを当時の私は感じており(今でも)、幸宏のヴォーカルにも同質なものを感じた、というよりも、あえて意識的にビートルズを意識しているのだろうということが分かった。

私が感じ取った「匂い」、というよりも「臭み」のようなものを象徴する曲の1つが、《タックスマン》なのだ。

そういった意味でも、《タックスマン》という曲は私にとっては思い入れのあるビートルズナンバーのひとつだ。

記:2000/10/15

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