カフェモンマルトル

text:高野雲

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ジス・イズ・ホンダ/本田竹曠

      2016/05/27

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ジス・イズ・ホンダジス・イズ・ホンダ

ジス・イズ・ホンダ!

これが本田だ!

はい、わかりました。m(__)m

なんて分かりやすいタイトルなんでしょう。

そういえば、『マイ・ネーム・イズ・アルバート・アイラー』というアルバムもありましたね。

ロックだと、サロン・ミュージックの『ジス・イズ・サロン・ミュージック』。

いずれにせよ、分かりやすさとともに、強い自信を表明するかのようなタイトルでもある。

そして、このアルバム、「これが本田だ!」の自信に溢れたタイトルに恥じない、本当に素晴らしいピアノトリオなのだ。

ジャケットいっぱいに映るアフロ頭の白黒写真が怖いので、一瞬引いてしまうが(裏ジャケットも怖い・ちなみに)実際の内容は、美しく、力強いピアノだ。

一曲目の《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ》から、もう、のっけからノックダウンさせられてしまう。

高音部のきらめくような、まばゆいばかりの美しさといったら!

真っ裸のストレートで、ダイナミックなんだけど、脆い一面も垣間見せるピアノといったら!

誰もいない狭い飲み屋の薄暗いカウンターで聴いていたら、絶対に泣いちゃいそうだ。

《バイ・バイ・ブラックバード》、《ラウンド・ミッドナイト》、《朝日のように爽やかに》……。

聴きなれているはずのスタンダードが、こんなに新鮮に聞こえるのはなぜなのだろう。

まったく奇をてらった演奏はしていない。

むしろ、ストレートに真っ正直な演奏だ。

それなのに、本田奏でるピアノは、なぜにこれほどまでに眩い光彩を放つのだろうか。

曲の素の部分に、本当に核となる部分に、ストレートに生命を吹き込んでいるかのようなのだ。

じっくり聴いていると、本当にあっという間に時間が過ぎ去ってしまう。

コテコテ過ぎず、かといって、あっさりもしすぎない。

本当、毎日聞いても飽きない、素晴らしいピアノトリオだと思う。

album data

THIS IS HONDA (Art-Union)
- 本田竹曠

1.You Don't Know What Love Is
2.Bye Bye Blackbird
3.Round About Midnight
4.Softly As In A Morning Sunrise
5.When Sunny Gets Blue
6.Secret Love

本田竹曠 (p)
鈴木良雄 (b)
渡辺文雄 (ds)

1972/03/24

記:2004/03/01

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