どうも我が家には座敷わらしがいるらしい(6)

   

kominka

>>どうも我が家には座敷わらしがいるらしい(5)の続きです。

えーと、このネタでズルズルと引きずっていますが、

奄美大島のホテルで“3回”出た、って話からでしたね。

1.ホテルの部屋で出たそうです。

2.ホテルのテーブルから出たそうです。

3.ツルツルに磨かれたテーブルに映った自分の顔を見ているうちに、その顔が自分に似ているんだけれども、微妙に自分の顔じゃなくなって、飛び出てきたのだそうです。

飛び出てきた子供は、家にいるときに、サッシやペットボトルのような光るものから飛び出てくる人(?)と同じ子供。

つまり、息子としては、奄美大島まで「家にいる友達がついて来た」という認識のようです。

でも、それって、座敷ワラシなのかなぁ?

座敷ワラシって移動するっけ?

特定の家にはりつくようにいるだけなんじゃないかな?

私の認識だと「地縛霊」。

東北地方の貧しい農家では、生まれちゃったけど、すぐに死んじゃった子ども、たくさんいたそうです。

私も母方の実家が岩手県なのですが、ここで一つ思い出したことを書いてみます。

昔、遠縁の親戚の家にお盆に遊びに行った際、お寺からの帰りに、車が道の途中の墓石のようなところで停まったんですね。

おじさん、おばさんが石碑とも墓石ともつかぬ意思の前にお供えと線香をあげています。私も一緒に、おじさんたちと一緒に手を合わせました。

ここは誰のお墓なんですか?と尋ねたら、「馬のお墓」なのだそうです。

そして、その「馬のお墓」の隣にある石が、「子どもたちのお墓」。

昔は、今と違って乳幼児の死亡率が高かった。だから、乳幼児が死ぬたびにいちいちお墓を作ったりはしなかった(していられなかった)んだそうです。

まだ、物心がつく頃か、つく前ぐらいの子ども、年齢でいうと、数え年の6つか7つになる前の子どもが亡くなると、馬のお墓の隣に埋葬し、毎年お盆の季節などになると供養してるのだそうです。

このことは、なにも東北にかぎったことではなく、江戸時代や明治時代初期のように、日本がまだ貧しい国だった頃は、全国規模で行われていたようですね。

なにしろ、今と違って、昔の日本は、一郎、二郎、三郎、四郎、五郎、七郎、八郎、九郎……と、子どもがどんどん生まれて、もうこれで最後!これ以上は子どもは作らんぞ!と決意表明的なネーミングの「トメ」とか「捨蔵」といった名前がつけられるような社会でしたから。

七人の子どもが生まれたとしても、食料・栄養事情や医療事情が良いとはいえない環境で、七人全員が、すくすくと元気に育つわけではなく、中には風邪をひいたり、栄養失調で亡くなってしまう小さな子もたくさんいたのでしょう。

色々と調べてみると、おじさんの近所にあったお墓に埋葬するのはまだ良いほうで、全国各地の農村では、お墓に埋葬せず、家の床の下に埋めてしまう家庭も少なくなかったようです。

私が思い描く「座敷わらし」は、「埋められた地面の上=家の座敷」に出現する、幼い子どもの霊なのではないかと思っています。

つまり、世間的な扱いや認識は「妖怪」の部類ですが、私は「霊」、それも、死んだ場所限定で出現する「地縛霊」なのではないかと考えています。

東北地方に、「家にあらわれる子どもの霊」の話が多いのは、おそらく、やませ⇒冷害⇒飢饉と、食料事情が他の地域に比べると貧しかったため、口減らし⇒間引き、飢餓⇒栄養失調というように、幼くして亡くなった子どもが多く、しかも亡くなった子どもの亡骸は家の下や家の近くに埋めていたからなのではないかと思うんですね。

今では、青森に近い岩手県二戸市、金田一温泉の緑風荘のみでしか座敷わらしには会えない場所となっているようですが、昔は、もっとたくさんの「普通の家庭」に出現していたのでしょう。

いずれにしても、「死んだ場所限定」で出現するのが「地縛霊」だとすると、自由に移動することが可能な霊のことを「浮遊霊」といいます。

息子が見たり遊んだりしているという「座敷わらし」は、東京からひょいひょい1200キロも離れた奄美大島までやってきたということ?

だとすると「地縛霊」ではないよね。完全に「浮遊霊」。

私が考える「地縛霊としての座敷わらし像」とは違うタイプのようです。

あ、もちろん、その「座敷わらし」が子どもの幽霊と仮定した場合の話ですけどね。

息子が奄美大島に座敷ワラシを連れていってしまったのか?

それとも、座敷ワラシなどではなく、息子とそっくりのの守護霊なのか?

はたまた、単なる幻覚なのか?

それとも息子はウソをついているのか?

今の私には分かりません。

しかし……

~つづく

記:2007/10/11(from「趣味?ジャズと子育てです」)

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