ニアネス/ジョシュア・レッドマン&ブラッド・メルドー

   

長く聴き続けたい

ジョシュア・レッドマンとブラッド・メルドーの『ニアネス』。

決して難解というわけではないけれども、最初に一回聴いただけでは、彼ら二人が真に意図しているもの、演奏の着地点のようなものが、少々見えづらいかもしれない。

パーカーの《オーニソロジー》や、モンクの《イン・ウォークド・バド》、それにスタンダードの《ニアネス・オブ・ユー》など、耳に馴染みのあるナンバーも取り上げていることもあり、一聴とっつきやすい気もするし、さらにジョシュアの歌心もなかなかなので、サクッと演奏にはいっていける掴みの良さはある。

しかし、表面から中ほどまではサクッと入っていけたとしても、なかなか彼らが繰り出す音世界の深淵まではたどり着けないもどかしさのようなものもついて回る。

1回や2回を聴いた程度では。

しかし、一気に全部をわかろうとしなくていいし、一気に全部わからなくていいんじゃないかと思う。

じっくり聴いて、少しずつ発見を繰り返して、おぼろげならがら全貌が見えてくる。

そんな長く付き合い、聴き続けたいアルバムです。

記:2017/02/12

album data

NEARNESS (Nonesuch)
- Joshua Redman & Brad Mehldau

1.Ornithology
2.Always August
3.In Walked Bud
4.Mehlsancholy Mode
5.The Nearness of You
6.Old West

Joshua Redman (ts,ss)
Brad Mehldau (p)

2011/07/07
2011/11/12, 14, 16, 23, 24

 - ジャズ