英国陸軍 ビショップ25ポンド自走榴弾砲(Dragon)制作記

   

ギガンド好きはビショップも好き

ロシアの戦車KV-II(ギガンド)好きとしては、作らにゃなるまい、英国のビショップ。

この25ポンド自走榴弾砲も、KV-IIの異常にデカくて無骨な砲塔よろしく、車両に対してアンバランスなほどにデカい箱のような大砲を囲む装甲(砲塔というより鉄の覆いって感じだよね)が魅力な戦車なのであります。

もとはといえば、ヴァレンタイン歩兵戦車の車体。
これに、25ポンド砲を積んで、大砲の周りを装甲板で覆ったために、このようなユニークなフォルムになったんですね。

私にとってのビショップといえば、やはり松本州平先生です。
大昔の『Hobby Japan』にてプロモデラーの松本州平先生が、ミニスケールのビショップを題材に「ドライブラシ七変化(しちへんげ)」の特集をやっておりまして、私は州平先生の鮮やかなドライブラシテクニックを盗まんと、穴が開くほどホビージャパンを読んだものです。

で、今回は1/35のビショップを作ってみます。
州平先生のように、グリーン系の塗装ではなく、砂漠系の塗装にしてみようかと。
グリーン系の色も悪くはないんだけど、いかんせんKV-IIで飽きちゃったということもあり、違う色のほうが良いかなぁ、と。

それに、今回作るDragon社のビショップのパッケージアートがもろアフリカ戦線でして、このダークイエローと明るい緑の迷彩も悪くはないかな、と思ったもので。

組み立て完了

で、一気にドバババと作りました。

やっぱり砲塔、というか鉄のカーテン、じゃなくて鉄の装甲版の存在感がハンパないですな。

KV-IIより車高が低く見えるのは、ま、実際に元となるヴァレンタインのシャーシはKVシリーズよりは車高低いのですが、それ以上に砲を覆う装甲版が占める面積がデカいがために、なんだか車両が上から押し潰されているかの如きアンバランス感がまた、この車両の魅力の一つなのです。

にしても、今回、香港のドラゴン社製の戦車を始めて組み立ててみたのですが、タミヤの戦車プラモに慣れている身としては、なかなかに手ごわい箇所がいくつかありましたね。

まずは、ランナーにくっついているパーツのナンバリング。数字がけっこう脈絡もなく飛んだりしていることもあるので、パーツを探すのが大変でした。

それと、異様にぶっ太いランナーの「枝」がくっついているパーツもあり、ま、これは刃が頑丈なニッパーでガシッと切ればどうってことがないのではありますが、手すりのような細やかなパーツに太い枝がくっついていることもある。そうすると、薄刃ニッパーを使わずに横着して普通のニッパーでカットした際は、手すりのパーツを破損させちゃったりもして、ま、いいか、粗製乱造斉を目指す私としては、壊れたパーツは「最初から無かったこと」もしくは「破損か紛失しちゃったもの」として、修復せずに、どんどん先に進めてしまうことにしました。

なので、いくつかの取付けるべきパーツが接着されていません。
でも、「イギリス陸軍の戦車」としてではなく、「俺軍」がイギリス陸軍から買い取って使用している「俺戦車」という脳内設定にしてしまえば、「ま、いいか」と諦めがつくってものです。

サフ吹き

組み立て終了後はサーフェイサーを吹きました。

マホガニーのサーフェイサーを吹き、乾いたら、まだサーフェイサーが乗っていないところを中心に、今度は黒のサーフェイサーを吹きつけ。

そうすると、まだプラの下地が残っているところもあるけれども、まあだいたい満遍なくプラ地がサフで覆われます。

サフを乗せておけば、後の筆塗りがラクになるんですよ。
塗料の食いつきが良くなるから。

ちなみに今回は、タミヤのアクリル塗料で基本塗装をしていこうと考えています。

サフを吹くと装甲版のエクボ(ヒケ)がより一層際立って見えますね。

砲弾か弾丸が当たってヘコんだということにしてもいいんですが、さすがにここの箇所は修正をかけたほうが良さそうです。

水溶きアクリル筆塗り

砲塔(装甲)側面の窪みに瞬間接着剤を流し込み、乾いた後に320番の耐水ペーパーでゴシゴシして平面にならした後は、一気に筆塗りをしてしまいました。

タミヤのアクリルミニを水で薄めて(水溶きアクリル)面積広めの平筆をメインに使用。

ハルレッド、フラットブラウン、カーキ、デザートイエロー、ダークイエロー、スカイグレー、パープル、オレンジ、ホワイトの10色を適当かつ雑にペタペタ塗りをしました。

他のモデラーさん達がやっているカラーモジュレーションがうんらかんたらといった丁寧かつ慎重な手法ではなく、とにかく思いついたら目の前にある色を適当に水で薄めたり、隣の色とグチャグチャに混ぜてグリグリと塗りつけるような非常にラフな感じの塗装です。

しかし、これがまた楽しいったらありゃしない。

イメージとしては、マッシモ・ウルマーニの『アウト・オブ・ノーホェア』。

このジャケットのイラストぐらい露骨に筆跡と色の差がついていいやってくらいの気分で大胆かつ童心に還ってひたすら筆塗りグリグリです。

けっこう汚いね。

で、ダークイエローのつもりが、いつの間にか白味のほうが強くなってしまっている。

さて、この上にグリーンの迷彩をするべきか否か。

迷彩カラーはディープグリーン

アヴァンギャルドな画家よろしく、タミヤのアクリルミニ(アクリル塗料)を平筆で何度も塗り重ね(叩きつけ?)たビショップ。

遠くでみると、かなりメリハリが効いた状態ではあるのですが、近くで見ると、滅茶苦茶大雑把。粗い。子供の落書きみたい。

でも、気にしない、気にしない。
次に進みます。

次なるミッションは迷彩です。

使用塗料は引き続きタミヤのアクリルミ。
ディープ・グリーンです。

これにフラットホワイトを混ぜ、パッケージのイラストを参考に、水で薄めて一気にビシャッ!と筆塗りしました。

そして、乾いたら、残った塗料に、もう少しディープグリーンを足して、迷彩の周辺ではなく真ん中へんを中心に塗装。

これにより迷彩で描いた緑の周辺をボカそうという意図ですね。

ただ、もう少し緩やかなグラデーションをつけたかったかな。
ボケた階層とクッキリ緑の階層の落差があり過ぎなのです。

もう少し丁寧に色を足していくべきでした。

乾燥を待ち、もう一度、濃さを調整して筆塗りしようかとも思ったのですが、やめました。

この後に続くフィルタリングやドライブラシなどで、気にならないように誤魔化せればいいかなと思っています。

でも、ゴマかせなかったりして。
まあいいか。

次の段階に進みます。

ユニークなフォルム、見ていて飽きない

Dragon製のビショップ25ポンド自走榴弾砲、これ以上手を動かせば動かすほど、どんどん汚くなってしまいそうなので、強制終了!
完成といたしました。

付属のフィギュアが1体ついておりまして、これはサクッと軽くタミヤのアクリルミニで筆塗してしまいました。

その前に黒いサーフェイサーを吹いていますが。

面倒なので、制服のシワは薄めたエナメル系の流し込み。
顔も目とかは描かず、これも薄めたエナメル系の流し込み。
ハイライトとかも入れていません。
あ、服には軽く油彩の白でドライブラシしていますけど。

しかしまあ、付属のイギリス兵は痩せていますな。

いま同時進行で作っている、イタリアのセモベンテ突撃砲の戦車長のおじさんと比べると、ぜんぜん体型が違う。

食ってるものの違いか?!

やっぱりイタ飯は美味いですからね。
ピザのチーズをたらふく毎日食べていると、こんなに恰幅の良い体型になるんでしょうかね。

それはともかく、アクリル塗料を水で溶いて色々な色をビシャビシャと筆で乗っけた状態を完成としても良かったんですが、いちおうMr.ウェザリングカラーを薄く全体に塗りつけ、最後は油絵具の白でドライブラシしました。

ウェザリングカラーはグレイッシュブラウン、油絵具はクサカベのアイボリーホワイトを遣いました。

砲塔がデカい箱のような形なので、車体がペシャンコに押しつぶされたように見えて面白いです。

見ていて飽きませんね。
私の「KV-II好き心」のツボを刺激しまくりです。

今回はドラゴン特有の履帯(キャタピラ)一枚一枚作りに苦戦しましたが、それ以外は、非常にストレスなく楽しく作れました。

記:2019/08/26

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動画でもいろいろと話しています。

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