リパーソン・アイ・ニュー/ビル・エヴァンス

   


Re: Person I Knew/Bill Evans

死後発表された充実演奏群

『リパーソン・アイ・ニュー』は、エヴァンスの死後に発売されたアルバムだ。

ということは、生前、商品化するに足らない演奏内容と本人、あるいはレコード会社が判断したのだろうが、だからといって、演奏の出来が悪いかといえば、まーったくそんなことはない内容だ。

エキサイティングだし、ベース、ピアノ、ドラムの緊密度の高いライブ盤なのだ。

緊密度が高く感じるのは、ベースの録音バランスが少し引っ込んで聴こえるからかもしれない。

ベーシストはエディ・ゴメスだが、ピアノを食いすぎず、実際は、かなりピアノに絡むフレーズも弾いているのだが、少し奥まった録音バランスでベースが弾かれているため、とても綺麗にピアノに調和したウッディな音色で録られていることに好感。

個人的には、疾走する《34 Skidoo》が聴いていて気持ちよく感じるが、やはり、このアルバムの目玉は、ハンコックの《ドルフィン・ダンス》の一部をイントロに持ってきている《ヴェリー・アーリー》だろう。

正直、イントロに引用される曲は、ハンコックでなくても誰でもいいのだが、本編、3拍子の力強いリズムで静かに燃焼するエヴァンスの演奏がたまらない。

この演奏だけでも、聴く価値あり!のエヴァンス後期のアルバムだ。

記:1999/07/08

album data

RE:PERSON I KNEW (Fantasy)
- Bill Evans

1.Re: Person I Knew
2.Sugar Plum
3.Alfie
4.T.T.T. (Twelve Tone Tune)
5.Excerpt from Dolphin Dance/Very Early
6.34 Skidoo
7.Emily
8.Are You All the Things" - 6:21

Bill Evans (p)
Eddie Gómez (b)
Marty Morell (ds)

1974/01/11&12

 - ジャズ