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ライダーマンを見なおそう

ライダーマンを見なおそう

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弱い・可哀そう

私が子供の頃、ライダーマンに対する周囲の評価は、

⇒弱い。
⇒人間の口が出ているから格好悪い。

⇒乗ってるバイクが普通のバイクじゃん。

だった。

たしかに、『仮面ライダーV3』の物語の中でのライダーマンは、あくまで物語後半のカンフル剤としての、V3の引き立て役の域を逸脱することはなく、最後は東京を救うためにミサイルとともに爆発してしまうという呆気ない最期を遂げ、なんだか可哀想なライダーぐらいの位置づけでしかなかったし、当時の私自身もそう思っていた。

しかし、最近になって、ライダーマンは中々味のあるライダーだと思うに至った。

ほぼ生身の人間

「ライダーマンは弱い」という評価は、ある意味当たっている。だって、彼は人間なんだから。
あいだみつをじゃないけど、「だって人間だもの」だ(笑)。

V3に変身する風見志郎、彼は人間ではない。改造人間だ。
人間のときから残っている身体のパーツは、脳味噌のみだ。脳味噌以外はすべて改造されている(と、墓場の前でライダーマンに語っていた)。

つまり、ほとんど生身の人間じゃないのだ。
ほかのライダーの「生身の人間度」は、どの程度なものか分からないが、恐らくV3と似たり寄ったりなのだろう。

脳を除く身体の部品がすべて人間のパーツじゃないとしたら、筋肉だって人工筋肉のはずだ。

だとしたら、パワーや瞬発力、敏捷性の高さは、普通の人間以上の能力を持っているに違いない。まさか、闘うことが目的の改造人間に、人間以下の性能の人工筋肉を使用するとは考えられない。つまり、強くて当然なのだ。

ところが、ライダーマン。
彼は、半分以上人間で出来ている。

「人間で出来ている」というのもヘンな表現だが、要するに右腕だけが改造パーツで出来ていて、あとの部分はすべて生身の人間なのだ。

ヨロイ元帥の陰謀で、硫酸のプールで片腕を溶かされた結果、義手としての役割のアタッチメントを腕に装着した結果がライダーマンなのであって、仮にライダーマンに変身する結城丈二の体力が人並み以上のものがあったとしても、しょせんは人間。戦闘を目的のために作られた改造人間のパワーや瞬発力に遠く及ばないのは当然といえば、当然のことなのだ。

腕だけ変身すればよいものを、仮面ライダー風の衣装をまとい、ライダー風のヘルメットをかぶるから、他のライダーと同類にみなされ、結果、「弱い」と判断されてしまうわけだ。

「ライダー」という括りで考えれば、たしかに弱いかもしれない。
しかし、「人間」という括りで考えれば、ライダーマンはかなり強い「人」なんじゃないだろうか?

ライダーマンのアタッチメント

いや、それどころか、ライダーマンは他のライダーなみに強いんじゃないかと私は思っている。

ストロンガーでもライダーマンが登場するが、自分のことを敵だと勘違いしたストロンガーと互角に闘っているし、スーパーワンの映画で、ライダーが勢揃いして大勢の怪人たちと闘うシーンでも、ライダーマンのキックをくらった怪人は爆発をおこしているから、キック力だって、改造人間なみの力があるのだと判断出来る。

それに、右腕に装着するアタッチメント。
これも馬鹿に出来ない。なかなか便利なシロモノなのだ。

先端に武器のついたロープを射出するロープアーム。これは自動車3台分は軽々と引っ張ることが出来るそうだし、網も射出することが出来る(ネットアーム)。

鋼鉄のドアをも一撃で破壊することが出来るパワーアーム、コンクリートの厚い壁も簡単に穴をあけられるドリルアームなどの付け替えが利くという便利な腕。これを失った腕と引き替えに身につけているのだ。

このアタッチメントは、直接怪人を倒すための必殺武器にはなり得ないかもしれないが、劇中ではV3の足をすくって転ばせたり、デストロンの牢屋に閉じこめられた志郎を救ったりと、結構小技を効かせていた。

優れた能力のバランス

仮面ライダーは基本的には「専守防衛型」のヒーローなので、敵の組織が何か悪さをしでかさないと活動をしないが、もし現実に世の中の平和を脅かすような敵の組織が存在したとしたら、彼らが悪さをしでかす前から積極的にアジトを探し、乗り込んでゆき、組織の殲滅をはかるべきだと思う。

場合によっては敵の戦闘員や怪人と戦う必要も当然あるだろうが、組織の殲滅を第一義に考えれば、単に末端の連中と「いちいち闘ってやっつける」というリスクと消耗度の高い手段よりも、敵アジトへの調査、威力偵察、攪乱、施設破壊などといった任務のほうが重要なわけで、そういった意味では、単に「強い」だけのライダーよりも、ある意味アタッチメントを所有している「工兵」的な性格の強いライダーマンのほうが適任だとも思うのだ。

総合的なバランスを考えれば、単に戦闘だけに秀でたライダーよりもバランスの取れた能力のライダーだと思う。

破壊力が抜群な戦艦よりも、いざ実戦においては駆逐艦、あるいはイージス艦のほうが様々な局面での活躍頻度が高いのと同じようなものだ。

もっともライダーマンがデストロンと闘う動機は、デストロンという組織の殲滅ではなく、ヨロイ元帥への復讐なのだが……。

口出しヒーロー

さて、ライダーマンのルックスについて。

口どころか、鼻まで見えている仮面が幼心にはちょっと格好悪いなとは思っていた。ところが、口が見えているということに一旦目をつぶれば、結構格好良いルックスのライダーじゃないかと私は思っている。

黒地に赤と紺を基調とした配色に、黄色いマフラーが鮮やかに映えていて非常に格好良い色のバランスだ。

マスク中央部のV字形のデザインもなかなか精悍な印象を受けるし、仮に口と鼻の周りをXライダーのようなフォルムで覆われれば、かなり強そうなライダーに見えるのだと思うのだが。

しかし、鼻と口を覆ってしまうと、主役のV3を喰ってしまう可能性もあるかもしれないな。

たしかに、口が見えているところが、他のライダーとは決定的に違うライダーマン最大の特徴なのだろうし、それゆえの妙な人間臭さが、他のライダーと比較すると弱そうに見えてしまうことは否めない。

しかし、先述した通り、彼は生身の人間なんだから、弱いことを理由に攻めるのはちょっと酷だろう。

ちょっと余談になるが、調べてみると、日本の特撮においての「口の見えているヒーロー」の数は意外と多く、古くは「ナショナル・キッド」に「遊星王子(梅宮辰夫!)」、それに「宇宙快速船アイアン・シャープ」に源流を求めることが出来る。

面白いところでは、「スペクトルマン」や「ミラーマン」のパイロット版も「口見え」のマスクだし、同時期に放映された「シルバー仮面」も「口見え」ヒーローだ。

ライダーマンの後も、「口見え」のヒーローは続き、同じくライダーシリーズのストロンガーに登場する電波人間タックルもそうだし、同じく女性でいえば、カゲスターの相棒のベルスターも口見えマスクだ。

ちょっとマイナーかもしれないが、「UFO大戦争 戦え!レッドタイガー」のレッドタイガー、それに「星雲仮面マシンマン」もそうだった。

海外の有名なヒーローにも「口見え」はいる。
誰もが知っている「バットマン」、そして「ロボコップ」だ。

「スーパーマン」もそうかもしれないが、「口見え」というよりは、「顔まる出し」なので、ちょっと違うか。

探してみると、これだけ「口が見えている」ヒーローがいたわけで、強いヒーローも弱いヒーローなど様々だが、ライダーマンの「口見え」は、仮面ライダーという系譜の中においては異色なのかもしれないが、数多あるヒーローの中から見ると、それほど異色でもないということが分かる。

スズキハスラー

次に、ライダーマンの「普通のバイク」について。

ルックスが「普通」なことに加えて、他のライダーのバイクは、600km/hとか700km/hなど、とんでもない速度で走れることになっているが、ライダーマンのバイクは時速250キロという設定だ。それでも、滅茶苦茶速いような気がするのだが、他のライダーのバイクがトンデモなさすぎる性能のために、なんだか情けなく感じてしまうこともまた事実。

ライダーマンのバイクは、スズキハスラー250だが、実は、このスズキハスラーは、V3のハリケーン号、Xのクルーザー、アマゾンライダーのジャングラーの原型でもあるのだ。

ハリケーン号の最高速度は600km/h、クルーザーの最高速度は700km/h、ジャングラーの最高速度は劇中では300km/hを出したが、まだまだ未知のパワーでそれ以上の速度が出せるはず、という設定になっているが、元はといえば、すべてライダーマンのバイクを元にコテコテと飾りを施しているだけなのだ。

飾りをつけた分、速度が遅くなるんじゃないかと思うのだが、そこらへんはちゃんと言い訳が用意されていて、ハリケーン号は原子力エンジン、クルーザーはジェットエンジン(らしい)、ジャングラーは古代インカ帝国に伝わる太陽の石がエネルギーと、動力源や燃料が違うのだ。

たかだかバイクを動かすために、なにやら空恐ろしいエンジンやら燃料を用いているのだから、ライダーマンの普通のバイクが遅いのはしょうがない。

しかし、よくよく考えてみると、劇中のライダーの活躍場所は日本国内だ。

日本の公道では、250km/hも出せれば、もう充分過ぎるほど充分な速度だと思うのだが……。

他のライダーのマシン、たとえ素晴らしい性能で、すごい速度が出せたとしても、その性能を発揮出来る場所ってないのではないか?

イケメン山口暁

仮面ライダーに変身する人は、いつの時代もイイ男たちばかりだ。

熱血漢的な濃いルックスの本郷猛(1号)、精悍な一文字隼人(2号)、クールでちょっとニヒルな目元の風見志郎(V3)、整った甘いマスクの神啓介(X)、濃さと精悍さが共存しているアマゾン=山本大介(アマゾン)、などなど、ライダーに変身する男は、格好良いし、各人が、それぞれ特有の魅力を持っていて甲乙をつけがたいものがある。

しかし、強いて一人だけ好みの男(笑)を選べと言われたら、ライダーマンに変身する結城丈二を私だったら選ぶだろう。だって好みのタイプなんだもん(笑)。

「電人ザボーガー」の大門豊、そして「大鉄人17」のチーフキッドの役もこなした 山口暁氏(「17」のときは、山口あきら と名をひらいていた)がライダーマンに変身する結城丈二を演じている。

私にとっては、ライダーマンよりもむしろ、ザボーガーでの印象が強い人だが、彼こそ正統派なヒーロー顔だと思う。端正でいて、熱血な要素もバランス良く合わせ持っている、類い希なるヒーロー顔だ。

実際、V3役の候補にも挙がっていたそうだ。

しかし、山口氏、ガンの為若くして他界されているそうで、とても残念だ。

多くのヒーロー役をこなした役者として有名なのがV3の風見志郎役の宮内洋氏で、V3のほかに、青レンジャーや、快傑ズバット、そしてマニアックなところではスパイダーマンに登場する刑事役も演じているが、もし山口暁が生きていたら、宮内洋と同じぐらい、様々な特撮ヒーローとして活躍していたに違いない。

そんな山口暁が変身するライダーマンなのだ。私にとっては、格好悪かろうハズがないこと、お分かりいただけただろうか?

記:2002/03/22

追記

しかし、そんなライダーマンでも、他のライダーと比べると不満な点が一つある。

かけ声だ。

どうも、闘っているときのかけ声だけに関していえば、他のライダーの「とぉ!」のほうがカッコイイ。

まぁ例外もあって、アマゾンは「チュチューン!」と、いかにも野生育ちっぽいかけ声だが、アマゾンの場合はルックスとキャラと声がマッチしているので、それはそれで良いと思う。

ライダーマンの闘っているときのかけ声は、

「やぁっ!」

だもんなぁ…。

なんか、弱そう。

記:2002/05/06

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