イオフレーム獅電 制作レビュー~ラッカー塗料はプレシジョンベースのようなもの?

   

思い入れが少ないぶん自由に塗れる

最近、鉄血のオルフェンズのガンプラを作ることが多いです。

もっとも大きな理由は、一つ一つのMS(モビルスーツ)にそれほど詳しくない上に、思い入れも少ない分、自由に塗れるということが大きいですね。

実際、アニメの方は一応全話チェックはしているのですが、個人的にカッコいいなと思うのは、やはり主人公の機体であるガンダムバルバトスや、ガンダムヴィダールぐらいで、それ以外の機体は、その他大勢のように見えてしまうんですね、アニメだと。

ところが不思議なことに、プラモだとガンダムタイプのMSは顔が小さくボディも予想以上に小ぶりだったりするので、その他大勢のMSの方が俄然魅力を発揮してくるんです。

それは、何も『鉄血のオルフェンズ』のみならず、「ファーストガンダム」にしろ「OO」にしろ同じことが言えるのですが。

ですので、思い入れがない分自由に(適当に)作ってもいいんだという開放感があり、こまかなことにこだわらずに作れるというのがイイですね。

とはいえ、なんだかんだで結局は設定色に近い色になってしまうのですが。

躍動感あるデザイン

それと、「オルフェンズシリーズ」は、機体のデザインが従来のガンダムのMSとは違い、躍動感があるところが好きですね。

エヴァにも似た、ちょっと猫背気味の姿勢と、ところどころがフレームがむき出しに成っている外装。
そしてその外装も凝った形ではなく、交換可能な形状にしているのか、簡素な外装もツボなのです。

これが組み合わさった状態は、見ようによってはオモチャっぽく見えるしかもしれませんが、飾っているうちに、不思議と愛着が湧いてくるんですね。

例えば、イオフレーム獅電なんて、全く思い入れのないMSだったんですが、作っているうちに、少しずつ愛着が湧いてきたMSの一つです。

製作途中の段階で、局地型ガンダムを隣に並べてみたりもしたのですが、造形的な面から見れば、もちろん局地型ガンダムの方がカッコいことは言うまでもありません。

しかし、ガンダムのようなバランスのとれたMSと並べると、いささか不恰好でありながらも、動いている感じがする。

一秒前に動いている姿、一秒後にはこう動いているだろうという姿が「見えてくる」ところが魅力なんですね。

それに比べると、バランスが取れ過ぎたガンダムは、ご立派な姿なので、まるで学校の創立者の胸像のようにデンと止まった感じで佇んでいる感じがする。

つまり、その格好自体が完成しているため、立っている姿そのものが時間が静止しているように感じるんですね。

1時間前から同じポーズで制止していたであろうし、きっと1時間後もこの姿なんだろうと思わせる佇まいなのですよ。それはそれでバランスが整っている証拠ではあります。

しかし、そこからは時間が感じられない。
時間が凍結されてしまっているような立体感なのです。

それに比べると、「鉄血のオルフェンズ」に登場するMSは、そのルックスから流れている時間を感じられるものが多いのです。

グレイズなんてまさにそうですし、今回製作したイオフレーム獅電も流れている時間を濃厚に感じさせてくれるMSなんですね。

▼グレイズ

次第に愛着が湧いてくる

先述した通り、「イオフレーム獅電」という機体そのものには全く思い入れがありません。

パイロットのハッシュ・ミディも、主人公の存在感と阿頼耶識システムの凄さを改めて感じさせてくれる役割を担ったキャラである事はわかるのですが、それ以上の愛着は特に感じられない。

ひょろっとしていて、なんだか弱そう。

唯一、獅電のデザインでユニークだなと思わせるのは、バルチザンと言われる槍のような武器と、ボディのバランスにはそぐわないほど大型の盾です。

本体よりも、この二つを作りたいという欲求が募って購入したガンプラでした、イオフレーム獅電は。

最初は、それぐらいの思い入れだったのですが、不思議なことに作りながら色々な角度から眺めているうちに次第に愛着が涌いてくるので、不思議なものです。

塗装はすべてラッカー系

最初はいつもの通りマホガニーで下塗りをし、その次に紫で外装パーツをランナーに付いている状態で塗りました。

失敗したのは、ランナーにパーツが付いている状態で塗ると、外装の裏側で有ることがわからずに塗ってしまうパーツが多く、組み立てた後に、影になっているはずの部分が紫で妙に明るいということになってしまったので、今後は、ある程度組み立てて形状を把握してから塗った方が良いかなと思いました。

もちろん、外装の裏側の紫は、マホガニーやジャーマングレーで上塗りしています。

その後は、赤を重ねたり、オレンジを重ねたり、赤すぎるところはグレーで彩度を下げてみたり、再び紫を載せてみたりと、あれこれいろいろな色を重ね、最終的にはホワイトとシルバーでドライブラシをかけています。

使用した塗料は全てラッカー系です。

本当は、エナメル系を使って汚しをしたいのですが、量の調節が下手なためか、私がエナメル系塗料を使うとプラがパキン!とわれてしまうことが多いのですね。

特に、ガンプラの場合は柔らかめな素材のプラスティックが多いため、エナメルどころか、ラッカー系をシンナーで薄めて塗り重ねているうちに、関節パーツなどの脆いところを割ってしまうこともあるぐらいですから、エナメルは極力使わない方向で、そして使わずにエナメル系を使った時のような効果をラッカー系でも出したいと思っています。

個人的に一番てに馴染みのある塗料はアクリル系なんですよね。

過去はもっとも使用頻度の高かった塗料かもしれない。

逆に最近メインに使っているラッカー系は、自分の中では扱いづらい塗料の一つかも。

濃度の調整が難しい上に、隠蔽力が弱い。そしてなによりシンナー臭い。

しかし、この扱いづらさをモノにしてゆく過程が楽しいのかもしれません。

ベースで言えば、アクリル塗料はジャズベース、ラッカー系塗料はプレジジョンベースって感じ?

ジャズベースの方が音作りが多彩で弾きやすいんだけど、そしてライブの時も音の抜けが良く、ストラップをかけた時の楽器の傾きのバランスも弾きやすいのだけれども、なぜかそれに比べると扱いづらいプレシジョンベースの方にも思い入れがあるという、そんな感じかな?

ギターには詳しくないので、あまり断言はできないけれども、ストラトに対してのテレキャスって感じなのかもしれません。

そうそう、ガンダムってジャズベースなんですよ。バランスいいし、様々な音楽に対応できる柔軟性がある。

それに比べると、鉄血のオルフェンズのガンダム以外のMSにはプレシジョンを感じます。

なるほど、だから最近は鉄血のオルフェンズのガンプラばかり作っているんだ。

記:2017/02/08

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