奥菜恵がハリウッドで「幽霊」デビュー!『シャッター』試写会記

      2018/01/09

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昨日、『シャッター』の試写会に足を運んできた。

オール日本ロケのハリウッド作品だ。

ジョシュア・ジャクソンと、レイチェル・テイラー主演で、監督が『感染』、『催眠』の落合正幸、制作が『リング』『呪怨』の一瀬隆重。

そして、物語の鍵を握るのが、奥菜恵。

特に、奥菜恵のファンというわけでもない私からしてみれば「おお、久々の登場だなぁ!」という感がある。

なにしろ、サイバー・エージェントの藤田社長と離婚し、しばらく、芸能活動から遠ざかっていたかと思いきや、先日、告白本(暴露本と騒がれていたわりには、比較的淡々と書かれた心情吐露本だと個人的には思うが)を発表し、藤田社長との離婚についても触れていたりもして、注目を集めたのは記憶に新しい。


紅い棘/奥菜恵

その中に、そう、皆さんご存知のとおり、彼女は、2004年に、サイバーエージェントの藤田晋社長と結婚し、一躍“超セレブ婚”として、世を賑わせた。

しかし、翌年7月に藤田社長が自身のブログに「つい先日、解決し難い問題が生じました。ふたりで話し合った結果、しこりを残すよりも別々の人生を歩むことにしました」と“離婚声明”を発表。

藤田社長に元婚約者がいたことが発覚したとか、奥菜恵にも結婚前は、押尾学、劇団出身の年上俳優、小泉孝太郎、イケ面僧侶などの交際が発覚、
などと、週刊誌をはじめとしたメディアが騒ぎ、さらに、奥菜のほうは、復帰後の舞台で共演した俳優と不倫していたとか、3年越しのサーファーの恋人がいたなどといった噂が乱れ飛んだ。

また、批評家やセラピストによる藤田社長が彼女に与えようとした物質的(金銭的)満足と、奥菜めぐみが求めていた精神的満足はきっと違ったのだ、だから彼女は寂しかったのだ、といった論調の分析も私はいくつか読んだ記憶がある。

最終的に、離婚に際して奥菜側には慰謝料が支払われていない、ということからも、藤田社長の「解決しがたい問題」は、奥菜の不倫が原因だろうというのが、世間的な通説となっていた。

しかし、奥菜著の『赤い棘』によると、原因は藤田社長の浮気にあるとし、目の前で、藤田社長に、浮気相手と思しき女性に電話をさせた描写も描かれている。

動揺した声で、「俺たち、そんな仲じゃないよな、ただの友達だよな……」と電話の向こうのアイドルに話しかける藤田社長の描写もなされており、なかなかに生々しい。

と、同時に、オンナの(奥菜の)追及っぷりに、「おお怖ぁ~」と思ったオトコは、きっと私だけではないハズ(笑)。

サイバーエージェントのアメーバブログは、だいぶ前から、アイドル、芸能人にブログを書かせることを強化しており、それに伴い、ブログを書かせたいアイドルが所属するプロダクションへの働きかけや、接待なども頻繁に行われていたと思われ、その際に、藤田社長は、知り合ったアイドルもきっと多いのだろう。

そこから不倫にまで発展したかどうかは別としても、知り合ったアイドルの携帯番号のいくつかは、携帯電話に登録されていてもおかしくないし、何度か電話でのやり取りがあったとしても不思議ではない。

仮にブログの立ち上げや、操作方法などで分からないことがあったとしたら、アイドル側としても、サイバーエージェントの社員や担当と話すよりも、直接、“時の人”藤田社長にかけるほうが、良いに決まっているし、ブログについてのやり取りだけだったのかもしれないにしても、いずれにしても、携帯には通話記録が残ってしまっているわけで、それを見られてしまったら、そりゃあ、本当は不倫していないにしても、当時の奥さん・奥菜としてはあまり気持ちの良いものではなかなったことは確かだろう。

しかし、着信記録や、携帯のやり取りだけをもってして不倫と決めつけるのは、ちょっと根拠薄弱かもしれないよなぁ、と個人的には思うが、女の人って、自分の旦那が別な女と肉体的なつながりよりも、精神的なつながりを持つことのほうに深い絶望と怒りを抱く傾向があるから、不倫の事実の有無以前に、奥菜恵の中にも、藤田社長の挙動に対して「解決しがたい絶望」を感じたのかもしれない。

と、まぁ、あくまで公に報道されていた内容だけからの私の推測&妄想なので、そんなことはどうでもいいことだし、真相は藪の中、これ以上詮索したところで仕方のないことなのだが、とにもかくにも、心機一転、奥菜恵はハリウッド映画にデビューを飾ったのが、『シャッター』。

アメリカではすでに公開されているようで、奥菜の演技、存在感、役がらはおおむね好評な模様。

奥菜の役どころは、幽霊の役、なのだが、リングの貞子、呪怨の伽椰子、に次ぐ、あらたなる幽霊キャラ、「シャッターのめぐみ」となるか!? どうかですね。

貞子にしろ、伽椰子にしろ、めぐみにしろ、
同情すべき、悲劇的な最期を遂げたという点では共通している。

しかし、同じ恨みを抱いて死んだ女性という共通点はあるものの、貞子&伽椰子と、めぐみはちょっと違う。

不特定多数の人間にあたりちらすキャラが貞子や伽椰子だとすると、めぐみの場合は、恨みの対象がハッキリしている。

しかし、ハッキリしているぶん、貞子や伽椰子に比べると、強い。

強い、というのは物理的な攻撃力・破壊力の強さ。

ガラスを割ったり、レンズを割ったりといった、物を壊す攻撃力は、西洋のポルターガイスト的なところが強く、日本的な幽霊キャラとは一線を画する。

貞子や伽椰子の場合は、ヒタヒタと迫ってくる怖さ、神経をゾワゾワさせる恐怖に訴えかけるところのほうが大きく、どちらかというと、日本的な湿度を感じさせるキャラではあったが、その点、アメリカ映画なだけあってか、奥菜演ずるめぐみというキャラは、佇まいには日本的湿度は存分に感じるものの、対象者への攻撃っぷりは、どちらかというと西洋的な気がする。

何らかの理由で関わりをもってしまった人物に対してメッセージをもたらしつつも、等しく恐怖を与え続ける無差別八当たり・ハタ迷惑な存在が貞子・伽椰子だとすると、めぐみの場合は、攻撃対象・非攻撃対象がハッキリと線引きされているところも、ドライで西洋的、といえるかもしれない。

そして、肝心の怖さ度、だが、呪怨、リングのほうが、やや上、か。

もっとも、製作の中心人物が、「呪怨」や「リング」に携わっているだけあって、驚かせ方のセオリーはここでも踏襲されている。

たとえば、ビルや日本家屋の中、ヘンな音がし、不気味なBGMで流れ、不穏な空気が漂いはじめ、登場人物の顔が次第にこわばり、そして、この緊迫した空気をタメにタメて、ドアを空けたり、振り向いたりすると、「……わっ!!!」と驚かすパターン。

「呪怨」などで、執拗なほどに、このビックリパターンを味わい、このような驚かせパターンが好きな人には、「今回も、そんな感じのビックリが多いですよ」と、安心して勧められるホラー映画だ。

ところで、この映画のポスターやパンフレットに登場する奥菜めぐみのポートレイトは、なんだか、黒服に過剰なメイクで、力強い魔女みたいだが、これはあくまで宣材としてのビジュアルだ。

実際に劇中に登場するめぐみは、もう少し弱々しい。

だからこそ、神経にやわらかく浸透してくるところがあるし、アメリカでは多くの観客からは恐怖と同時に、同情も買ったという。

そして、もちろん劇中で着ている衣装のカラーは、黒、ではなくて、白が基調。

やっぱり、恨みを抱いた美人女性の幽霊のカラーは、白以外あり得ない。
白だからこそ、恐怖も倍増、なのだ。

9月6日、全国ロードショーです。

記:2008/07/19

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