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サン・ジュアン/ジム・スナイデロ

サン・ジュアン/ジム・スナイデロ


San Juan

現代版ハードバップ

ジム・スナイデロといえば、秋吉敏子ジャズオーケストラ フィーチャリング ルー・タバキンに参加していたアルトサックス奏者として有名だ。

もっとも、アルトサックスのみならず、彼はフルートやクラリネットも吹くマルチ・リード奏者だ。

ビッグバンドに所属したいただけのことはあり、技術面は確か。

正確な音程で、アップテンポの演奏もブレることなく一直線に疾走する思い切りの良さがある。

音色もきわめて明快で淀みや陰りのようなものがない。

だから、逆に、饐えたジャズ喫茶の空気が好きな私のようなカビの生えたような人間からしてみると、こういうタイプのアルト奏者は、どちらかというと苦手な部類に入りがちなのだが、スナイデロに関しては、まったくそんなことがない。

正真正銘、直球ハードバップ。

もちろん、90年代という時代が時代なので、50年代のブルーノートやプレスティッジのようなテイストのハードバップのようなニュアンスは望むべくもないが、90年代のジャズ特有の明瞭さ、ブライト感、粒立ちの良さがありつつも、その根底には、古き良きハードバップへの敬愛の念があるからこそ、非の打ち所のないバランスの演奏の中にも、どこか50年代テイストの懐かしさのようなものを覚えてしまうのだろう。

彼を彩るサイドメンは、名手ばかりではあるが、特にピアノのケビン・ヘイズのサポートが光っている。

彼は、ソニー・ロリンズ、ベニー・ゴルソン、ロン・カーター、パット・メセニー、ジョー・ヘンダーソン、ロイ・ヘインズ、ジョン・スコフィールド、 ドナルド・ハリソン、 クリス・ポッター、アル・フォスター、バスター・ウィリアムス、アート・ファーマーら、新旧東西問わず様々なスタイルと個性を持つ大御所たちとの共演歴のあるピアニストゆえ、一言、「ジャズを分かっている」。

そんなジャズの磁力の成分を帯びまくったサポートがつくことによって、チャーリー・パーカーとは別種でありながらも、ジム・スナイデロは、熱く爽やかなアルトサウンドで疾走している。

おすすめ。

記:2019/10/15

albumdata

SUN JUAN (Red)
– Jim Snidero

1.Introspect
2.San Juan
3.Mystery
4.The Web
5.Forward Motion
6.La Mesha
7.In A Daze
8.To Whom It May Concern

Jim Snidero (as)
Tim Hagans (tp)
Steve Nelson (vib)
Kevin Hayes (p)
Dennis Irwin (b)
Billy Hart (ds)

1994/10/02

YouTube

動画でもこのアルバムを紹介しています。

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