カフェモンマルトル

text:高野雲

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グレイズ一般機 1/100 製作レビュー

      2017/04/15

グレイズ一般機

1/100スケールのグレイズを作りました。

『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』の世界においてはザクにあたる量産機ですね。

このキットは一般機と指揮官機のどちらかを選べるのですが、今回は頭がつるっとした一般機の方を選択しました。

指揮官機は、宇宙世紀の一年戦争時のジオンのモビルスーツ(以下MS)と同じく、頭にアンテナのような飾りがつくようになっています。
MSのアンテナというよりは、どちらかというと、0系新幹線の先頭車両についているアンテナのような形ですね。

フレーム

『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』に登場するMSは、「フレーム」という概念があることからも分かる通り、プラモの方も、フレームと外装が有機的に結びついたデザインとなっています。

もちろん、これまでのガンダムのMSのプラモにもフレームという概念はありました。
特にMG(マスターグレード)と呼ばれる1/100スケールのMSの多くは、骨格となるフレームを作り、それに外装(外部装甲)で覆う作り方になっていました。

しかし、多くのMS(モビルスーツ)は、せっかく作った「中の人(フレーム)」を外部の装甲で覆い隠してしまう場合が多く、かろうじてヒザや腕の関節の部分からフレームの一部が露出して見えるという構造になっていたのですね。

ですので、従来のMGの場合は、もちろん中の人(フレーム)を作る楽しみはあったにせよ、せっかく作ったリアルでメカの雰囲気が抜群のフレームが、外装で覆い隠されて勿体無いなとモデラーも多かったと思うのです。

特に、ジョニー・ライデン専用のザクや、アッガイやゲルググ、それに08小隊のボールなどは、内部のメカの部品の数が充実し、フレームだけでも飾っておきたい見栄えなのにもかかわらず、スッポリと外装で覆い隠してしまうので、勿体無いと思っていた人は私一人ではありますまい。

ですので、せっかく作った内部のリアルなメカを見せるために、ダメージ表現で、中のフレームのをチラ見せしたり、修理中に見立ててカバーを取り外した状態で飾るモデラーさんも少なくないのも分かるような気がします(特にボールなど)。

フレームと外装の有機的な連結

このような現状を鑑みた上でのデザインと商品開発だったのかもしれませんね、鉄血のオルフェンズに登場するMSは。

従来のMSと同様に外装でフレームを覆うことは確かなのですが、全てを覆い隠すようなデザインには張っていないのです。

フレームがむき出しになる箇所も随所に設けられており、骨格と装甲がうまく共存しているデザインなんですね。
なので、せっかくフレームを作ったのに隠すのが勿体無いな〜と「勿体無い根性」が生まれないのが良い。

おまけに、設計図を見れば分かるのですが、まずはフレームをしっかり作ってから外装を取り付けるような流れになっています。

これはこれで作っていてダブルの楽しみがありますね。

まずはフレームを作って、比較的短時間で全身が完成する喜び。
パーツ数も少ないので、すぐに作れてしまうのです。

そして、フレームの全身が出来た状態、いわば「プチ完成」した本体に、人形に服を着せてゆく感覚で、外装を取り付けてゆく楽しみもあります。

フレームだけでも十分にカッコ良いのですが、それに加えて少しずつ外装を取り付けることによって、じわじわと完成に近づけてゆく喜びもあるのですね。

そして、MSのデザインそのものも、内部のフレームと外側の装甲が有機的に連結した機能的かつ兵器っぽいデザイン。

ですので、『鉄血のオルフェンズ』を観ていない人でも、純粋にロボット型のプラモを作る楽しみは十二分に楽しめるキットとなっているのです。

秀逸なデザイン

私が製作したグレイズは、腿の裏側や腰、そして胸などフレームが露骨に見える箇所が多いデザインになっており、しかもデザインもカッコ良いので、これは作る楽しみのみならず、飾る楽しみもあるガンプラです。

写真だけで外見を判断すると、特に脚部などはカクカクとしたデザインゆえ、無骨なイメージを抱かれるでしょうが、実際に作って動かして遊んでいると、なかなか躍動的なデザインですし、ポーズのひとつひとつにいちいち躍動感があるので、飽きることがありません。

ただし、唯一の難点というか改良して欲しい箇所としては、肩と腕の付け根の箇所ですかね。
すぐにポロリと取れてしまうんですよ。
ここの箇所はもう少しタイトな保持力を持つ設計にして欲しかったですね。

しかし、そこを除けば、ほぼ完ぺき!

作りやすい。
すぐに作れる。
作った後もカッコ良い。

この3拍子がそろった優秀なキットといえましょう。

NATOグリーンで塗装

グレイズは、ファーストガンダムで言えば、その豊かなバリエーションと汎用性の高いMSという位置付けからザクに当たる機体であると私は認識しています。

で、個人的には、ザクのイメージって、やっぱり量産型の緑なんですね。

ですので、プラモの成型色は薄い緑だったのですが、あえて濃い緑で塗装してみました。

NATOグリーンです。

いつもはラッカー系塗料で塗るのですが、今回は珍しくタミヤのアクリル塗料で塗りました。

中学、高校時代は、アクリル塗料ばかり使っていだのですが、いつの間にやらラッカー系塗料をメインに成ってしまった私。

本当、久しぶりのアクリル塗料での塗装は楽しかったですね。

個人的にはラッカー系よりも筆塗りしやすいし、発色も良い。隠蔽力もある。

とはいえ、下地にはマホガニーのサーフェイサーを吹いて入るのですが、下地塗装をしなくても、アクリル一発で下地のプラスチックのテイストを覆い隠してくれると思います。

フレームももちろんアクリル塗料。

メタリックグレーで塗装し、あとはスミ入れをしたり、ドライブラシをかけたり、ウェザリングマスターをこすりつけたりしました。

ほんと、それだけでかなりの見映え。

サクッと作って、ちょこっと色を乗せるだけでも、十分にカッコ良いという優れたデザインだと思います、グレイズは。

塗装と汚し

グリーン一色で塗ってみたものの、やはりメリハリに乏しいのですね。

ですので、ヒザや足首のアーマーの部分を赤で塗装してみました。

もっとも単なる赤だと軽くなってしまうので、もう少し重い赤が欲しいと思いました。

なので、艦底色に赤を加えた色で塗っています。

光の加減次第では、ほとんと茶色ではありますが、軍艦の底の錆止め塗料の色、個人的にはとても気に入っています。

あとは、エナメル系のパクトラタミヤのライトグレーやバフなどでドライブラシをしました。

エナメル系塗料で、バフなどでドライブラシをかける手法は、昔のAFVモデルのウェザリングにおいての定石的な手法ですね。

中高生の時は戦車のプラモデルを作りまくっていたので、ついつい緑系の塗装をすると、グレーやバフをプラ表面にゴシゴシしたくなる性分は、年をとっても変わらないようです。

エナメル系塗料をドライブラシした後、タミヤのウェザリングマスターの「オイル」でお化粧。

調子にのって厚化粧してしまったので、全体のメリハリがなくなってしまい、なんだか眠たい感じになってしまったので、仕上げにパクトラタミヤのフラットアルミをドライブラシをし、塗装がハゲて金属の下地が見えているようなアクセントを随所に施しました。

ま、文字にすると、けっこうアッサリな感じではありますが、この仕上げの段階にいたるまでは、様々な色を外装表面にアクセント的に塗ってみたり、オレンジや紫などの明るめの色をモールド(窪み)に流し込んだりを繰り返しています。

お陰で、組み立てはすぐに出来たにもかかわらず、塗装は組み立て時間の優に10倍以上はかかったと思います。

完成品を眺めてみると、やっても効果のなかったムダな塗装をしまくっていた気がします。

目玉おやじ

このグレイズの面白いところは、顔でしょうね。

写真をみれば、量産型エヴァンゲリオンを彷彿とさせる新幹線の先頭車用のような流線形の顔です。

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しかし、顔上部がフタのようになっていて、これをカパッと開けると、球体のカメラがむき出しになるのです。

まるで目玉おやじ!

目ん玉ギョロリ。
貞子睨み~っ!

劇中でも、このような描写が何度かあるのですが、これはなかなか面白いアイデアですね。

ガンダムのジオン系のMSだとピンク色のモノアイがグルリグルリと左右に動く描写、ボトムズのスコープドッグだとカメラのレンズの中身が動く描写となるのでしょうが、要するに敵を探っている、周囲の警戒を厳重にしているという描写が、これで相手に伝わるわけですから。

こういうところも、グレイズはじめ鉄血のオルフェンズに登場するMSの魅力だと思います。

バックパック

最後にグレイズの背中です。

キットは、背中のバックパックのユニットを地上用と宇宙用と選択することが出来るのですが、地上用の方を選択しました。

地上用を選び、宇宙用っぽく背中のバインダーをグッと上に持ち上げるとカッコ良いのです。

というわけで、数日で作るつもりだったグレイズですが、結局昨年の秋から製作を始め、完成は年を越してしまいました。

良いデザイン、良い設計のキットだと思うので、また作ってみたいガンプラの一つですね。
グリーン系の色もいいけれど、砂漠使用ってことでデザートイエローで塗ってみるのもいいかなと思っています。

記:2017/01/03

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