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トラペジスト/カヒミ・カリィ

トラペジスト/カヒミ・カリィ

Trapeziste

完成度高いゆえ、何度も聴き返す必要あり

SEを含めたサンドメイキングやトータルなイメージ作りのため、凝りに凝った作品だといえる。

完成度高し。

もっとも、カヒミ・カリィのウィスパーヴォイス(とヴォーカル)を中心に楽しみたいという人にとっては不向きなアルバムだ。

最初は世界に引き込まれるまで時間がかかる人もいるかもしれないが、ひとつひとつのサウンド、楽器の鳴りにまでこだわって構築された世界ゆえ、ある瞬間から「ハマる」可能性も大。

ゴチャマゼなくせして、混濁感の一切が感じられない洗練された音。
ブリジット・フォンテーヌの『ラジオのように』を彷彿とさせる曲にニヤリ。

菊地成孔の参加も良し。
高級感と微量なキッチュ感。
この美意識とセンスは好き嫌いが分かれることだろう。

1回や2回聴いたぐらいでは把握しきれない世界観と音のこだわりがあるため、このアルバムを買った人は、最初の2~3日はへヴィローテーションすることをオススメします。

4ビートのジャズっぽい演奏にも違和感なく彼女の歌は溶け込んではいるものの、もう少し、ほんのもうちょいで構わないので、ヴォーカルのミックスのバランスをあげて欲しかった。サウンドの一部として溶け込ませたいという意図なのかもしれないけれども、4ビートの洪水に埋没してしまっているようにも聞こえるので。

この整理された混沌感のようなもの、これは、ブリジット・フォンテーヌの『ラジオのように』のアート・アンサンブル・オブ・シカゴを意識したに違いない。
……なんて思っている私は、単に「フランス語」「ジャズ」「前衛チック」というキーワードで安易に連想を働かせている単細胞野郎なのかもしれないけど。

それにしても、《スリープ》の鳩時計の「クック~」が気持ちい。
というか、呟きだけのこのナンバーが個人的にはベスト。

心地よいけど、この心地よさは裏を返せばホラー映画のサントラにも使えそうな不気味さもある。

ミュージシャンのアルバムというよりかは、アーティスト、いや、クリエイターの作品に触れているという感触に近いのかもね。

カヒミ・カリィ通算4作目のアルバムだ。

収録曲

TRAPEZISTE
– Kahimi Karie

1. Tornado (outside)
2. Trapeziste
3. About The Girls
4. Habanera
5. Au marche de Saint-Ouen
6. Lexie
7. Sleep
8. Tornado (inside)
9. Je veux un vieux
10. Kinski

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