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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

ボルグボドルザーを倒した後のマクロス(TV版)だって面白い

      2018/08/21

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最高の終わり方をする映画版

映画版の『マクロス』は、マクロスが、ゼントラーディのブリタイ艦隊やメルトランディ艦隊の助力を得て、ボルグボドルザーを倒しておしまい。
最高のクライマックスでエンディングを迎えるため、それはそれで感動が大いに盛り上がります。

特にリン・ミンメイ(飯島真理)が歌う《愛・おぼえてますか》をバックに盛り上がる数分間のシーンは、今観ても血液が沸騰します。

CGのない時代に、よくもまぁあれほどの細かい書き込みを。
アニメーターの意地、ど根性、気迫を滅茶苦茶感じるクライマックスです。

観てない人は見るように!(笑)

大胆なカット割りも多く、リアルタイムでこれを観ていた高校時代の私からしてみれば、めちゃくちゃカルチャーショックで、はじめてYMOの音楽を聴いた時に近い衝撃を受けたものです。(《コンピューターゲーム・サーカスのテーマ》⇒《ファイヤー・クラッカー》)

これはこれで、2時間弱という時間の制約のある映画の中、最大限の情報量と起承転結、盛り上がりが封じ込まれた1本の作品としては文句のつけようのない作品だと思っています。

クライマックスの後にも物語は続く

しかし、テレビ版の場合は、ボルグボドルザーの艦隊400万隻を倒した後、人類が全滅した地球の復興の模様も描かれています。

蛇足だという声も少なくありません。

蛇足ですかね?
そう?

そっちのほうも面白いと思うんだけど。

映画の感動でアドレナリンが出まくった人が、その後にテレビ版を観ると、せっかく盛りあがった後に地味な後日談は蛇足だと感じている人も少なくないようです。

たとえば、恋愛映画があったとします。

憧れの人とついに結婚することが出来た主人公が満面笑顔なシーンを映画のクライマックスに持ってきて物語終了。
これはこれでひとつの作品として成立します。

しかし、映画は幸福の絶頂のところでエンディングを迎えたとしても、現実世界では結婚式後には日常生活が待っています。
夫婦喧嘩もあるでしょうし、もしかしたら数年後は離婚しているかもしれない。

マクロスの映画を良しとし、テレビ版の「その後」を蛇足だという人は、おそらく結婚後の日常生活まで見たくないよ、きれいな夢を見させてもらっている状態のままにしておくれよという意識があるのでしょう。

実際、ミスマクロスに選ばれ、あれほど輝いていたアイドルのミンメイは落ちぶれるし、従兄でマネージャー役で、カンフー俳優でもあるカイフンは飲んだくれになるし。
そして、二人はよく仕事をめぐって言い争いをしているし。

そんな2人の姿なんて見たくないという人も多いと思います。

この「蛇足」が、その後の「いしずえ

でもね、個人的には、「後日談」のマクロスも悪くないと思うんですよね。

派手なイベントはなく、地味なエピソードが中心だけれども、その後の『マクロス・プラス』や『マクロス・セブン』や『マクロス・フロンティア』などの布石になっていると思うんだよね。

上記作品の世界では、地球人とゼントラーディ人は当たり前の仲良く共存しています。

しかし、そこに至るまでには、焼け野原の地球上で何度も小競り合いや内紛があったわけです。

その都度、統合軍は鎮圧をしたり仲裁をしたりと地道に一つ一つ問題を解決すべく尽力をしていました。

あの一条輝だって、バルキリーではなく時にはデストロイドに乗って仲裁役を買ってでたりもしていました。

焼け野原の地球を復興させようと一生懸命復興に努力を重ねていたのえす。
マクロスに搭乗していた民間人をはじめ、一条ヒカルや早瀬未沙さんのようなマクロスの乗組員(統合軍)の人々は。

その後、惑星エデンをはじめとして、様々な星に人類が住むことが出来たのは、この時に地球人の生き残り(=マクロスに乗っていた軍人と民間人)が、地道に復興の努力をしていたお蔭なんですね。

地球がなんとか復興することが出来たからこそ、地球以外の新天地を目指す移民船団が発足したわけだし。

だから、もっとお父さんやお母さん、お爺ちゃんやお婆ちゃん世代を敬いなさいなんてことを言っても、きっと「戦争知らない子どもたちさ~」と言ってスルーされて、きっと地球の復興の尽力した世代は、自らの子どもたちと世代間の断絶を感じたまま、やがて死んでゆくのでしょう。

記:2013/11/13

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