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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

『anone(あのね)』観ながらメモ

      2018/07/03

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カッコ良い広瀬すず

日テレの水曜ドラマ『anone(あのね)』は、主人公の広瀬すずがカッコよい。

ボーイッシュに髪を切って、鬼太郎のように半分目を隠している髪型からだからではない(鬼太郎といえば、そういえば彼女が幼い頃の3年間過ごした施設にある木の上の家は鬼太郎ハウスのようだ)。

第1話 スケボー背負った広瀬すず

広瀬すずのカッコよさ。

それは、スケボー。

スケボーをする広瀬すずがカッコ良いのではない。

スケボーを背中のリュックに備え付け、担ぐ姿がカッコ良い。

スリムなボディにボリュームたっぷりのバック。
そのシルエットは、さながら、ガンダムに登場するモビルスーツだ。

それも、重武装だったり、チューンナップされたマニアックなモビルスーツを彷彿とさせる。

例えば、ザク。

量産機なだけあって、ザクには様々なバリエーションの機体が存在するが、砂漠仕様やキャノン砲が装備されたバージョンなど、用途に合わせてカスタマイズされたザクのバックパックを見てみるとよい。

バックパック、これすなわち背中なのだが、背中の重武装っぷりがザクを強そうでカッコ良くしている。

例えば、背中が重そうなほど重武装をしているザク・スーパーカスタム。

例えば、キャノン砲を備え付けたバックパックを装備した、ザク・ハーフキャノン。

HG 機動戦士ガンダム THE ORIGIN ザク・ハーフキャノン

もちろん、ザクではなく、背中に追加武装を装備したガンダムでもよい。

機動戦士ガンダム サンダーボルト フルアーマー・ガンダム

背中にボリュームがあり、なおかつブルーのファッションをまとった広瀬すずが印象的な第一話だった。

死に場所を探し求める阿部サダヲと小林聡美、一晩1200円のネットカフェにかれこれ1年もの間共同生活をしている広瀬すずの仲間2人、偽札らしき札束の入ったクーラーバッグを追いかけ、テトラポッドのある海岸で一万円札を燃やす田中裕子、ハシビロコウの缶コーヒーの看板が見える病院でガンに患い死を待つのみの状態のかつての友人、偽札をゲーセンの両替機でチェックする(?)瑛太。

彼ら彼女らの間には今のところ、接点はほとんどない。
彼ら彼女らのエピソードは、今のところ脈絡がない。

今後、これら個々のグループ(個人)がどうつながり、どう物語として収斂していくのか、今後の展開に注目だ。

追記

あれから、再度、第一話を広瀬すずの背中を中心に観てみたが、うーむ、単に背中にボリュームがあるザクというよりはゲルググかな。

サーフボードのように大きな盾を背中に背負っているゲルググのほうが、素スケボーを背負っている広瀬すずに近いかもしれない。

HGUC 1/144 MS-14S シャア・アズナブル専用 ゲルググ

しかし、よく見てみると、いや、まてよ、ゲルググだと、背中に背負っているものが目立ち過ぎているな。

やはり、ガンダムか。

ゲルググよりももう少し小さめ、かつ幅がスリムな盾のほうがスケボーに近いかもしれない。

HG 1/144 RX-78-2 ガンダム Ver.G30th

うん、ガンダムですな、スケボーを背負った広瀬すずは。

参考記事

>>HG スーパーカスタムザクF2000 制作記

第2話 偽札作り

なるほど、そうか~。

ドラマのタイトルの「anone(あのね)」は、田中裕子の名前だったのね。

でも、他にもいろいろと意味が出てきそうだけど。

たとえば、第一話で広瀬すずが彦星君(カノン)とスマホのチャットゲームで昔話の会話をする時も「あのね」の出だしから始まっていたしね。

なるほど、そうか~、偽札ね。

偽札といえば、昔読んだ真保裕一・著の『奪取』を思い出しますな~。

奪取

お札の偽造に関してのウンチクが面白い小説でした。

お札の紙の原材料は三椏(ミツマタ)や楮(コウゾ)だとかね。

そうそう、特殊な手触りの紙で作られている一万円札なのに、田中裕子(の死んだ旦那)の印刷工場で、田中裕子と広瀬すずが試し刷りをした偽札は、どう見ても普通の紙の上に印刷していたぞ。

そりゃ、広瀬すずじゃなくても、手触りの違いで誰もが気付くでしょ!(笑)

第3話 大雪・帰宅難民

なんだか犯罪チックな様相に物語は少しずつエスカレートしてきてはいるが、ストーリーの内容を書き出すとキリがないので割愛(というか最初からそういう趣旨で書いてないし・笑)。

今回の第三話を見て、なんとなく思い出したのが、先日、東京に積もった大雪のこと。

「大雪」だなんて書くと、雪国に住む人たちからは、「あれで?」と鼻で笑われてしまいそうだけど、ニュースによると、地下鉄を含め、多くの路線が遅延状態に陥ったようだし、午後6時頃の渋谷駅は入場規制がなされていたそうなので、少し積もるぐらいの雪でも、交通が麻痺したり時にはパニックになってしまう東京住人からしてみれが「あれで」も「大雪」なんでしょう。

阿部サダヲの友人で、カレーショップのチェーン店を持つ企業に勤める西海を演じる川瀬陽太。

彼は、モデルガンを改造した銃で上司を撃ち殺し、店をたたんだ阿部サダヲのカレーショップに立て篭もる。

そこでの彼の一言。
「うちの会社で、一番の幸せって何だと思う? 終電で帰れる幸せだよ」。

ほほぉ、ブラック企業にお勤めで?

いや、ブラック企業と断定するのは早計だ。
仕事っていうのは個人の裁量だけではなく、むしろ多くの人の都合やスケジュールに合わせなければならないことの方が業種によっては多いこともあるからね。

結果的に、どんなに個人の能力が優れていたとしても、取引先や上司、あるいは部下の都合や無能に足を引っ張られることがあるし、むしろそのことのほうが業種によっては多いかもしれない。

たとえば、私は以前は雑誌の編集部で仕事をしたいたのだが、編集業務をしながら、デスク(進行管理)の仕事も兼任していたので、作家、ライター、編集プロダクション、デザイナー、カメラマン、校正家(事務所)、DTPのオペレーター、印刷所など、さまざまな業種の人たちとやり取りをしながら、彼らにふった仕事を管理する必要があった。

仮に、早く帰りたいと思って、原稿などの締め切りを夕方の5時に設定したとしても、たいてい遅れることのほうが多いわけで。
じゃあ、前日に締め切りを設定すればいいじゃん?となるかもしれないが、その日の午前中に取材や打ち合わせだった場合なんかは、前日には締め切りは設定できないよね?

で、この記事を翌日の朝一番に入稿する必要がある場合は、こちらに原稿が届くのを待っていなければならない。
すると、自分は早めにその日のうちの仕事をすべて終わらせていたとしても、相手の都合に合わせて待たなければならなくなる。
ま、原稿が仕上がるのが、夜中になってしまうという連絡を先方からもらった場合は、空き時間をボーっと待っている時間が勿体ないので、渋谷や六本木やジャズ喫茶に食事や飲みにいって、深夜、タクシーで編集部に戻っていたりもしていた。

このように、相手に合わせなければならない仕事を主としている人は、どうしても帰宅時間が個人裁量では調整できないことのほうが多いのだ。

印刷所の人たちだって同様だ。
いくら早く帰りたくても、編集部から原稿(データ)を受け取らないかぎりは、印刷機を回したくても回せない。
夕方からの予定だったはずが、翌朝の早朝になってようやく作業開始ということだってあるわけだから(それで随分迷惑をかけました……)。

しかし、世の中の趨勢は「早よ帰れ」「勤労時間を減らせ」でしょ?

もし、仮にですよ。
政府が強引に、「早帰りをしないとペナルティ、厳罰処分、就業時間を守らない社員の多い会社は法人税の大幅アップ!」のような法令を出したとすると、血相を変えた各企業は、どんなに仕事が残っていても、終業時間がきたら電源を落とし、社屋の中にいる社員は強制退去……、という状態になるでしょうな。
多くの会社は5時か6時が終業時間だから、今以上に街は帰宅するサラリーマンたちで溢れることになる。

すると、先日の大雪のときは、午後6時前後から渋谷や品川駅は入場規制がなされたようだけれども、その時以上の「帰宅難民」が、日々駅に溢れることになるんじゃないの?

もちろん労働時間の時短だったり、社員の大幅な残業を止めさせる政策を進めていくことは悪いことではないけれども、仮に、一気に世の中がそのような方向に動き出した場合、鉄道などのインフラは、その動きに対応できるだけのキャパがあるのか、ないのか、そのヘンのところまでを含めて考えているんでしょうかね? 考えていないんだろうなぁ、なんてことを川瀬陽太が発したセリフから考えながら見ていた第3話だった。

たしかに、ドイツのように就業時間がキッチリと守るビジネスマンばかりの国もある。
だからといって、表面的に「時間」だけを個人裁量で守らせようとしても、それは絶対に無理だということは、この本を読めばよく分かる。

国民的な気質によるところも確かに大きいかもしれないが、ドイツの場合は、国を挙げての取り組みがなされているところにもっと注目するべきだろう。

「各民間企業の意識や改革にゆだねる」程度のことでは、生っちょろいというか、先述した交通網の整備なども含めた根本的なシステム構築と再構築は国が率先してやらなければ、いつまでたっても本質的な改善はなされないまま、ずるずると「時間外労働削減」というスローガンだけが虚しく響き渡るだけのニッポンが続くだけだろう。

ところで、今回の第3話も、工場の煙突と、風力発電の巨大風車が美しく溶け合った風景を、いくつかのシーンで見ることが出来た。

数年後、『anone』というドラマを思い出した際、まっ先に思い浮かぶシーンは、煙突と風車かもしれない。

参考記事

>>ドイツ的残業なしの社会を実現するには?~『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人』
>>ブラック企業の特徴
>>終電なくそうよ

第3話 報われない人生

前話で、一千万円を持ち逃げした小林聡美。

なんてヒドイおばはんなんだと思ったけれども、第3話は、そんな彼女の過去。

いろいろあって大変だったのね。
一言でいえば、報われない、能力の空回り、なにごとも成さない(成せない)まま、年齢だけは確実に積み重なって、気づけば50歳。

仮に能力があっても、オンナ一人で生きていくには、やっぱり大変な国、ニッポン。

高校時代に中絶した女の子の幽霊の存在は、そんな彼女の心の安定剤として機能していたのでしょう。

ま、だからといって、同情するというわけではないのだけれど。

第4話 ニセ札作り

う~む、だんだんつまらなくなってきたぞ。
あくまで個人的には、だけど。

最後まで見終わるのに、ウイスキーの水割り4杯とブロックチョコ一袋とアヒージョスナックを袋3/2の量を要してしまった。

広瀬すずに加え、いつの間にか田中裕子の印刷所の家に住み込むようになった小林聡美と阿部サダヲ含む4人に偽札作りの協力を呼びかける瑛太。
さてさて、翌週は犯罪者集団結成か?!

第5話 ニセ札作り2

田中裕子の家(と印刷工場)に、なんとはなしに暮らすことになった広瀬すず、阿部サダヲ、小林聡美の4人が、瑛太に協力してニセ札を作り始める回になるのかと思いきや、そうはトントン拍子に話は進まない。

今回は瑛太関連のエピソードが中心。

それにしても、一千万円を平気で持ち去る小林聡美が偽札作りにもっとも反対するとはねぇ。

デキる母親であることを息子に証明するための窃盗罪だったらいいけど、社会を混乱に陥れる通貨偽造罪はNGというわけか。

第7話

第6話は、なぜかハードディスクレコーダーに録画されていなかったので観れず。
毎週予約しているのに、なぜかこういうこと、たまにあるんだよね。

で、第7話。

広瀬すずがバイト掛け持ちでしばらく田中裕子の家、兼、印刷工場を留守にしている間に、ニセ札作りに励む小林聡美に阿部サダヲたち。

瑛太からの提案でまずはニセ一万円札ではなく、練習も兼ねてニセ千円札作りから。

小林聡美がふざけて千円札を折り曲げて「ターバン野口」や「家政婦は見た!〜野口英世バージョン」を作って阿部サダヲに見せていた。

あはは、ずいぶ昔に流行ったね、ターバン野口。

「お札アート」とも呼ばれていたけど、小林聡美に「マジメにやってくださいよ!」という阿部サダヲのように、当時は面白がる人と、お札で遊ぶだなんて不謹慎だ!とま眉を顰める人に二分されていたことを思い出した。

第8話

あちゃ~、やはりというか、とうとうというか、田中裕子の印刷工場で瑛太が偽札を作っている現場、火野正平に見つかっちゃったよ。

国選弁護士の火野正平は、田中裕子が務める花房法律事務所の所長。

先週からチラリと疑念を抱くシーンとそのキッカケとなるエピソードが挿入されていたからね。

おそらく田中裕子から受け取った偽千円札の手触りの微妙な差から何かオカシイと感づいたんでしょうね。

火野正平の首を絞める瑛太。

さて、来週まで生きているのか?!

第9話

あぎゃきゃ~、田中裕子逮捕!

いよいよクライマックスに向けて物語が加速していきますな。

ところで、『anone』の脚本というかストーリー展開というか、痒いところの描写、個人的にはけっこう実験的な青臭さを感じているシチュエーションも少なくないと感じている。

しかし、その不自然さというかギコチ無さを補っているのが、俳優陣たちの演技なんだと思う。

田中裕子をはじめ、小林聡美、阿部サダヲ、瑛太、火野正平、そして江口のりこ、みなベテランだからね。

広瀬すずはベテランで括るにはまだ若すぎるかもしれないが、最近は経験値をハンパなく積み上げてきているからね。

彼ら彼女らの実力で、微妙な温度とテンションをキープしながら物語は進行しているのでしょう。

最終回

逮捕、自主、病死、服役⇒出所などなど、主要登場人物の皆さん各自が落ち着くべきところに落ち着き、そして田中裕子、広瀬すず、小林聡美と幽霊になった阿部サダヲの間には確固たる絆も出来たようなので、いちおうは「めでたし、めでたし」なのでしょう。

なんだかanoneさん(田中裕子)も、ハリカちゃん(広瀬すず)も、人や状況に振り回されっぱなしな人生って気もするけど、自暴自棄にならず、常に相手のことを考えて行動し続けた結果、身震いするほど大きな幸せは手に入れられはしなかったけど(逆に失ったものも大きかった)、それでも今後は少しずつ良いことが積み重なってゆくのではないかという兆候を匂わせた終わり方でしたね。

数年後に、「あのドラマはいったい何だったんだろう?」とふと思い出したときに、きっと真っ先に思い浮かぶのは、巨大な風車と広瀬すずが肩にかけていたスケボーなんだろうなぁ。

記:2018/03/23

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