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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

『崖っぷちホテル!』観ながらメモ

   

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第1話

番宣では、クセのある12人が従業員役を演じるということを繰り返し告知していた『崖っぷちホテル』。

しかし、これだけ見事に「クセのある」人たちがホテルの仕事をサボりまくっていたら、怒りを通り越して呆れてしまう。
いや、呆れも通り越して、「お前ら人間か?働けよ」と虫唾が走るレベルにまで達してしまうのは、きっと「クセのある人たち」がサボりまくっているからでしょう。

「クセのある人たち」が醸し出すハーモニーが「このホテル終わってるわ、ダメだこりゃ」感を濃厚に漂わせるところはサスガ。

もっとも、12人の全員が全員サボっているというわけではないけれど(新人パティシエの浜辺美波とか)。

きっと物語が進むにつれて、「クセのある人たち」が良い意味で改心したり、まじめに仕事に取り組んだりするようになってくるのだろうけど、最終的には「クセのある人たち」が醸し出す「良いハーモニー」が、どのような響きになるのか少々興味がある(あくまで「少々」レベルだけど)。

先代の父親からホテルを継いだものの「自分には向いているのだろうか」と疑問を持ち、真面目ではあるのだけれども、どこか自信なさげで煮え切らない総支配人の役を戸田恵梨香が上手に演じていましたね。

『SPEC』のときはアクが強すぎたからね。
ま、似合ってたけど。

第2話

戸田恵梨香と、新たに「ホテル グランデ インヴルサ」の副支配人となったガンちゃん(岩田剛典)の「新興勢力」に不快感というか、ハッキリと「あんたたちのことキライだから」と言い放ったりょうが、ちょっとだけ彼らの手助けをする回でした。

毎回、このような少しずつ「インヴルサ」は活気を取り戻してゆくのでしょう。

第3話

渡辺いっけい、けっこう好きなんですよ。

ベテラン俳優の一人なので、その芸域や演じる役柄の幅も広い方ではあるのですが、私は、こすズルくてセコい小悪党的な役柄を演じた時の彼が好きですね。

特に印象に残っているのが、デビューしたての初々しかった頃の相武紗季が主演をつとめた『ビートキッズ』(監督:塩屋俊)の先生の役。

声楽部の顧問で、典型的な「イヤな学校の先生」役を演じていて、俳優ではなくパンクバンドのメンバーが多数出演しているため、どうしても素人感が漂ってしまう若い出演者たちをうまく引き立てていたと思います。

今回の『崖っぷちホテル』では副支配人を降格させられて宿泊部主任となった時貞正雄役を演じる渡辺いっけいも、セコくてコスくて保身に走る情けない中年男をコミカルに演じていて、主演の二人を、つまりは戸田恵梨香の素人支配人感と、岩田剛典の天然っぷりを上手に引き立ていると思います。

第4話

長谷川初範登場。

亡くなった前ホテルの支配人、つまり現在の支配人である戸田恵梨香の父親にそっくりだという設定。

長谷川初範が死んだ誰かにウリふたつ?
どこかで聞いたことがあるような設定だと思ったら、そう、『101回目のプロポーズ』でした。

ホテルを辞めようと決意した鈴木浩介が、現在の「インヴルサ」の従業員に対しての思いを語らせるキッカケにはなってはいたものの、「かつての支配人に似ている」ことは今回のストーリーにおける重要なポイントとなる設定ではないサブ的設定であるようにも感じました。
だとすると、やはり『101回目のプロポーズ』へのオマージュ?

それはそうと、長谷川初範の娘役が、前回はお客として登場したりっちゃん(川栄李奈)。

りっちゃん好きとしては、次週からレギュラーで登場するのは嬉しい限りであります。

第5話

野性爆弾・くっきーのグランドピアノを弾いている時の表情がなんともイイですな。

毎回のことだけど、浜辺美波のポジティブテンションの高さも心地よいですな。

第6話

回を重ねるほどに、このドラマの舞台であるホテル、グランデ・インヴルサは、立地も作りも良いホテルなんだなということが分かってくる。

今回は屋根裏部屋のエピソードだけど、1話の「奇跡の瞬間」(プールに夕日が反射して部屋の天井には金色の水面が映し出される)にしろ、建物の作り自体が、周囲の自然現象を楽しめる構造になっているんだよね。

「売り」になる要素満載なのに、それでも「崖っぷち」ということは、もうこれは経営努力の欠如と言われても仕方がないよね。

ま、だから、それを立て直していくストーリーが、このドラマなわけなんだけど。

第7話

佐藤隆太登場。

佐藤隆太といえば、三木聡監督の『ダメジン』のイメージがいまだ強いのですが、今回の佐藤隆太もなかなかのダメ人っぷりを発揮してましたな。

色眼鏡をかけた佐藤隆太って、なんだかおすぎとピーコのピーコに似てますな。

第8話

一瞬、ガッキー登場?!と思ってしまいました。

マナヒラ王国の長女イレーネ役を演じた小川紗良が、不機嫌バージョンのガッキーに似ていてなかなかでした。

野生爆弾のくっきーに恋するところなんかもなかなか。

常に前向きポジティブ浜辺美波総料理長が大活躍の回でしたな。

第9話

雨の日の花火は、傘ですか。

考えましたね。

ところで、このドラマの主題歌、フランク・シナトラの《夜のストレンジャー(ストレッジャー・イン・ザ・ナイト)》は、名曲中の名曲。

このドラマの各を1段も2段も引き上げていると思います。

これが、最近の歌手の新曲とのタイアップだったら、ずいぶんと違うイメージのドラマになっていたことでしょう。

戸田恵梨香に主演が決まる前は、桐谷美玲に白羽の矢が立っていたようですが、もし桐谷美玲が主演だったら?

音楽が変わるほどの変化はそんなになかったかもしれない。

しかし音楽が、たとえば星野源だったりSuperflyだったりaikoだったら?

かなーりドラマの格調が変化していたに違いない。

それだけ音楽がイメージを支配する力って大きいんですよ。

最終回

ガンちゃん辞める。
ガンちゃん、他のホテルに転職する。

次に移るホテルも「崖っぷち」なホテル。
ちなみに総支配人は谷村美月。

わずか3ヵ月で崖っぷちだったホテルを繁盛ホテルに立て直して、去ってゆくガンちゃん。

理由は?
⇒夢が叶ったから。

つまり、崖っぷちだったホテルの経営が軌道に乗ったから去る。
さらに、花火大会を「成功させる」という夢が叶い、夢が叶ったことの怖さもあり、去る。

では、この理由を「ホテル」⇒「女」に置き換えてみましょう。
さらに「崖っぷち」⇒「無理目」に置き換えてみましょう。

無理目な女をわずか3ヵ月で落としたから次の女に移る。
無理目を口説き落とすという夢が叶い、叶った後の現実(結婚を迫られる、ステディな関係を継続しなければならない)が怖くなり、別な女に移る。

ようするにガンちゃんは浮気性だということが分かりやすく露呈した最終話だったわけですな。

オトコたるもの、こうであらねばならない(?!)。
あ、仕事においての話ね。

記:2018/06/19

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