オトナの土ドラ『限界団地』観ながらメモ - カフェモンマルトル

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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

オトナの土ドラ『限界団地』観ながらメモ

   

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第1話

佐野史郎も、もうお爺ちゃんの役を演じる年齢になってしまったんだなぁ。

番宣では「冬彦さん再び」的なキャッチフレーズが目に付くけれども、これはどう考えても『ずっとあなたが好きだった』の冬彦さんよりも、このドラマの流れを引く『誰にも言えない』の麻利夫さんでしょうね。

もっとも、冬彦さんのほうが社会現象んあるほど流行したから(「む~~!」というセリフとかね)、引き合いに出すのは知名度が高いほうで、という意図があるのでしょう。

冬彦さんは、たしかに不気味な目つきを時にするマザコン男ではあったけれども、野際陽子の厳しいシツケの犠牲者的なところもあり、どちらかというと受け身で可哀想なところもあった人でもあるんですよね。

それに比べると、冬彦さんの息子という設定の麻利夫さんのほうが、ストーキング、拉致監禁、放火などなど積極的に犯罪を行っている。

第一話では、放火や2名の老人の死に追いやった犯人として直接は描かれてはいないけれども、おそらくは佐野史郎老人の仕業であることは明白。

つまり、積極的に犯罪を犯していくバイタリティ的なところは、冬彦さん的というよりかは麻利夫さん的な感じがします。

ま、いずれにせよ、あの怪しい目つきは健在で、嬉しくなってしまいますけどね。

第2話

冬彦さん、あるいは麻利夫さんの壁やドアからの半分顔出し不気味姿、健在。

というより、当時の風貌、雰囲気とまったく変化がない。

『ずっとあなたが好きだった』は1992年だから、あれから26年経っているわけだが(そんなに?!)、ほとんど変わらない風貌と雰囲気には驚き。

アルフィーの高見沢俊彦、オジー・オズボーン、アイアン・メイデンのスティーヴ・ハリスなど、30年以上経っても、往年のイメージとほぼ変わらないミュージシャンもいる中、佐野史郎も彼らミュージシャンの仲間に入れてもいいんじゃないかと思うほど。

ギタリストでもあるしね。

第3話

やっぱり今回の佐野史郎は冬彦さんというよりも麻利夫さんだね。

本質的には行動様式は似てはいるんだけれども、RX-78ガンダムとZガンダムくらいの違いはあります。

さらに、『限界団地』の寺内誠司になると、放火どころか殺人までやらかしちゃうんだから、ZガンダムとZZガンダム並みの開きを感じてしまいますね。

ただ、冬彦さんにしても麻利夫さんにしても寺内さんにしても、異常行動の根底にあるのは「一人の女性を愛しすぎるがゆえの」というところは共通していますね。

冬彦さんと麻利夫さんは賀来千香子のことを、そして寺内さんは孫の穂乃花ちゃん(渡邊詩)のことを。

で、惚れこんだ女性の笑顔を見るためなら、彼女との幸せな時間を共有できるのであれば、それを邪魔する者や障壁はいかなる手段を用いても構わないという考えが根底に流れている。

で、この行動内容が年を冬彦さん→麻利夫さん→寺内さんとなるにつれ、どんどん過激にエスカレートしている。

ガンダムのビームライフルが、ZZのメガ粒子砲に武装が強化されてゆく過程を見ているようであります。

それはそうと、足立梨花が夫(迫田孝也)の部屋を買って引っ越そうという提案を、東向きで日当たりの悪さを理由にやんわりと断っていましたね。

平日はほぼ一日中会社で仕事をしていて日が沈んだ夜しか家にいない夫からしてみれば、日当たりの良しあしなどは「大したことない問題」かもしれないけれども、いやいや大したことありまくりな問題ですよ。

日当たり悪い部屋に住むか、日当たりの良い部屋に住むかで、その後の生活観や思考パターン、大袈裟に言えば人生観まで変わってしまうものです。

そう思っているのは私だけかもしれないけど。

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その後、南向きのマンションの部屋を見つけ、移り住もうというところまでになるけれども、結局、佐野史郎によって……。

いやぁ、面白いわぁ。

第4話

いやぁ、佐野史郎おじいちゃんの行動、どんどんエスカレートしていくわ。

楽し♪

お爺ちゃんなのに、けっこう行動力もある上に、目的を果たすためのシナリオが適格。

しかもバレない。

迫田孝也の不倫相手に覚せい剤を持たし、そこから足立梨花夫婦に波紋を投げかけ、結果、夫を団地から追い出すまでの流れは見事としかいいようがありません。

この頭脳と行動力をまっとうな方向に活用すれば、実社会ではリストラされずに済んだのかもしれないのにね。

第5話

今度はインチキ霊媒師登場っすね(笑)。

ベタ過ぎるホットリーディングには苦笑。

ま、クレイジーIQの高い佐野史郎お爺ちゃんにカンタンに見抜かれるのも当然でしょう。

第6話

既に書いていることですが、『限界団地』の寺内誠司のキャラ設定は、かつて佐野史郎が演じた冬彦さんと麻利夫さんの延長線上のキャラなのでしょう。

もし、冬彦さんや麻利夫さんが、可愛い孫を持つお爺ちゃんになったとしたら、きっと寺内誠司になっているでしょうね。

彼らに共通しているところは、基本的に頭が良い。

勉強面での頭の良さではなく、歪んだ目的を果たすための知恵がグルグルとものすごい勢いで回転して結論を下し、異常なるバイタリティで目的に向かって行動をする。

そして、根底にあるクレイジーな部分が表出していない際は、基本的にコミュ力は高く、彼の本性を知らない人は「良い人」と好意的な評価を下します。

彼らのクレイジーな側面が浮き彫りになるのは、異常なまでに愛する対象を守るため、あるいは手に入れようとする時。

『ずっとあなたが好きだった』と『誰にも言えない』の時の「対象」は賀来千香子、そして『限界』の時は孫娘の、ほのか(渡邊詩)ちゃんと、若かりし日の江波杏子

彼女らに対する異常なまでの執着心が、寺内お爺ちゃんの狂気の行動のモチベーションなのでしょう。

たしかに、実際、ほのかちゃんはものすごく可愛いし、若かりし日の加代子さんも、当時の時代からしてみれば、当時風の言葉でいえばバタくさいほどまでに外国人っぽく美しいルックスでしたからね。

もし、孫娘のほのかちゃんが可愛くなかったら?
もし、加代子さんが美しくて、中学時代の佐野史郎おじいちゃんの憧れの存在じゃなければ?

可愛いは罪、美しいは罪、なのかもしれません。

第7話

いいですねぇ、だんだん佐野史郎の狂いっぷりにも拍車がかかってきています。

しかし、ただ狂うだけではなく、激高した郭智博ボイスレコーダー録音して、団地住人や警察の前で公開するという周到かつ狡猾なところも持ち合わせており、そのバランスが目を離すことが出来ない彼の魅力なのでしょう。

ぶち壊した壁の穴から顔を出す佐野史郎が怖くて秀逸!

狙ってますな。

これに近い描写、過去に何度か出てきてますもんね。

第8話(最終回)

やはりというか、なるほど、というべきか。

警察に通報して佐野史郎を逮捕させつつも、足立梨花はしっかり佐野史郎の団地愛遺伝子を受けついでいましたね。

団地マンの絵本を描き、団地をバカにする父兄の家に放火したりと(足立梨花だよね?!)。

しっかりと、寺内さん(佐野史郎)に調教されて野に放たれたって感じ。

佐野史郎は刑務所の中だけど、ちゃんと遺伝子を受け継いだ人間が、これからもまた歪んだ「団地愛」を連鎖させてゆくのでしょう。

今回の「大人の土ドラ」は、面白かったけれども、もう少しコンパクトに2話くらい削って濃縮編集をすれば、もっと見応えのある濃い内容になったんじゃないかと思うのですが、まあ足立梨花好きや佐野史郎好きにとっては(あと、穂乃花ちゃんファンにとっても)、ストーリーのダイナミクスとは無関係に、「たくさん見れて良かった」という満腹感は味わえたかもね。

個人的には、自治会長役の山崎樹範にエールを送りたいです。

記:2018/08/03

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