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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

アタマにくる仮面ライダーディケイド

      2018/04/08

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10年かけて築き上げてきたものをブチ壊し

『仮面ライダーディケイド』は、いちおうひととおりすべての話は観たんですが、いやぁ、こんなにムカッとくることの多いライダーの番組ははじめてでしたね。

いや、「ムカッとくることが多い」なんて書くと、しょっちゅう番組を見ながあら腹を立てているように誤解されてしまいそうですが、基本、私は仮面ライダーに限らず、あるいはゴジラやウルトラマンなどの特撮も含めて、イラッときたりムカッときたりすることって無いんですよ。

それなのに、このディケイドときたら、もうわざと往年のライダーファンの腹を立たせるために意図的に挑発しているんじゃないかと思うほど、イラッとくる要素のオンパレードなのです。

平成仮面ライダー10周年ということで、これまでに登場した9つの仮面ライダーの世界を「旅する」という物語なのですが、いやぁ、それぞれの仮面ライダーの世界に登場するライダーの設定のブチ壊し方が半端ない。

クウガならクウガ、響鬼だったら響鬼と、それぞれの仮面ライダーを観ていた人たちは、1年間かけて築き上げてきた「思い入れ」のようなものってあると思うんですよ。

それを設定変更されたショボい世界観の中、ディケイドが大暴れする、というか、それぞれの世界に登場するライダーたちを上から目線で接するんですよね。

なにせ、あのクウガを、クウガの五代雄介をですよ、あのディケイド、というかディケイドに返信する門矢士(かどやつかさ)は、思いきり舎弟扱いしているし。
もっとも、ディケイドでのクウガは小野寺ユウスケという名前に変更されているので、そしてクウガの役はオダギリジョーではない別の役者を起用していることからも、正確には五代雄介がいるクウガの世界とは別人のようですが、それでも「オイラのクウガを侮辱すんな!」って気持ちは残りますね。

新しい平成ライダーの魁となり、その後に続く平成ライダーの礎を築き上げた『仮面ライダークウガ』という作品に、並々ならぬ思い入れを持つファンは少なくないはず。
そんなクウガをあんな扱いにしてしまうのって、どうなのよ?って思いませんか?

555にしたってそうですよね。
スマートブレイン社が、いつの間にか「スマートブレイン学園」になってしまっている。
555がいつの間にか学園ものですよ(笑)。
で、乾巧が、その学園の中の冴えない写真部員? なんじゃそりゃ?って感じです。

同様に、ヘンな設定に変えられているものとしては、「剣(ブレイド)」もそうですね。
さんざん、剣崎は「サラリーマン仮面ライダー」とディケイドの門矢士に馬鹿にされまくっているし。

アギトもそうですね。
複雑で謎だらけのストーリーを分かりやすく、しかも最終回までスリリングにまとめあげた、あのアギトの世界を(個人的には「アギト」がストーリー的にはもっとも秀逸な平成ライダーだと思っている)、ものすごく大雑把に単純化しちゃってるし。
だって、津上翔一と氷川誠を一人の人物に合体させちゃってるんだからね。警察官なんですよ、あのどこにも所属せずに自由奔放なところこそが魅力の翔一クンが警察というもっともわかりやすい国家権力の一員になっちゃているんですから。

それにカブト。
なんなんすか? 天道総司は光速でビュンビュン動きまわり続けていて、それがとまらないという設定は。

あと響鬼もヒドいね。
響鬼さん、グータラオヤジで、いつも弟子の明日夢くんに仕事をさせて自分はゴロゴロ寝てばかりいて、しかも、その正体は魔化魍だったという設定は響鬼好きだったら確実に怒りますよ。
しかも太鼓のヒビキ流、弦の基調とするザンキ流、笛のイブキ流の三派が分かれて争っているって設定もなんだかなぁ。
それぞれタイプの違う「音撃」があり、それぞれの鬼同士が時に連携をとり、協力しあうところが響鬼の世界の醍醐味だったのに、それをブチ壊してマヌケな争いを繰り返している響鬼の世界にさせられてしまっている。

ほかにも例を挙げればキリがないんだけど、本当に「平成仮面ライダー10周年」という節目の大切な作品を作っているんだという自覚があるのかな?
むしろ、これまで10年かけて育んできた、仮面ライダーファンの想いを踏みにじる暴挙に出ているんではないかとすら思ってしまいますね。
「破壊と再生」みたいに都合の良いスローガンを掲げながら。

そして、最終回も「なんじゃこりゃ?」でしたね。
だって、「つづきは映画館で!」的な終わり方でしょ?
しかも、ディケイドがピンチに陥ったところでオシマイ。
映画への誘導が露骨過ぎだと思います。

テレビはテレビの枠内で、取りあえずでもいいから納得のいく終わり方をするのが制作者の良心ってもんだと思うんですけど、そのへんはどうなんでしょうね?

とにもかくにも、『ディケイド』で、これまでの「仮面ライダー熱」が一気に冷めてしまったというライダーファンも多いんじゃないかと思います。残念。

記:2009/09/04

追記

最終回の露骨な映画への誘導に関しては、多数のクレームが放送倫理・番組向上機構(BPO)にも寄せられ、審議を受けたそうです。

テレビ朝日側は「最終話終了後に明確な区別無く映画の告知を行ったのは適切な手法ではなかった」という旨を回答したようですね。

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