カフェモンマルトル

text:高野雲

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超時空メルヘン「ババジ君」第20話

      2016/12/11

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第19話の続きです。

「いやあ、デブヒゲさんのことですから、きっと無事だとは思ってたんですがね。あ、そうそう、この白い衣装はお宅の店で発売する新作ですか?髪型まで変えちゃって、なんか妙ですよね。ターバン巻いてないデブヒゲさんを見るのは始めてだなぁ。」

隊長をデブヒゲと間違えて声をかけた男は本当によくしゃべります。

まぁ、彼がいろいろと一人で喋ってくれるお陰で、隊長はあまり話さずに済むわけです。

それに、隊長は直感で、何となくこの男はデリーの爆発と何らかの関係がありそうな気がしました。もうちょっとこの男につきあってみようかと思っています。

「取り敢えず、ご飯でも食べましょうか? あ、デブヒゲさんはもう食べちゃったかな?だったらいいんですよ。無理しないでも。でもねぇ、私、見つけたんですよ、知ってます?ほら、デブヒゲさんの店の裏の食堂ですよ。う~んと、なんだっけなぁ、そうそう“マハ・ムードラー”です。“マハ・ムードラー”ですよ、ハハハ思い出した、思い出した。」

隊長の頭の中はフル回転です。

どうやら自分はデブヒゲという男と間違えられている。

デブヒゲは店を経営しているようだ。

その店は服飾関係だと思われている。

そして、デブヒゲという男は死んだと思われていた。

死ぬとしたら、やはり、あの超音速級の乗り物が引き起こした大爆発でか?

ということはデブヒゲは少なくとも、爆発現場の近くにいた、あるいは住んでいる人間だと考えるのが妥当だろう。粘ればもうすこし色々なことを聞き出せるかもしれないな。

隊長が考えをグルグルと巡らせているうちに、

「ほら、そうこう言っているうちにもう着いちゃいましたよ。例の店に。」

と男は隊長に話しかけました。

男が言っていた食堂とは、粗末な板作りの小さな建物でした。

でも、窓の周りにはたくさんの色で彩られたキレイな布で飾られています。

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建物の中からは、隊長がはじめて嗅ぐ香ばしい匂いがしてきます。

ペコペコだった隊長のお腹を刺激するイイ匂いです。

「さぁ、入りましょう、デブヒゲさん。」

痩せた男は店の中に入って行きました。隊長も男の後に続きました。

ここらで食事を取ってひとやすみするのも悪くなかろう。そう隊長は思いました。  

つづく

第21話

画:赤っぴ

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