カフェモンマルトル

text:高野雲

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あの日美しかった君の仮面

      2017/05/24

四次元ブルトン

ブルトン・アプレゲール・テケレッツの過去のライブ音源を発見したので、先日YouTubeにアップしてみました。

ブルトンは、もともとベース3人のバンドで、メンバーは全員フレットレスベースを弾くというヘンテコリンなグループでした。

私はウッドベースを弾いていた日もありましたが、ウッドベースもフレットレスですからね。

フレットレスベース特有の甘い音色と、曖昧な音程でスライドをしまくる無重力感が、まるで軟体動物、それも地球上のものではなく、宇宙空間や異次元に生息するような軟体動物を彷彿とさせるサウンドゆえ、私がウルトラ怪獣のなかでももっとも好きな怪獣(四次元怪獣)ブルトンにイメージがピッタリだと思い、「ブルトン」というグループ名をつけました。

▼ブルトンって、こんな感じ
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「四次元ブルトン」と呼んでいるメンバーもいましたが、まあ音もイメージもそまさに「四次元」な感じでしたからね。

当時の演奏場所は、主に屋外。

ライブハウスなどの施設内での演奏はしていませんでした。

ブルトン・アプレゲール・テケレッツ

で、私が大学を卒業し、しばらくは社会人として忙しい日々を送っている間も、後輩たちは「ブルトン」として活動をしていました。

名前もいつの間にか「ブルトン・アプレゲール・テケレッツ」となり、音楽も複数のベースによるアンサンブルから、打ち込み主体となったりと、いつの間にか表現手段が変わっていきましたが、底に横たわる「ヒネクレ精神」と「逃避の哲学」は健在だったので、サウンドの変化などは瑣末なことです。

カセットテープに録音された音源が、律儀なメンバーから送られてきていたので、私はグループのサウンドの変化を楽しんでいました。

私抜きでの彼らの活動の模様は『馬鹿の手口』という同人誌にも取材され、記事の中では最大級の絶賛をされていましたね。

bakanoteguchi

よほど嬉しかったのか、メンバーからもその同人誌が家に送られてきましたし、私もニヤニヤしながらその記事を読んだ記憶があります。

ただ、その記事にあるバンド名の表記が「テケレッツ」ではなく、「ペケレッツ」になっていたことが少々気にはなりましたが。(もしかしてメンバーを挑発するためにワザと間違えていたとか?)



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再始動 1994年

その後、どういう経緯(いきさつ)だったのかは忘却の彼方なのですが、東高円寺の「Los Angels」というライブハウスでライブをすることになり、そのときに私の後輩で、実質的にブルトンのリーダーだったジョニーという名の少年Kとともにステージに立つことになったのです。

YMOが再生ライヴを行った翌年ですから、1994年のことでした。

この時は、少年Kの他、某ノンフィクション作家の娘さんがフルートとして参加していますが、ブルトンのレパートリーなど知らぬ彼女はステージ上でほとんどフルートを吹くことはなく、黒ずくめの人民服を着て、終始不機嫌な顔をしてステージの上でトランプ占いをしていましたね。

ジェット・マジンガー

その時のライブの模様の音源が残っていて、先日YouTbueにアップしたのが「ジェット・マジンガーのテーマ」です。

その日のライブ用に、既存の曲を急いでアレンジし直し、急いで打ち込んだ記憶があります。

ステージでは、私が忙しくキーボードしている間、少年Kはステージの真ん中に正座をして機材を操作していましたが、時折ヴォコーダーを通した声がうすくほんの一瞬音楽に混ざっていることを、今回改めて発見。

いろいろ細かいところで曲のSEに貢献してくれていたんだ。

SEといえば、人民服のフルートさんは退屈そうにステージの隅っこに座っていたのですが、時折はいるレトロなSFチックな電子音は、彼女の操作によるものだったと思います。

すいません、もう20年以上前のことなので記憶が曖昧で。

曖昧な記憶

で、この東高円寺のライブを皮切りに、ブルトン・アプレゲール・テケレッツは、2ヶ月か3ヶ月おきに吉祥寺や池袋、そして秋葉原などのライブハウスでライヴを繰り返すことになるのですが、毎回メンバーや楽器が変則的で、少年Kや私が抜けることもあれば、私が演奏する楽器もベースの時もあれば、キーボードの時もあり、時には両方ということもありました。

その頃の私は日記のようなものをつけていなかったので、東高円寺で久々にブルトンのライブをした時のことはよく覚えているのですが、その後のライブに関しては記憶が錯綜しており、今回アップした《あの日美しかった君の仮面》も、いつ、どこのライブハウスで録音されたものなのかが分からないのです。

でも、アレンジを聴くかぎり、この曲のもっともオーソドックスで平均的な演奏ですね。

ベタでチープな打ち込みと、ノスタルジックな曲調、そして歌詞はYMOの《ビハインド・ザ・マスク》をもろパクリしているという、本当、テキトーといえばテキトーな曲なのですが、3ベースの四次元バンドの「ブルトン」としてではなく、テクノバンドとしての「ブルトン・アプレゲール・テケレッツ」を代表するレパートリーではありました。

このアレンジに飽きた私は、もう少し音を抜いたスカスカなアレンジで打ち込み直し、《あの日美しかった君の仮面~ザ・リッチモンド・ホテル・ヴァージョン》というものを作り、実際、一度だけライブで演奏しているのですが、この曲も、いつどこのライブハウスで演奏したのか、まったく記憶にありません(たぶん東高円寺だったと思うけど)。

しかし、個人的には気に入っているし、もしかしたらビデオで残っているかもしれないので、見つけたら、またYouTubeにアップしようかと思っています。

記:2015/09/17

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