NATOブラックにハマっている - カフェモンマルトル

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NATOブラックにハマっている

   

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タミヤカラー XF-69 NATOブラック アクリル塗料

アクリル系が性に合っている

最近、NATOブラックにはまっている。

タミヤのアクリル塗料で、品番はXF69。

少し前までは、ラッカー系塗料をメインに塗装をしていたが、ここのところ、タミヤのアクリル塗料で塗ることが多くなってきており、思えば私が中学生の頃も発売したてのタミヤアクリル塗料を中心に使っていたことからも、原点回帰という感じかもしれない。

個人的には、ラッカー系、エナエメル系、クレオスの水性塗料に比べると、少なくとも筆塗りにおいては、タミヤのアクリル系塗料がもっとも塗りやすい塗料だと思っているのだが、さまざまな模型サイトをネットサーフィンして、プラモデラーのアクリル塗料に関しての記述を読むと、「塗りにくい」「難しい」というような声が多いことに驚いている。

私の場合は、ラッカー系塗料の塗装が一番難しいと感じていて、だからこそ、ジャズベースよりも弾きにくいプレシジョンベースを弾きこなそうというような意気込みに近い気持ちで、最近まではラッカー系塗料中心で筆塗りをしていたのだが、多くの方は、アクリルよりもラッカーのほうが扱いやすいと考えているみたいですね。

ま、これはその人の体質や、その人が持つ完成イメージと、それに近づけるために実際に手を動かす肉体と、その結果生み出される結果のギャップの振幅などを含めた、さまざまな変数がからんだ上で表出される感性癖みたいなものもあるので、すべての人が弾きやすいベースが無いように、万人向けの塗料もないのだと思っている。

ちなみに、ベースの話を引き合いに出したついでに弦の話もすると、私の場合は、ベース(エレクトリックベース)の弦に関しては、フラットワウンド派なのだが、多くの人はラウンド弦を使用しており、ラウンド派の多くはフラット弦は弾きにくいという。

ええ、そうか?!と思うんだけど、そのあたりが、肉体的感触から導き出された、その人の嗜好と感性癖なのだろう。

私なんかは、はじめてフレットレスベースを楽器屋さんで試演した際、そのベースに張ってあったフラットワウンドの弦に触れ、音を出した瞬間、「そうそう、これだこれだ、この感触と音色こそが自分が求めていたものだ!」と歓喜の声を上げたものだけれども、このような体質や感性の方向性というのは人それぞれなのでしょう。

だから、私の場合、一生懸命努力してラッカー系になじもうとしたのだが、ついぞラッカー系塗料を使い続けて「これだ!」という感触を得ることがなかった。

いや、ヅダやゲイレールのように、ラッカーならではの「下地を溶かす特性を巧く活かせた」と自己満足している作品はいくつかあるのだが、完成した「結果」と、楽しいながらも少々の違和感を感じながらも手を動かしていた「過程」が微妙に繋がらず、妙なギャップのようなものがいまだに指先と心の中にシコリとなって残っていることもたしか。

参考:ヅダ、アンバランスな魅力を持つMSを陸戦風に作ってみた

参考:ゲイレール! ギャラルフォルン・旧型主力機を作ってみました。

敬愛するプロモデラー・松本州平先生のお言葉「やっぱ塗料はラッカーに限るのう。プラモデルの塗装はラッカーに始まり、ラッカーに終わるちゅうことや、エナメル系の塗料は反抗期に入ったモデラーの使うもんや、おとなになったらまたラッカーに戻るんや」という言葉を胸に刻みながら、一生懸命、州平師匠がいわくところの「おとな」になろうと努力はしたんですがね……。

ということで、次第にラッカーから離れ、ここのところは、どっぷりアクリルにはまっているわけなんだけど、最近、さまざまな用途に使える万能な色としてNATOブラックを重宝している自分に気がついた。

先日も、在庫が無くなったのでNATOブラックを模型店で購入して補充したのだが、1年の間に3回もNATOブラックを買うだなんて、かなりペースが速くね?と自分でも思っている。

複雑な色味

なにしろ、NATOブラックは、黒にもなるし、グレーにもなる。

色味もなかなか複雑で、見ようによってはグリーンの要素もはいっており、光加減によっては微妙に青が混ざった黒でもあり、濃いブラウン的でもあるという、なかなか複雑な色なのだ。

ガンプラの場合、アクトザクのキシリア部隊機に塗ると、なかなか映えるんじゃないかと思っている。

上記画像のアクトザクは成型色につや消しクリアを吹いて汚しをかけただけのものだけれども、次回はぜひNATOブラックで塗装した機体を作ってみたいと考えている。

陰にも使える

また、NATOブラックの良いところは、下塗りの際のシャドウにも使えるところだ。

これ、ブラック(フラットブラック/つや消し黒)を使うと、かなりどぎつい不自然な黒になってしまう。
露骨過ぎるというか、イラスト的になるというか。

だから、ここ数年、私の場合は、黒を使いたい場合は、純粋な「ブラック」はほとんど使用していない。
陰を表現したければ、ラッカーだったらマホガニー、アクリルだったらフラットブラウンあたりを良しとしていたのだが、いかんせん色によっては対比効果でサビっぽい色にも見えてしまうことがある。
そんな時こそ、NATOブラックが大活躍というわけだ。

ガンプラでいえば、バーニア(スラスター)周辺のすすけた感じを表現するのにも最適な色味なのだ。

これが黒だと主張が強過ぎるし、ジャーマングレーだと明る過ぎて不自然になってしまう。

そうそう、ジャーマングレイといえば、ジャーマングレーよりも濃い目のグレーを表現したいときにもNATOブラックは有効だ。

ジャーマングレーも、市販されている様々なグレーの中では濃い目のグレーではあるけれど、色味的には青の要素も感じられるため、用途次第では不自然な色味になってしまうこともあるし、乾くと、意外に明るい色味になる。

もう一段階暗めの色で塗装したいと思った時には躊躇なくNATOブラックを塗る。

乾いた後に、少し濃いかな?と感じたら、薄めたジャーマングレーを上からちょいちょいと塗れば、意図した暗さのグレーになる。

なかなか重宝する色なのだ、NATOブラックは。

もう、足元に転がっているガンプラのすべてをNATOブラックに塗りなおしたいという衝動がむくむくともたげてくるほど、それくらい最近の私はNATOブラックにはまっている。

ストーンズの《黒く塗れ!》ではないが、まさに「Paint It, NATO Black」な気分の今日この頃なのだ。

記:2019/03/28

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