打ち込み戦メリ(メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス/坂本龍一)

   

以前、ヒステリック・ジャズ・テクノに関しての記事にも書いたのですが(こちら)、曲の最初から最後まで、すべて音符を打ち込みで入力すると、すごくカクカクするというか、デジタルデジタルするというか、とにかくゲーム音楽みたいな感じになっちゃうんですよね。

もっとも、それは単に私の打ち込み技術が稚拙だっただけなのかもしれないけど。

いや、たぶん細かなニュアンスをつけながらの打ち込みは、今のDTMでは可能なのでしょう、きっと(もう十数年DTMやってないので最近の事情はよくわからないけど)。しかし、今から二十数年前の私には、そのような技術も知識もなかったんですね。

だから、一回手引きで弾いて、ズレたりミスッたところだけを打ち込みなおすという七面倒臭い手続きを踏むヒステリック・ジャズ・テクノというような私の脳内ジャンルを立ち上げてトライしていた時期もあったんですね。

でも、先ほど、「ゲーム音楽みたいになる」と書きましたが、ゲーム音楽っぽくなってしまうのであれば、いっそのことゲーム音楽っぽい打ち込み曲も作っちゃえ!と、最初から最後まで鍵盤を弾かずに「打ち込みのみ」で作ったおもちゃっぽい曲にもトライしていました。

その中の一曲の音源が録音されたカセットテープを先日発見したのでYouTubeにアップしてみました。

坂本龍一を代表するナンバー、『戦場のメリークリスマス』の《メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス》をヤマハのV50に打ち込んだものです。

教授(坂本龍一)のコンサートでは、必ず演奏されていたナンバーで、イントロの例の部分が数音出てくるだけで「またか」と思うのですが、数秒後には「ま、代表作だからしょうがないよね」と思い、結局、十数秒後には曲の世界にドップリとひたってしまうという、本当に何回聴いても飽きない不思議な魅力を持っているナンバーですね。

私の場合は、中学、高校時代は、アルバム『Coda』のピアノを譜面化した『Avec Piano』という楽譜を買い(装丁がオシャレ!)、この楽譜を見ながら《メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス》を学校の音楽室のピアノで弾いたりもしていたので、「何回聴いても」飽きないどころか、「何回弾いても」飽きない曲なのです。

CodaCoda

アヴェクピアノ/戦場のメリークリスマス 坂本龍一アヴェクピアノ/戦場のメリークリスマス 坂本龍一

ハーモニーはとても美しいけれども、曲の構造としてはとても単純なんだけどね。

いや、単純だからこそ、
そう、単純にリフレインが繰り返されるからこそいいのかもしれない。

繰り返せば繰り返すほど感動が高まってくるし。

とにかく、今はまったく弾けなくなっちゃったけど、中学、高校時代は、ほぼ毎日といっていいほどピアノで弾いていた思い出の曲なんですね。

だから、この「打ち込み戦メリ」をV50で作ったときは、頭の中に譜面の記憶が残っていたときなので、サクサクッと打ち込んでから、できるだけこの曲が持つ美しさを壊さぬよう、(当時の)ゲーム音楽っぽくチープで単純な感じに崩していきまいた。

遊びとして、この曲の中に、これもまた教授を代表するナンバーの《ジ・エンド・オブ・エイジア》や《トンプー(東風)》も混ぜていますが、ちょっとクドいというか、しつこかったかな?……と十数年ぶりに聴き返して反省しています。

記:2015/10/02

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