カフェモンマルトル

text:高野雲

*

巨大大仏、あるいは石仏としてのジ・オ

      2017/05/23

Pocket

the_o

昔はジ・オのキットは発売されていなかった

かなり昔の『モデル・グラフィックス』誌(以下『MG』誌)に掲載されていた「ジ・オ」はインパクトの塊だった。

時期としては、『機動戦士Ζガンダム』の放送前後のことだったと思うので、1986年頃かな?

パプティマス・シロッコが駆る、最後のモビルスーツ、ジ・オ。
その体躯に似合わぬ圧倒的な機動力で、Zガンダムや百式を圧倒し、最後は主人公・カミーユの体当たりでなんとか仕留められるという、いかにも「ラスボス」的な最期を遂げたモビルスーツではある。

その頃は、ジ・オのプラモは発売されておらず、腕のあるモデラーがフルスクラッチをするしかなかった。

それに比べると、ほんと、今のガンプラ好きは恵まれているよな~。
1/144のハイグレードも出ているし、1/100のマスターグレードも出ているからね(高いけど)。

HGUC 1/144 PMX-003 ジ・オ (機動戦士Zガンダム)HGUC 1/144 PMX-003 ジ・オ

MG 1/100 PMX-003 ジ・O (機動戦士Zガンダム)MG 1/100 PMX-003 ジ・O

しかし、当時のバンダイからはそのような大ぶりなモビルスーツなど発売されるはずもなく、我々ガンプラ好きも「ジオはきっと発売されないだろうなぁ」というのが大方の見方だった。
だって、あのパラスアテネが1/144で発売された時だって驚いていたぐらいなんですから。



sponsored link



ゴツゴツザラザラ石仏

そのような状況下、『モデル・グラフィックス』誌上に「ドドーン!」と掲載されていたジ・オのフルスクラッチは圧巻だった。

残念ながらモデラーの名前は失念してしまったのだが、雑な作りではありながらも、迫力とインパクトにはものすごいものがあり、誌面を見て圧倒された記憶がある。

正直、設定画とはかなり違った形をしていて、プロポーションのバランスも悪く、表面処理もコンクリートか石の表面みたいにザラザラ&ゴツゴツ。
まるで鋳造されたかのようなボディが、さらに「鉄の塊」感を高めており、ダークグレーともダークイエローともつかない塗装は、まるで大仏を髣髴とさせるものがあった。

『MG』誌に掲載されたジ・オのフルスクラッチを見て最初に思い浮かべた言葉は「石仏」、次いで「布袋大仏」だった。

モビルスーツではなく、まるで石で作られた巨大な荒ぶる神に見えてしまった。だから大仏を思い浮かべたのかもしれない。

さらに私は幼少の頃、愛知県江南市の小さな町「布袋」というところに住んでいたため、巨大な大仏には慣れ親しんでいたからなのかもしれない。
もっとも、布袋大仏はコンクリート製の大仏なんだけどね。
ちなみに、名鉄犬山線の「布袋」駅の隣の駅は「石仏」なんだけど、それも記憶の底でリンクしていたのかもしれないね。

とにもかくにも、そのゴツゴツ、ザラザラとした質感を誇るジ・オの荒々しい作例は、私の心の中に大きなインパクトを残したことは確か。

塗装中に座敷わらしが出現

そして、それから十数年経った後、ジ・オが1/144サイズでバンダイからプラモとして発売されていることを知った私は、喜び勇んでキットを買い、ストレートに組み立てた後に「石仏」をイメージして塗ってみた。

しかし、どうもイメージ通りにはいかない。
しかし、筆を叩きつけるように塗っていたために、なんとか荒々しい感じは出せたような気はしているんだけどね。

その時、私が筆をジ・オに叩きつけていた時に、息子の話だと、座敷わらしが出現して、私の背中からジ・オに筆を叩きつけられる様を面白そうに見ていたらしい。

>>どうも我が家には座敷わらしがいるらしい(8)

私は気付かず、夢中になって塗装作業をしていたので、本当にいたのかどうかは分からないけど。

アクリルからラッカーへ

そのジ・オが完成してからしばらく経った後、再び1/144のジ・オを買い、今度は前回とは違う色調で塗ってみた。

前回はダークイエローを貴重とした色彩だったが、今回は白っぽい感じをイメージして作ってみたが、迫力という面では、前回作ったバージョンのほうが良いかなと個人的には思っている。

最近の私は、もっぱらラッカー系の塗料しか使わないが、まだこの頃はタミヤのアクリル塗料でプラモに色を塗っていた。

私が中学の時にエナメル系のパクトラタミヤの他に、新しくアクリル系の塗料が発売されたのだが、筆を水洗いできるというところに魅力を感じて飛びついて以来、ずっとアクリル塗料一本やりで私はプラモを作っていた(汚しやスミ入れはエナメル系を使っていたけど)。

もちろん、たまにラッカー系を使うことはあったけれども、しっとりした艶消しの質感は、タミヤのアクリルのほうが個人的な好みだったということもあり、またグンゼから出ていたミスターカラーには「つや消し」よりも「光沢」や「半光沢」のほうが多かったこともあり、値段的には少々高かったけれども、長い間、私はタミヤのアクリル塗料を愛用していた。

ラッカーに切り替えたのはいつ頃からだろう?
わりと最近、といっても、ここ10年ぐらいの間だったような気がするけど、忘れてしまった。

『MG』誌にインスパイアされ、「石仏」あるいは「大仏」を意識して塗装したジ・オが、タミヤのアクリル塗料でプラモを塗った最後のほうの作品であることは確かだ。

じつは1/144のジ・オのプラモデル、もう一箱、押入れの中で眠っているのだが、次に作るときはラッカー系で塗ってみようと考えている。

巨大大仏さんが3体並ぶと、かなりの迫力になるだろうなぁ。

記:2016/04/23

関連記事

>>愛知県江南市の布袋に住んでいたことがある。



 - 創作 , ,

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。