年内に小銭稼ぎ1万円達成!
2017/04/16
DSほしい
数ヶ月前から、息子には小銭を与えることにしています。
理由は、息子が、「お金ほしい」とポツリと女房に漏らしたことから端を発します。
なぜ、お金がほしいのかというと、「DSがほしいから」。
つまり、両親がDSを買ってくれない以上は、自分が稼いで自分のお金で買えば問題がないだろうという発想。
「そうかぁ、買ってもらえないんだぁ、ガックリ……」と、受け身で諦めずに、「ならば、どうしたら、手に入れられるのだろう?」と息子なりに考え、結論を出し、さらに、何か我々両親にコントリビューション(貢献)することが出来たら、その報酬を貰うというその発想が気に入った私は、息子がお手伝いをしたり、私を喜ばせることをしたり、ドリルやテストで100点をとったり、要は、「俺がお金をあげたい気分になった瞬間」に10円をあげることにしました。
ぼくが出来ること
さらに息子は張り切って、「ボクが出来ること」というタイトルのメニューを書いて壁に張ったのですが、自分がやれることを客観的に見つめなおすという発想が気に入ったので、女房にも協力を求めました。
お手伝いをしたら、10円あげてくれ、と。
ちなみに、息子が壁にはった「ぼくが出来ること」のメニューには、
かたもみ……10円
おふろそうじ……10円
せんたく……10円
床そうじ……10円
ゴミすて……10円
ウッドベースのほこり取り……10円
パソコンとTVのモニターのほこり取り……10円
まどふき……10円
おつかい……10円
食器あらいきに食器をいれる……10円
テストで100点……10円
と書いてあります(笑)。
とにかくDSをあきらめない。
テストでも、掃除でも、とにかく今の自分がお金を得る方法は親を喜ばせることしかない。この発想、私好きですね。
だって、ビジネスにおいても、もちろん仕事内容、結果が重要なのは言うまでもありませんが、そのベースには、「人を喜ばせる・満足してもらう」という発想が大事だと思うからです。
結局、何ヶ月にもわたって、コンスタントにお手伝いの提案・実行をし、10円でも多く稼ぎ続けようとする息子の熱意に負けた我々は、今年のクリスマスプレゼントにDSを買うことを許可しました。
ただ、その時点での息子の所持金ではDSを買う金額には満たない。
だからといって、我々は買ってあげるつもりはない。
だから、私の親に買わせた(笑)。
クリスマスプレゼントということで。
可愛い孫に買ってあげなさい、ってことで(笑)。
ちょうど、毎年、我が家は両親を交えて、近所のイタ飯屋でパーティをやっているのですが(要は、クリスマスというのは、親族が集まる口実ね)、イタ飯屋の近くにオモチャ屋があるので、パーティの前に息子は両親にDSを買ってもらって大喜びです。
ただし、買ってもらうのは本体だけにしろよ、欲しいソフトは自前で買えよ、ということにしました。
ちょうど息子はその時点で8000円弱のお金が貯まっていたので、そのお金でマリオブラザーズのゲームを買いました。
ただ、息子にとっての最初の目標は1万円だったので、支払ったお金も含め、昨日まで、自分はいったいトータルでいくら稼いでいるのかを分かるようにノートに記録をつけていたようですね。
息子は最初はお金目当てだったのですが、身体を動かしているうちに、次第にお手伝いや勉強することの快感に目覚めてきたようで、じつによく働いてくれています。
昨日だけでも、年賀状120枚に切手を貼ってくれましたし、その年賀状をポストに入れに出かけてくれたし、郵便局に荷物を届けてくれたし、マンションの不在者用の宅配ロッカーにAmazonから送られてきた荷物を取りにいってくれたし、燃えないゴミを捨ててくれたし、前日のパーティで空になった酒のビンや缶を捨ててくれたし、計算ドリルと漢字ドリルで100点を5つとったし、古新聞、古雑誌を出してくれた。
これだけでも100円以上の働きはしているわけで、オマケして200円を渡した瞬間、「やったぜぇ~!」と雄たけび。
「年内に1万円貯めたぜぇ~!」と歓喜の表情を浮かべています。
脳科学の見地から
毎日、一生懸命、自分はスポンサー(=親)に対して何が出来るのかを考え、実行し、少ない手取りをコツコツと貯めた結果、目標としていた期限内に目標額を達成出来た。
この喜びは、きっと大きいものでしょう。
ドーパミンが出まくりなことでしょう。
茂木健一郎の『脳を活かす勉強法』によると、ドーパミンは、できるとわかっていることを成し遂げても放出されず、できるかどうかわかないことに、一生懸命になってぶつかり、そして苦労の末それを達成したときに大量に分泌されるそうです。
「えっ、私ってこんなこともできたの?」と意外性が強ければ強いほど、喜びが大きくなり、一度、そのような体験をしてしまうと、脳は同じ体験を求めるようになるのだそうです。
つまり、この達成感(=快感)をふたたび求める→繰り返す→習慣になる
このサイクルが形成されてくるわけで、息子が次の目標の2万円を達成する頃には、
・コントリビューションの意識、
・相手が喜ぶことを考える
・勤労してお金を得ること
以上の3つがクセになって、身体に染みこんでいることでしょう。
以前、私は、「親は子供の夢をかなえてはいけない・夢をかなえる方法を教えてあげるべきだ」と書いた記憶があると思いますが、まさに、今、息子にしている「報酬制」がまさにその一つです(ほかにも色々やっていますが、それはまた別の機会に書こうと思います)。
お金で釣るのが目的じゃない
この「報酬制」、もしかしたら、「子供を金で釣って、親はラクしている」と感じる人もいるかもしれませんが、それは違います。
お金で釣っているのではなく、この制度のキモは、労働してもらうことではなく、「提案させること」にあります。
つまり、人のニーズを嗅ぎ取り、先回りして、自分ならこういうこと出来る、自分ならどういうことが出来るのだろう?と考えるクセをつけることにあるのです。
お金はあくまで報酬です。
最近の心理学の研究でも、
小さな報酬を課すと、人間は頑張ろうとすることが分かっています。
たとえば、「来週のプレゼンがうまくいったら、ちょと贅沢してミシュラン日本版に乗っていた三つ星レストランに彼女を一緒に行こう!」と、自分に報酬を課すと、人間、目の前の辛さを忘れて頑張れるのです。
我が家の場合は、その報酬がたまたま10円(お金)という硬貨になっただけです。
だから、お金で子供を釣って、自分らは家事を怠けているわけではないのですね。
まだ、この制度を我が家に導入してから半年ぐらいしか経っていませんが、この態勢をあと数年続ければ、息子のほうから、思いも寄らぬ提案が出てくるかもしれません。
そのサプライズに我々は期待していることもあり、
さらに、キチンと報酬を支払えるよう、私は頑張って稼がねばならないのです。
▼関係ないけど、良書デス
成功学キャラ教授 4000万円トクする話 (講談社BOX)/清涼院 流水
記:2007/12/31(from「趣味?ジャズと子育てです」)