雑想 2000年9月

      2022/12/17

The Madmen/YMO

畳み掛けるようなせわしない16ビートに、時おり挿入される細野さん独特のベースの「濁った」スラップ音、そして細野さんの乾いた硬質なヴォーカル。

YMOのラストアルバム『サーヴィス』の中で、一際異彩を放ち、100パーセント細野さんまる出しの《The Madmen》はいつ聴いてもカッコいい。

歌詞は、何となく戸川純の《森の人々》を彷佛させる世界観で、不気味&お茶目。

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ウィンターライヴ'81/YMO

YMOの『ウインターライブ』の映像が好きで、ビデオ、LD、DVDとソフトを替えつつ、10年以上も飽くことなく見続けている。

このライブの白眉は《音楽の計画》だと思う。

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アルバム『BGM』収録のバージョンでは打ち込みベースで整然とした印象が曲全体から漂っているが、ウインターライブでは細野さんが手弾きで弦ベース(ミュージックマン!)を弾いているためか、サウンド全体に躍動感があるし、汚しをかけたシンセの音色が幻惑的な上に、教授のナルシストぶり(笑)もなかなか味わい深い。

音楽的クオリティも高いが、映像の美しさも加味されるため、ウインターライブの映像は、ついつい何度も何度も見返してしまうのだ。

記:2000/09/17

夫のエゴ

自慢じゃないが、私の女房は美人だし、美人だから結婚した。

勿論、それだけの理由で結婚したワケじゃないが。

だから、もし冗談や謙遜でも女房が「どうせ私はブスだから」などといった、自らを卑下するような言動、素振り、態度をとろうものなら、即刻私は彼女を張り倒すだろう。

何故なら、女房にはいつだって綺麗でいて欲しいし、自分のことを自ら「ブス」と言ったり、或いは愚痴や弱音を吐くような情けないオンナを生涯の伴侶に選んだ自分自身のセンス、大袈裟に言えば全存在が否定されたに等しいからだ。

記:2000/09/09

ジャズ・ポエット トミー・フラナガン

まさにタイトル通りの内容。

トミー・フラナガンはジャズの、ピアノの詩人でもあるのだなということが、よく分かる1枚。

▼収録曲
1. Raincheck
2. Lament
3. Willow Weep For Me
4. Caravan
5. That Tired Routine Called Love
6. Glad To Be Unhappy
7. St. Louis Blues
8. Mean Streets
9. I'm Old Fashioned
10. Voce Abuso

ア・リトル・プレジャー

マニア好みのテナー奏者、J.R.モンテローズの隠れ名盤、
『ア・リトル・プレジャー』。

このアルバムでは、テナーサックスのみならず、ソプラノを吹くモンテローズの演奏も聴ける。
テナーとは雰囲気が一転して、メランコリックさの加わるモンテローズのソプラノもなかなか。

脇をしっかりと固める、トミー・フラナガンのピアノも素晴らしい。

▼収録曲
1. Never Let Me Go
2. Pain And Suffering...And A Little Pleasure
3. Con Alma
4. Central Park West
5. Vinnie's Pad
6. Theme For Emie
7. A Nightingale Sang In Berkeley Square
8. Twelve Tone Tune

趣味の世界まで悪しき暗記教育の負の遺産?

ブルーノートなどのレコード番号や、アルバムの曲やパーソネル、さらには録音年月日を博覧強記のごとく覚えている「記憶力」の良いジャズファンが尊敬される風潮がいまだにジャズ喫茶にはあるようだ。

それを生業としている評論家やマスターだったらともかく、趣味でジャズに接している人は、受験じゃないんだからそこまで必死に暗記する必要はないと思う。

もちろん覚えたことによって広がる世界もあるので、それは各個人の理由だけど。

しかし、そのことに対して「すごいな~」と尊敬の眼差しでみられるのは、あくまで「記憶力」のよさであって、「鑑賞力」に対してではないことを肝に銘じるべきであろう。

ストレイト・トゥ・ザ・ハート デヴィッド・サンボーン

サンボーンのアルトの音色とフレーズをはじめて聴いた時の衝撃は今でも忘れられれない。

正確には、聞いたというより映像で見たんだけど(渋谷「スウィング」で)。

で、そのときの映像の音源が、このアルバムなんだけど、映像で見る、若かりし日のマーカスもハイラムもめちゃ、カッケ~なのです。

個人的には、このアルバム、サンボーンの最高傑作だと思っております。
(・∀・)b

>>ストレート・トゥ・ザ・ハート/デヴィッド・サンボーン

フィル・ウッズの凄まじきパーカー愛

フィル・ウッズはまぎれもなくパーカー派アルティストの一人だったが、彼にとっての心の師匠、チャーリー・パーカーへの敬愛は並大抵のものではなかった。

サックスのプレイ内容のみならず、パーカーの未亡人、チャン・パーカーと結婚してしまったほどなのだから。

パーカーの死後、未亡人チャンの相談にのったり、世話を焼いているうちに、次第に両者は惹かれあうようになったのだという。

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多芸なトリスターノ

ピアニストのレニー・トリスターノがピアノを本格的に始めたのは、なんと20歳前後の時なのだそうだ。

それまでは、クラリネット、サックス、ギター、トランペット、ドラムを演奏していた。

「鬼才トリスターノ」であり、「多芸トリスターノ」でもあったわけですね。

ジェリー・マリガンのピアノレス・カルテットが生まれた背景

最初は、ピアノのジミー・ロウルズもバンドメンバーだったが、

1、彼のガールフレンドがリハーサル中、うるさく邪魔

2、たまたまロウルズ抜きで練習してみたら、しっくりきた

という理由が
ジェリー・マリガン=チェット・ベイカーのピアノレス・カルテットが誕生した理由らしい。

音楽的、楽理的な理由ではないのが意外だが、
発見、ひらめきというものは
えてしてこのようなことが契機になるのかもしれない。

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