雑想 2008年6月

      2022/02/24

《恋の味をご存知ないのね》が、なんとまぁ

先日、友人たちと渋谷のジャズ喫茶「JBS」に行った。

ここでかかった1枚が、デクスター・ゴードンの『ア・デイ・イン・コペンハーゲン』だった。

デクスター・ゴードンと、トロンボーンのスライド・ハンプトンがヨーロッパで録音した演奏。

さすがにハモりのトロンボーンならではのアレンジとでも言うべきか、《ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ》の管楽器アンサンブルが厚みがあって、しかも、女々しさのかけらもない、まるで、ふんぞりかえって威張っているような堂々たる演奏になっている。

同じ曲でありながら、『バラード』収録のコルトレーンの演奏とは、まったくもって対照的な肌触りなのだ。

いっぽう『バラード』で聴けるコルトレーンのバージョンは、まるで大男がしんみりとすすり泣くニュアンスだとすると、ゴードン&ハンプトンのバージョンは、威風堂々。

恋? 知らねぇな、俺は漢(おとこ)だぜ、それが何か?

と、どこまでもふんぞり返って威張っているような感じ。

いや、威張ってないかもしれないが、センチメンタルさが希薄な立派な演奏になっている。

ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』に収録されたバージョンもコルトレーンの『バラード』とは好対照だが、それとは別な意味で、ゴードンのバージョンもコルトレーンとは好対照だ。

さて、ゴードン、コルトレーン、ロリンズと3人ともテナー奏者だが、あなたは、どのバージョンが好きだろう?

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>>ア・デイ・イン・コペンハーゲン/デクスター・ゴードン&スライド・ハンプトン

《リンボ》だって名曲だよーん

今月の『スイング・ジャーナル』に、「ウェイン・ショーター名曲名演BEST5」という記事があった。

なかなか興味深い記事だったが、ショーター作曲の曲の5本指に、《リンボー》が入っていなかった。

ベスト5に選ばれていた曲は、

《フットプリンツ》
《サンクチュアリ》
《エレガント・ピープル》
《ネフェルティティ》
《レスター・レフト・タウン》

の5曲。

ま、バランスの良い選出だとは思う。
メッセンジャーズ時代、マイルス時代、ウェザーリポート時代と、彼の音楽キャリアを俯瞰できる構造になるからね。

でも、《ピノキオ》は?
《リンボ》は?

と、自分の好きな曲がはいっていない私は、ちょっとだけ不満。
上記2曲に関しての詳しい解説読んでみたかったなぁ。

ま、この2曲が選外になっているのは、演奏しているアルバムの数が少ないこともあるのだろう。

でも、アタクシ、《リンボ》大好きなんですよ。
いかにも、ショーターっぽい曲想だと思いませんか?

口ずさみやすいけれども、どこか浮遊感のある不思議なメロディが魅力なこの曲、

明晰なペトルチアーニのピアノと、ハーモニーの奥行きを演出するジム・ホールのギターが、とても良い按配で、ショーターのテナーサックスに溶け込んだ、『パワー・オブ・スリー』の演奏を聴いてみよう。

暖かなミステリアス。
一発で、《リンボ》の虜になってしまうことだろう。

TV使用のジャズ曲コンピ

TVで使用されているジャズのヒット曲を集めたコンピレーション。
寺井尚子自らが出演している金鳥蚊取り線香CM曲「貴婦人のタンゴ」、『報道ステーション』の「オープン・マインド」ほか。

▼収録曲
1. 貴婦人のタンゴ(寺井尚子)
2. マイ・フェイヴァリット・シングス(サラ・ヴォーン)
3. オープン・マインド(sax version)(松永貴志)
4. 日曜はダメよ(ジュリー・ロンドン)
5. ナイト・アンド・デイ(小林桂)
6. グッディ・グッディ(ベニー・グッドマン)
7. ラヴ(ナット・キング・コール)
8. メタル・ドラゴン(松永貴志)
9. 虹の彼方に(ジュディ・ガーランド)
10. サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー(チェット・ベイカー)
11. 愛するデューク(スタンリー・タレンタイン)
12. シカゴ(トニー・ベネット)
13. ス・ワンダフル(ジミー・スミス)
14. スマイル(デクスター・ゴードン)
15. この素晴らしき世界(ジョージ・アダムス)
16. サマータイム(ルー・ロウルズ)

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バッド・ラック・ブルース

ブラインド・レモン・ジェファーソン(ブラインド・レモン・ジェファスン)の《バッド・ラック・ブルース》がなぜか染みてくる。

そんな夜があってもいいよね。

ジャズ版ディズニーオムニバス 星に願いを

ジャケットや収録曲を一望した限り、完全に女性向けというか、お子様のいるご家庭向けのオムニバス盤かな?と思いきや、小林桂や、ロン・カーター、バーバラ・ヘンドリックス、アーネスティン・アンダーソン、ジューン・クリスティなどの新旧ナンバーが収録されているので、けっこう「子供向けじゃん」などと一蹴できない選曲っぷりではある。

ジャズバージョンの充実ディズニー・オムニバスだ。

▼収録曲
1. 星に願いを~「ピノキオ」より/ 須川展也
2. 星に願いを~「ピノキオ」より/ 小林桂
3. ウィズ・ア・スマイル・アンド・ア・ソング ~「白雪姫」より/ フランソワ・グロリュー
4. 美女と野獣 ~「美女と野獣」より/ バーバラ・ヘンドリックス
5. 星に願いを ~「ピノキオ」より/ 寺井尚子
6. ヒーズ・ア・トランプ ~「わんわん物語」より/ 小林 桂
7. ホール・ニュー・ワールド ~「アラジン」より/ 小原 孝
8. チム・チム・チェリー ~「メリー・ポピンズ」より/ ドン・スカレッタ
9. 星に願いを ~「ピノキオ」より/ ヒュー・ロウソン
10. いつか王子様が ~「白雪姫」より/ アーネスティン・アンダーソン
11. いつか王子様が ~「白雪姫」より/ ロン・カーター
12. 星に願いを ~「ピノキオ」より/ ジューン・クリスティ
13. ララ・ルー ~「わんわん物語」より/ 小林 桂
14. 星に願いを ~「ピノキオ」より/ オルゴールズ

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