顔の中の赤い月 野間宏

野間宏の『顔の中の赤い月』。
これを映像化すると面白いと思うんだけど。
彼は破れた硝子窓が彼女のその顔をこするのを見た。彼の生存が彼女の生存をこするのを見た。二人の生存の闇を、透明な一枚のガラスが、無限の速度をもって、とおりすぎるのを彼はかんじた。
こういう表現を映像にすると、どういう描写になるのだろう。
頭の中では数パターンの絵が浮かんできたりして、
そういう妄想を楽しんでいるのだけど、
あ、あと役者は誰がいいだろうかとか。
堀川倉子の白い顔の斑点から、
北山年夫の戦争時代の記憶に発展するまでの描写とかも、
映像で表現するシーンなども、
監督や脚本家の腕の見せどころだと思うんだけどね。
でも、テーマが、いささか地味なのかな。
文字表現だからこそ、頭の中にもわもわ~っと浮かんでくる情景を
映像描写にするとすると、
作品の深い読み込みと理解、
そして自分はこう表現するんだという明確な意思が必要。
その結果生まれた映像が、私の妄想を上回ってくれた時の快感を味わいたいのです。(・∀・)b
暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)
暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)

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