被虐的な白人ジャズマンのニックネーム

2020-11-21

白人⇒被虐的なニックネーム
黒人⇒偉い称号
言われてみれば、そのとおりですな。

ジャズ王国ではキングの地位を争って血みどろの争いが起り、初代のバディ・ボールデンは、二代目のフレディ・ケパードにその地位を奪取され、ケパードは、心ならずもジョー・オリヴァに破れ、オリヴァは、養子的ルイ・アームストロングに王冠を与え、一九五七年の現在、この王国は依然として、アームストロングの統治下にあります。
ルイ・アームストロングによって占められた王様の地位が、どうも、かれが死ぬまで取れる見込みがなくなると、同年輩のニグロはあわてまして、テンデ「公爵」「侯爵」「伯爵」「男爵」「大統領」に、自薦、他薦いりみだれ、ラッシュ・アワーの座席とりみたいに、ぞくぞく即位をいたし、これを中外にセンメイするという、イヤまことに被虐族にふさわしいメークビリーヴィングをやり出したしだいです。
白人が、「しかめっ面」のスパニアと、あ、「ピーウィと鳴く」ラッセルとか、気の毒な名前を貰っているのとくらべて、まるで天国と地獄みたいなもんです。要するに、優越感をかんじる奴ほど、あべこべにヘリクダッてみるという、いずれにしても小綺麗な心境ではなさそうですが、まあ、世わたりの秘訣として、被虐族をみたら、おおいに、「社長」、「専務」、「支店長」、「先生」、「大先生」とたてまつり上げることですな、このお話の教訓は―。
(油井正一『ジャズの歴史』より)

なるほど、ピーウィー・ラッセルの「ピーウィ」は擬音だったんですね。
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油井先生の本、面白いし、勉強になります!
ジャズの歴史 (1968年)/ 油井 正一 (著) 東京創元新社 (刊)

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