カフェ・モンマルトル

高野雲の雑記帳。音楽・映画・読書・模型。

話ベタな私を笑いに来よう!~四ツ谷「いーぐる」バド・パウエル特集

   

ジャズを流す店において、ようするにジャズ喫茶の「選曲」って、けっこうシビアなものがある。

それだけ、人様相手に「音を選び・流す」ことって重要だし、お店のイメージやセンスをも左右しかねないことなのだ。

さらに、どんなに素晴らしい音源でも「順番」「流れ」次第で、気持ちよくもなり、気持ち悪くもなる、というのが「客」としてジャズ喫茶に通いまくっていた私の実感。

しかしですねぇ、立場が逆転するんですねぇ、今週末土曜日は。

つまり、私がバド・パウエルの音源を選曲して、かける、ということを四谷「いーぐる」で行うわけです。

「いーぐる特集」というイベントです。

今回のテーマは、「バド・パウエルの魅力」を探ろう!という趣旨で、私にとって思い入れの深いピアニスト、バド・パウエルの魅力を様々な角度から、解説してゆくという試みだ。

「パウエルのこれこれこういうところに魅力があります」ということを、実際に音をかけて説明、いや証明してゆかねばならない。

ヘタな仮説や、思い込みは、「いーぐる」のJBLのスピーカーから大音量で放たれる音を前にすれば、軽々と粉砕される可能性もある。

これは気を引き締めて臨まねばならない。

選曲はほぼ終了していた。

が、

昨日、マスターの後藤さんから、音楽だけでトータル120分では、多すぎる・長すぎるという指摘を受けたので、削った。

削る際も、ほとんど迷わず、ドラスティックにバッサリと。

頭の中では言いたいことの優先順位が出来ていたから。

果たして、この選曲でお客さんを納得させることが出来るのだろうか、と戦々恐々だが、今の時点ではベストだと思っている。

一曲、一曲、それぞれの曲に、各々の切り口と見解が込められているので、間を埋めるような無駄な曲はない。というより、無駄な曲を入れるだけの時間的余裕がない(笑)。

さいわい、営業中のジャズ喫茶のように「音だけ」でお客さんを納得させるという厳しい条件ではなく、音源をかける前には、音についての解説をすることが出来る。

よって、前後の曲に多少脈絡がなくとも、言葉による解説を加えることで、こちらの選曲意図もお客さんに伝えられるというメリットがある。

今回の選曲は、じつは「音聴き会」のモンク特集の次はパウエルをやろうと考えていたので、そのときから(今年の3月ごろから)頭の中で漠然と考えていた6つの柱(切り口)に見合う曲を選び、肉付けしていった。

通常は、候補となる曲を集め、削ってゆき、なんとかイベントの尺に合う長さに収めていくものだが(私の場合は)、今回はあえて逆の手法をとった。
すなわち、候補曲を削るのではなく、候補曲をコンセプトに肉付けしてゆくのだ。
マイナスではなく、プラスの作業。

たとえば、「パウエルは電気ショック療法でピアノがヨタヨタになっちゃった!」ということを言いたければ、それにふさわしい音源をいくつか選び、他の選曲となるべくアルバムがかぶらないように整えてゆくのだ。

そういった意味では、今回の選曲は、雑誌の編集目線に近い。

たとえば、「Aという政治家を叩く!」という企画を記事にするとしたら、とにかく「Aという政治家」を叩く材料だけを取材する。彼を叩く発言をする人を探しコメントをとり、とにかく彼のマイナス材料を集める。

もちろん、完全無欠な悪人というのは滅多にいないわけで、「A」にとってプラスな話もたくさんあるだろう。「A」に好意的な人物もいるだろう。しかし、逆の話も記事に掲載するにせよ、あくまで例外扱い。9:1の比率で、マイナス材料を中心に構成する。

そうしないと、「Aという政治家には、いい話もあれば、悪い話もありまーす」なユルい記事に堕す。
実際、そのような記事って読んでも面白くないでしょう?

目線は極端、内容は時として極論。そのかわり説得力を感じさせる。

このような記事のほうが面白いわけで、人前でジャズを発表する「選曲」って、じつは、かなり編集センスを問われる作業なんだなと、今回の選曲作業と通じて改めて実感した。

もちろん、通説を覆すような新説・奇説は持ち上げていないし、多くの人のパウエル認識に水を挿すようなチャチャも入れていない。

天才パウエルの音楽を、端的に、分かりやすく。
願わくば楽しんでもらえる。
来てよかったなと思わせる。
そして、自分が愛聴している音以外はかけない。

これが念頭。
そして、これがすべて。

少しでも良い音を、ということで、ブルーノートの音源などは、ルディ・ヴァン・ゲルダーミックスのものにちょこちょこと買い換えてみたりと、細かい改良点は実行中だが、いちおう、準備はほぼ整っている。

あとは、当日の喋りだけ(汗)。

ちなみに、私はかなりの話ベタなので、もしかしたら、当日はかなりアガって、シドロモドロになる可能性大(笑)。

そんな私の醜態をごらんになりたい人は、是非、6月30日は、四谷の「いーぐる」にいらっしゃい!

「いーぐる特集/バド・パウエル」は、午後3時30分からのスタートです。
参加費は400円(ドリンク別)。

さあ、ふるって、私のことを笑いに来ましょう!

▼「いーぐる」HP
http://www.02.246.ne.jp/~unamas/eagle.html

ちょっとしたプレゼントも用意する予定(一つしかないので、希望者はジャンケンだけど)。

記:

 - ジャズ