「スイング」って何? 考えずにコレを感じなさい。
「スイング」という言葉を聞くと、人によっては様々なイメージが浮かぶことだろう。
この「スイング」という言葉に対する思いや解釈も人それぞれだと思う。
私が思い浮かべる「スイング」は、丸さ。
そして、おおらかさ。
どんなにエッジが尖っていても、どんなにアグレッシヴだとしても、音の中のどこかには、丸さがある。
サウンドが鋭利でも、全体を俯瞰すれば、円を描くように大きな波や運動がある、
そういったイメージです。
これはセシル・テイラーやジョン・ゾーンのような先鋭的なサウンドとて同様で、すべて、とは言わないけれども、私が「ああ、いいなぁ」と思う彼らの演奏の中には必ず大きな円運動や躍動感が感じられる。
しかし、そういった小難しいことを言わずとも、こういうフィーリングが「スイングしている」状態なのだよ、と無条件に聞いてもらえるアルバムだってたくさんある。
一つは、カウント・ベイシーの諸作。
音が、ノリが、どこをどう切り取っても、スイングしまくってますからね。
これは、もう理屈じゃなくて、この音の運動そのものがスイングなんだよ、といえる。
コンボ編成のものだと、そうなだなぁ、コールマン・ホーキンスのものがいい。
もちろん彼は時代によってスタイルも微妙に変わるし、それに伴って共演するリズム隊の面子も変わるけれども、彼のテナーの音、いや、彼の存在そのものがスイングといっても過言ではない。
正しくスイング、掛け値なしの存在そのものがスイングな人、コールマン・ホーキンス。
相性は、ホーキンスを縮めてホーク。
ホークおじさん代表作の本作をどうぞ!
『ハイ・アンド・マイティ・ホーク』。
記:1999/05/01