心の中にスッと潜り込んでくるマイルスラッパ
マイルスはラッパが巧いのではない。
そのときどきに人が抱く情感にシンクロするのが巧いのだ。
だから、いつだって私のATフィールドに覆われた気分に、なんの違和感もなくATフィールドを侵食するわけでも中和するわけでもなく、スッといつのまにか潜り込んで、目の前3センチで鳴る生ラッパの剥き出しリアルが私の特殊な気分に同調してくれるのだ。
ずるい。
そんなアルバムは、私の中ではブルーノートのマイルス(1も2も)しかあり得ない。
誰がなんといおうと、マイルスの中では、この2枚が私の中では永遠の宝物。
それが、『マイルス・デイヴィス・オールスターズ』だ。
記:1999/05/28