ネイキッド・シティ/ジョン・ゾーン

   

最初は「毒」、次第に「砂糖」

このアルバムが出たときは、ショッキングなジャケットや、急速調で移り変わる反射神経の優れた演奏ゆえ、聴くときにはちょっと構えが必要なアルバムだという位置付けが無意識に頭の中で出来上がっていたんだけれども、じつはそうでもなかった。

先日は、プラモを作りながらこれをかけていたら、ノリノリで楽しく作ることができた。

なんつーか、時間の効果なのか、それとも私の耳や感受性が変わってきたのか、あるいは、このアルバムを聴いた頃からさらに何千枚もアルバムを聴いてきているからということもあり、このアルバムの相対評価の立ち居地が変わってきたのか、とにもかくにも、楽しく、スポーティな音楽です、今となっては、私にとっては。

当時感じた「毒」な部分が、今ではどういうわけか「砂糖」に変質してきている。

ゆえに、日々おいしくいただいています(笑)。

記:1999/04/17

album data

NAKED CITY (Elektra/Nonesuch)
- John Zorn

1.Batman
2.The Sicilian Clan
3.You Will Be Shot
4.Latin Quarter
5.A Shot in the Dark
6.Reanimator
7.Snagglepuss
8.I Want to Live
9.Lonely Woman
10.Igneous Ejaculation
11.Blood Duster
12.Hammerhead
13.Demon Sanctuary
14.Obeah Man
15.Ujaku
16.Fuck the Facts
17.Speedball
18.Chinatown
19.Punk China Doll
20.N.Y. Flat Top Box
21.Saigon Pickup
22.The James Bond Theme
23.Den of Sins
24.Contempt
25.Graveyard Shift
26.Inside Straight

John Zorn (as)
Bill Frisell (g)
Fred Frith (b)
Joey Baron (ds)
Wayne Horvitz (key)
Yamatsuka Eye (vo)

1989年

 - ジャズ