カフェ・モンマルトル

高野雲の雑記帳。音楽・映画・読書・模型。

雑想 2001年8月

      2022/03/06

ジャズの「わかる」「わからない」について

平日、夜の居酒屋では、サラリーマンたちが酒の肴トークとして「あいつは仕事ができる」「できない」トークが合いも変わらず繰り広げられている。

一方で、ジャズ喫茶では、常連やマスターたちの間で「あいつはジャズがわかっている」「わかっていない」トークで盛り上がることも。

仕事においての「できる」「できない」は、会社の存続や、自身の生活に直結することもあるので、その多くは単なる愚痴や欠席裁判な場合も多いのだろうが、それなりに有効なことや、あるいは新人にとっては「それなりの学び」もあるかもしれない。

しかし、ジャズにおいての「わかっている」「わかっていない」は、あくまで会話が噛み合うか噛み合わないかが前提条件に横たわっているので、不毛、とまではいわないが、ジャズの理解度は客観的に計測できるものではなく、ましてや競い合うものでもない。

トリオ以外のソニー・クラークの代表作

『ソニーズ・クリブ』は、ソニー・クラークの2枚目のリーダー作。

フロントは、ドナルド・バード(tp)に、ジョン・コルトレーン(ts)に、カーティス・フラー(tb)の3管編成。

ゆえに、一瞬、ピアノのソニー・クラークがリーダーだということを忘れそうになるが、ピアノソロのパートになると、さすがはソニー、もしかしたらコルトレーンのザックリとしたプレイに感化されたのかもしれないが、ソニーのピアノは、いつもに増してシャープな趣きをたたえる。

それだけ、やはりコルトレーンのプレイがこのセッションの中では際立ち、鋭いエッジを放っていることは確か。

だからといって、トレーンだけが目立っているわけでもなく、全員が全員、なんだか燃えまくっている。

そう、熱きハードバップの演奏とは、まさにこの盤のことを言うのかもしれない。
10%増しで荒くれだったアート・テイラーのドラミング、

艶のあるバードのラッパ、厚ぼったく丸っこい音色で印象的なフレーズを奏でるフラー、ビシビシと跳ねるような弾力のあるチェンバースのベース。

誰もが己の個性にターボをかけ、その結果、すべてが良い方向に溶け合っているという、なんとも理想的なサウンドに帰結している。

曲を奏でるというよりは、演奏のための演奏といった趣きの《スピーク・ロウ》も良いが、曲の良さが良い演奏を引き出した《ニュース・フォー・ルル》もいい。

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ヘレン・メリル~スタン・ゲッツ ジャスト・フレンズ

ヘレン・メリルとスタン・ゲッツとの共演盤で、これはなかなか聴きごたえのあるアルバムだ。

暖かくメロディアスなゲッツのテナーに、『ウィズ・クリフォード・ブラウン』以来、変わることのないヘレンの歌声が絶妙にマッチ。

《イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド》、《スイングしなければ意味がない》、《イフ・ユー・ゴー・アウェイ》などなど、名唱、名演揃い。

ま、日本企画のアルバムということもあり、スタンダード大好き日本ジャズリスナー対象ということもあってか、そういう配慮みたいなものもきっとあったのだろう、聴きやすく、奥行きのある曲群が魅力のアルバムといえる。

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ボトルネックを変幻自在に操る魔法の左手

濃ゆい。
ディープだ。
聴けば聴くほどはまってゆく自分がいる。

なんて素晴らしいボトルネック技なんだろう。

ミシシッピ・フレッド・マクダウェルは、まぎれもなくブルースギター弾きの中では随一のボトルネック使いだ。

しかも、単に技巧的なうまさのみならず、こちらの気持ちを揺らし、蕩けさせ、催眠状態にすらおとしいれる。天使の、いや、悪魔の左手?なのかもしれない。

1962年に録音されたこの音源。

マイクがひろってしまった周囲のノイズもあるが、気になるどころか、それも含めて、聴き手を半世紀近く前にタイムスリップさせてしまう。

当時の空気どころか、フレッドの気迫、ブルースマインドまでもが銀色の円盤(=CD)に封じ込められているかのような、そんな錯覚にさえ陥らせる1枚だ。

ブルースファンのみならず、ジャズのピアノトリオばかり聴いているような人も、このようなラフだが、やがて陶酔の境地に誘ってくれる音源を紐解いてみて欲しいと思う。

▼収録曲
1. Done Left Here
2. All The Way From East St. Louis
3. Shake 'Em On Down
4. The Girl That I'm Lovin'
5. Good Morning Little Schoolgirl
6. Left My Baby Standing
7. On The Frisco Line
8. Write Me A Few Lines
9. Goin' Down The River
10. I Rolled And I Tumbled
11. Trouble Everywhere I Go
12. Red Cross Store Blues
13. John Henry
14. Kokomo Blues
15. Milk Cow Blues
16. Trouble Everywhere I Go (Alternate Version)
17. I've Been Drinking Water Out Of Hollow Log
18. Highway 61
19. Someday Baby
20. Como

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