雑想 2004年4月

      2022/10/17

イントロデューシング・ザ・ケニー・ドリュー・トリオ

エレガンスさを獲得したヨーロッパ時代のケニー・ドリューもいいですが、やっぱり、初期のニューヨーク時代のドリューが最高。

まだ、パウエルの影響が濃厚に残っているこの時代、パウエル派というスタイル云々ではなく、ピアノから発散される空気の緊迫感のようなものがたまらない。

まるで何かに急き立てられているようなピアノ。
生き急いでいるような感じすらします。

ヘンな想像しちゃいますが、もし彼がヨーロッパに渡らずにニューヨークで活動を続けていたら、きっと早死にしてしまっていたんじゃないかと思う。

「若さあふれる」「勢い溢れる」という形容も成り立つピアノかもしれませんが、それだけではない何かが、このアルバムに限らずですが、ニューヨーク時代のドリューのピアノからは感じられるのです。

▼収録曲
1. イエスタデイズ
2. 星影のステラ
3. グロリア
4. ビー・マイ・ラヴ
5. 恋人よ我に帰れ
6. エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー
7. 春の如く
8. ドリューズ・ブルース

ハンク ハンク・モブレー

ブルーノート1560番の『ハンク』。

ジャケットは地味かもしれないが(というか地味だが)、充実した内容の演奏の連続だ。

ドナルド・バードとジョン・ジェンキンスによる3管フロント。
これぞハードバップの醍醐味!とでもいうべき充実サウンドを聴かせてくれる。

おすすめ!

ブルー・ヘイズ マイルス・デイヴィス

言い方悪いかもしれないけど、まだ“小粒”だった頃のマイルス作品。

でも、小粒には小粒なりの良さがあって、マイルスの場合は一言でいってしまえば“歌心”かな。

“あの音色”と“あのフレーズ”がピタリと一致していて、とても気持ちが良いのです。

醸しでるムードも悪くないし、唯一難癖つけるとしたら、ジャケットがもっと凝ってほしかった┐(´д`)┌

ブルー・パーラン ホレス・パーラン

ホレス・パーランの代表作といえば、ブルーノートの『アス・スリー』が挙げられるけれども、こちらも隠れ名盤。

むしろインパクト一発の『アス・スリー』よりも、こちらのほうが飽きずに末長く付き合えるのではないかと。

冒頭のミンガス・ナンバー《グッドバイ・ポーク・ハット》からほの暗いパーランの世界に引き込まれること間違いなし!

それと、このアルバムは「ジャズ喫茶名盤」といっても良いだろう。

なぜか家で聴くよりもジャズ喫茶で珈琲を飲みながら聴いたほうがグッと音がしみこんでくる。

ダニー・リッチモンドの力強いシンバルワークもバシバシと胸に迫ってくる。

胸をはってリクエストできるアルバムなのではないかと。

作曲者のセロニアス・モンク以外のピアニストが弾く《モンクス・ムード》は、個人的にはコレがベスト。

▼収録曲
1. Goodbye pork pie hat
2. Sunspots
3. Firm roots
4. Monk's mood
5. Neicy
6. Night mist blues
7. Cynthia's dance
8. There's no greater love

マイルス ESP

ショーター参加のマイルス黄金のクインテット4部作。

私の場合、ヘヴィローテーションとなるアルバムが数年ごとの周期で変わっています。

もっとも4ビートジャズに近い尖鋭的な4ビート『マイルス・スマイルズ』の時期。

次いで『ネフェルティティ』が醸し出す漆黒のドロドロ&うにゃうにゃワールドに魅せられる時期。

ダークグレーな曇り空につつまれた『ソーサラー』にグッとなる時期。

そして、今現在、もっとも聴いている頻度の高いアルバムが『E.S.P.』です。

なにしろ、冒頭のタイトル曲が好きで好きでたまらんのです。

まずはトニーが叩きだすシンバルレガートの突入感、没入感が素晴らしすぎる。

あえてショーターに短いアドリブを先発でとらせて、「よしよし、お前の出番はここまでだ」とばかりに、割ってはいるマイルスも、なかなかニクい。

そーっと語りかけるようなラッパから始まり、力強いハイノートを駆使した説得力のあるソロ。

ハンコックとトニーは、親分が盛り上げたいところを的確に盛り上げてくれる。

ショーターには少ししかアドリブさせないのに、自分は立派な長いソロを取る親分。ニクい、ズルい(笑)。

1曲目からして、このような楽しみ方が出来るので、残りのトラックも推して知るべし。

『E.S.P.』は、聴きどころ満載なアルバムなのです。

▼収録曲
1. E.S.P.
2. Eighty-One
3. Little One
4. R.J.
5. Agitation
6. Iris
7. Mood

ヘレン・カー ホワイ・ドゥ・アイ・ラヴ・ユー ヘレン・カー

これは貴重!

ベツレヘムに2枚のアルバムを残し姿、を消した幻の女性ヴォーカリストヘレン・カーのセカンドアルバム『』のベースは、レッド・ミッチェル。

いいねぇ~。

▼収録曲
1. わたしの思いに御用心
2. マイ・カインド・オブ・トラブル・イズ・ユー
3. ロンリー・ストリート
4. シンフォニー
5. ハビット・ウィズ・ミー
6. バイ・バイ・ベイビー
7. ゼン・ユーブ・ネバー・ビーン・ブルー
8. サマー・ナイト
9. ガット・ア・デート・ウィズ・アン・エンジェル
10. ホワイ・ドゥ・アイ・ラブ・ユー
11. ドゥ・アイ・ウォーリー
12. だまされているのじゃないかしら

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